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当て馬王子 アディオン 編
第20話 与一、えっちな目にあう。
しおりを挟む俺は洗い場に背中をつけて、頭を倒した。髪から水が滴っているルーカスが、丁寧にお湯をかけてくれる。
いや、天国よーー。なんつう幸せーー。
汚れを落とすのがこんなに気持ちいいのはなんでなんだろ?ーーーっ!!お、おい!エドアルド!お、おまえは何するんだよッ!!
俺の下着を脱がせたエドアルドが、前やら後ろやらを拭きだした。いや、介護か!勘弁してくれ!自分でやるってーーーッ!
「動くな、ルーカスが洗えんだろう」
何この連携プレー、ルーカス、おまえ俺のこと売ったりしてないよな?
洗われた後は浴布で頭と身体を拭かれ、俺は不機嫌そのものだ。普段はエリンに洗ってもらっている身だが、なんか違うーー。いや、かなり違う。エドアルドの目がおかしいんだもんーー。
なあ、もしかして、ーー俺……、これからやられるんじゃないだろうなーー?
内心焦りながらルーカスに着替えを頼む。ルーカスがエドアルドの顔を見た。薄く笑ったエロマスターは、「このまま連れて行こう」、と言った。
着替えに、だよな?
俺はこれから鞄から替えの服をだして着替えるんだよな?
「干しキノコーー」
「後にしよう」
エドアルドが俺を抱きかかえた。ほんと、ひょい、って感じでーー。幼稚園の頃、消防署に行ったときに若いマッチョな隊員に抱き上げられたみたいに、軽々とだよ。
俺はこのとき悟ったーー。
こいつが俺を力ずくでどうこうしようとする、それは100%成功するだろう。だって、圧倒的に身体が違うんだよ~~~。あたる筋肉が鉄だな、こりゃ。
寝室っぽい部屋に連れて行かれーー、おい、ベッドがくっついてるぞ。ここに住んでるカップルは仲良しだなーー、こんな聖域は邪魔したらだめだろう。さあ、着替えならリビングでいいからさっ!
抵抗もむなしく、想像通りベッドに下ろされた俺は、なんとか逃げ道を考える。
キーは、ルーカスだ。
こいつを少しでもルーカスに止めてもらう。この際真っ裸でも走って逃げる。それしかないーー。
「きれいな肌だーー」
さわり方がエロいな。
エドアルドがベッドにあがり、背後から俺の身体を触りだした。ちょー、ピンチ、めっちゃピンチやんか!
「服を着る」
「必要ない」
「ーー王宮に帰ってからだ」
「逃げる気では?」
そうですよねーー!そう考えちゃうよねーー!現に逃げられないかな~、って思ってますよ!
「だからといって、部下が近くにいるところではーー」
恥ずかしそうに俺は言った。そう、ルーカスが扉前にいるんだよ!
「ルーカス」
エドアルドに呼ばれたルーカスが、こっちに近づいてくる。心なしか足音に迷いがあるような気がするんだがーー。
頼むよ、助けてくれ~~。俺はおまえを救いたかったから身体を張ってるんだぜーーッ!
「おまえは前だ」
「!?」
え?ちょっと、何言ってんだーーーーーっ!?
「……」
エロマスターに言われたとおりに、ルーカスが俺の前に腰を下ろす。そして、俺の目には、信じられないものが視界に入ってきた。
「アディオン殿下……」
目が、ルーカスの目が、熱に浮かされたみたいに潤んでいる。ーーこれは一体どういうことだ???
「私が後ろをほぐすから、おまえはアディの前を可愛がれーー」
言うなりエドアルドが自分の太腿の上に俺を乗せ、尻を撫で回した。
お~~~~いっーーーーッ!!
最悪な指示を与えんなぁ!馬鹿かおまえーー!しかも、信じられないことにエドアルドは宣言通り、ヌルヌルしたものを俺の尻穴にぬりたくってきた!
「おい!」
焦った俺はやつの動きをとめようと手を動かす。だけど、その手をエドアルドがつかんできた。
助けてくれーーーーーッ!
「ルーカ……っ!」
どえぇーーーーー!
