(完結)主人公の当て馬幼なじみの俺は、出番がなくなったので自分の領地でのんびりしたいと思います。

濃子

文字の大きさ
52 / 194
当て馬にスパダリ(やや社畜)婚約者ができました。編

第1話 お帰りなさい ☆

しおりを挟む
「では、坊ちゃま。おやすみなさいませーー」
「ああ」
「どうぞ良い夢をご覧くださいーー」
「?」
 何だ?いままでそんなこと言ったことなかったのにーー。

 不思議だなーー、と思いながらベッドに横になる。昔からアディオンがお気に入りの、バックスベアって会社が作ってるブランケットをかけて。うん、俺も気に入ったんだけどさ……。

 って言うと、?、って思うよな。
 俺は最初からアディオンだったわけじゃないんだ。
 元は木更津与一、ってしがない大学生よ。それが向こうの世界で死んで、こっちでそのとき偶然にも死んじゃったアディオンに入っちゃったんだよ。

 噂によく聞く、異世界転生、ってやつ?

 それからは、アディオンとして生きてるんだ。ん?アディオンって何それ、だよな。

 アディオンはアディオン・クロノ・アンガーティ・エウローペー、って、エウローペー国のアンガーティさん家のアディオン・クロノ君。父親のレディガンと兄貴のリディアンと弟のセディランの4人家族なんだ。なんとびっくり、このエウローペーって国の第2王子様よ。
 
 母親は、って?
 全然面白くない話なんだけど、この世界女性がいないんだよ。魔法科学センターでは、「数人いるらしい」、みたいな話はしてたけど、それはそれで可哀想だよな。俺だったら絶対に見つからないように隠れてるよ。

 ああ、そうだーー。人類が滅びないように、魔法科学を異常に発達させて、男でも子供が産めるようになったんだ。
 
 それが、『アザ花種』、そのひと達は子供を産むと、『お腹様』、とか呼ばれるんだけど、俺は母ちゃんと呼ばれたいと思っている。

 残念ながら俺達の母ちゃんは、弟を産んですぐに亡くなった。珍しい話だが、親父は国王なのに再婚してないんだー、すごいだろ。

 んで、ここ重要な話なんだけど、俺は生まれたときは普通で、途中からアザ花種になっちゃった珍しい人間だ。冗談きついよな。けど、いまとなってはそれがありがたいことになったんだよ~~~♡

 何でだってーー?


 それは、だね。




 キイ………。

 ほぼ、音もなくバルコニー側から彼の気配が入ってきた。俺はベッドのうえに上半身を起こして、そのひとを見る。
「ーーキサラ」
「よお」
 ベッド脇に置かれた光石ランプをつける。これ、自然に光る光石を、スイッチひとつで発光を制御する優れものなんだ。室内や街灯の灯りは、すべてこの石でできてるんだぜ。エコロジーだよな。


 えっ、それより、ちょっと待て。
 帰ってくるのって、明日じゃなかったかーー?

「ーーマルスさんが風呂用意してくれてるから、入ってくる」
「え?」
 マルス~~~、なぜ俺に言わない!絶対にわざとだろっ!!

「じゃ、じゃぁ、俺、ほ、ほぐしとこーー」
「ーー後で俺がやる」
 
 くぅーーーーーッ!

 いつ見てもイケメンだ。
 俺、アザ花種になってよかったーー。いや、別にアザ花種じゃなくても結婚はできるけど、ほら、どうせなら子供がーーーーー、ぎゃぼぼぼっ!!

 まっ、いろいろあって(はしょりすぎだよな)、婚約した俺達は、キサラが多忙なためほぼ会っていない。

 彼は隣領へブリーズの領内捜査局という、ニホンでいう公安みたいな仕事をしていて(FBIのほうがしっくりくるか)、部下と一緒にあちこちで潜入捜査をしている。極秘な内容が多いから、仕事の話はしないけど、無事に帰って来てくれると、ほんとホッとする。

 イケメンで仕事ができる、って最強だけど、ちょっと、いや、かなりさみしくはあるんだよなーー。1ヶ月会えないなんて、ざらだし……。なんか、魔法でワープとかできないか……。



 ドキドキして待っていると、浴布で髪の毛を拭きながらキサラが戻ってきた。
「………」

 全裸だ。

 お、おいっ、全裸だよーー、ってまあそうなんだけど、も、もう自然に顔が火照ってくるなぁ。
「み、水あるよーー」
「ああ、悪い」
 冷えた水を入れたコップを受け取り、キサラがぐっと飲む。
 かぁ~ッ!、色ッペ~な~~~ッ!

 ちなみに、毎晩マルスが置いてくれる水差しは、蓄冷ガラスでできている。これは冷たい温度を保ってくれるすばらしい素材を使ってるんだ。ーーってことは、その逆、畜温ガラスもあるんだよ~、便利だろ?