ルーカスの若くて弾力がある唇を重ねられ俺はかたまった。
なんで?
おまえにはイリスがいるだろーー。これはおまえ、完全に浮気じゃないかーーーッ!!
いやいやいやいやいや、ルーカス!気の迷いだ!
エドアルドーーー!、尻穴が痛いって、やめてほしいんだけど!
貞操の危機とは、こうも突然に陥るものなのか……。
なんで男が男の裸で興奮するんだよ。体育の授業とかどうなってんだよーー。サッカー部の部室なんか、こいつらどうなんの?イケメンエースの吉田なんか、モテモテだろうなぁ!!
……もう、こんな世界イヤだよ~~~~~!!
俺が意識を飛ばしてる間にも、エドアルドは俺の尻の穴を指先でくるくるまわしているし、ルーカスなんかベロチューかまそうとしてくる。しかも、こいつキスが上手いのなんの、そりゃイリスもご満足だよな。
ふたりにがっちりと身体を押さえ込まれ、俺はされるがままだ。ただし、恐怖からか俺の息子はまったく反応がない。むしろ萎縮してしまっている。
「ーーアディ、怖がるな」
怖いわ、ばかたれ。
ジタバタしたくとも、動かない俺の身体。これからされることを、なんとなく理解している俺の脳みそ。
「ーーふっ……」
ようやく唇を離され、ルーカスの顔をまじまじと見る。あーー、あかんわ、こいつ完全に雄モードに入ってるよ。やりたくてしょうがない男子高校生の顔だ。
こんなんから、どうやって逃げたらいいんだーー?
エドアルドなんか俺が立ち上がれないように、腕を後ろにまわしてんだぜ。腕使わずにこの体勢からは動けないよ。
……すまない、アディオンーー。どうやら俺はここまでのようだーー。
悟りを開いた修験者の気持ちになって、俺はち○こをいじられている快感から現実逃避した。
そんな擦られたらあかんよ、君。王子様だってしょせんは男なんやでーー。徐々に目覚めようとする俺の息子、頼むから深い眠りに落ちてくれ!
そ、そうだ!
ルーカスはイリスのち○こをいじっている。この手はイリスのち○こをいじった手なんだよ~~~ッ!!
ーーうわぁ、超萎えるわ。こいつ最悪やん……。
エドアルドに襲われ、なんとルーカスまで参戦してくる状態。
「ーールーカス!イリスはいいのか!!」
叫ぶように言うと、ルーカスが真っ直ぐな目で俺を見た。
「はい。おれの心はもう、アディオン殿下のものです」
なんだってーー!これはどういう展開なんだよ!当て馬がヒーローとできちゃうなんて、おかしいだろーー!
「おまえは魔ドラゴンを退治した後で、冷静じゃないだけだ!」
必死に叫ぶのに、ルーカスは興奮した顔で俺の話なんか聞きやしない。
「ーーかたすぎて無理かもなーー」
指一本ですら拒む俺の尻穴に、エドアルドがため息をついた。
「やはり、早めから準備すればよかった……」
そう言うと、エドアルドが俺の尻の割れ目に、……信じたくないことなんだが、ち○こをくっつけてきたんだよーーー!
ノォ゙ーーーーーー!これが素股ってヤツなんですかーー!?
後ろをとるエロマスターが、俺の尻でち○こを擦りだす。
「うっ!」
ーーえ?イッたのこのひと?早くない?けど、足に、ーーかかった?
俺の思考は停止した。
耳を舐められても、何にも感じない。
出したの?俺の身体にかけちゃったの?なんなのよ、ーーいや、魔ドラゴンが斬れたら、って言ったのは俺だよ、そこは間違いないーー。
ーーけど、けどさ、こんなに心の準備が必要なことなんだって、俺自身も思ってなかったんだよーー……。
「……」
エドアルドが動きをとめた。だけど、またすぐに腰を動かしだす。
「ーーうっ!」、ーーってほんとに早くないか、このひと……。
涙がにじむ俺の目なんか、ふたりは気づかないのだろう。俺の身体で好き放題してやがる。
もう、俺はこのままふたりにやられるのかーーーー、さようなら、俺の純潔…………。
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