「ーー元気だった?」
「問題ない」
 コップを置く音に俺はドキッとした。

 だ、だって、これからするんだぜー。やる前ってそわそわするだろ?なんのクッションもなくはじまるほうが、緊張はしないと思うんだけどーー。何だろう、恋人時間っての?見てるだけで胸がいっぱい、っていう甘酸っぱいやつよーー。

「アディ……」
 キサラが俺の髪を梳いた。
 骨ばった手が、何度も髪の毛を撫でる。

 ーーほら、こういう、、、えっちの前の空気感、慣れないーー。恥ずかしいんだよーー、苦しくて、どこ見ていいかわかんなくて、早くとどめを刺してほしいんだよ!

 あっ、…目が合ったーー。



 ……好きだな………。

 ゆっくりと髪を梳く指が、そのまま頬にきた。あーー、心臓がドクドクうるさいや。
「ーー痩せたか?」
「ん!?あ、ああ、っていうか俺、アザ花種に変異しただろ?それで、見た目がなよっちくなってきてるみたいなんだよ」
「そうか……」

「いや、力や体力は全然落ちてないと思うんだけどーー。後、魔法科学センターで診てもらってさ、子供ができるのはもうちょっと後になるかもだって」
「子供ーー」

 あっ、これはよけいな話だった。いきなり子供の話なんかきついって、俺はほんとにデリカシーないなぁ。

「アディ……」
「ああ、うん。ごめん、変な話してーー」
 これからそこと直結することするのに、萎えるよな……。

 ちゅっ、とかわいい音のキスが唇におとされる。
「ん?」
 ここはもっとぶちゅ~っときてくれないとさーー、と不満げな俺に、キサラがふれてははなれるようなキスを繰り返しーー、
「大事にする」
 と、強い口調で言った。
「……」
 その言葉に俺のときはとまる。

 ど、どうしちゃったんだ?、キサラーー。

 その真剣な、曇りなきまなこに俺の心が動揺する。こんな顔をするひとだったんだな……。
「アディ……」
 いつもより優しい唇に、俺の心臓がマキシマムを振り切る勢いでバクバクする。

「い、いや、だ、大事にするより、いまは、めちゃくちゃにしてほしい、っていうかーー」
 わけのわからんことを言うな、俺はほんとにもうっ!!
「ああーー、」
 キスが深くなる。

 これもバックスベア社のさらさらした寝衣を脱がされ、俺の身体をキサラの唇が這っていく。優しく、少し痩せた身体を確かめるようなくちづけに、俺は赤面するしかない。

 な、なんか受けのほうって、何するんだ?俺も男だから、あっちの国の動画で攻めるほうは勉強したよ。

 けど、反対側は考えたことなかったからなーー。

 いや、攻めの反対だから……、途中までは一緒だよな?……なら、アレもやるのかな……。いつも俺だけやってもらってるから、いい加減なんか動かないとキサラも嫌だろうしーー。

 俺はキサラの下半身に手を伸ばそうとして、その手を恋人つなぎにされた。
「あ……」
 また彼の唇が俺の口を覆う。柔らかくてしっかりした唇が、舌を吸い出すような動きをする。俺が舌をだすと、まるで飲み込むかのようにキサラの口のなかに引き込まれた。

 いやらしい音をたてながら、俺達はしつこいぐらいに舌をからめあう。すぐに、俺の頭がボウっとなってきた。キサラとキスをするといつもこうだ。頭の中が冷静でいられない、勝手に涙もでてくるしーー、はっきりいって、変だ。

 唇が離れ、垂れた唾液を手でぬぐうーー、何をやっても色気がヤバいよな。

「キサラ……」
 下半身、というよりははっきり言おう。俺の尻の穴がムズムズしてきている。久しぶりにあの快感がくるのだと期待して、俺のムスコよりも異常に反応しまくってるんだよ~~~。

「ーー早く、ほしい……」
 あー、言っちゃったーー。俺ってばはしたないーー。呆れた顔してるじゃん、もうっ!
「ああ……」
 すまん、急かしちゃだめだよなーー。キサラのペースがあるもんな。

 キサラが俺を横たえて、腕枕に頭を乗せた。
「!」
 身体はぴったりと密着し、その状態で横から俺の尻に手をはわせて、穴をいじりだす。

 ーーこ、これはっ、俺だけ感じちゃうパターンじゃないか……。しかも、キサラの超目の前でーー、と理性が働くのは一瞬だ。

 彼の指に思考がとけていく。脳みそが、「大歓迎よ~♡」、とえっちなモードに切り替わる。
「き、キサラ……ッ」
 腹に濡れた先端があたって、俺の身体にゾクゾクが走った。こ、これがこれから俺のナカにはいって、あんなことやこんなことをするんだよーー。

 ーーいやん……。


「ーーいけるか……」
 ーーもちろんだ!いつでも来い!

 俺はゴールキーパーになった気分で(俺のポジションはFWだったが)、キサラのゴールを待ち構える。そう、すべてを受けとめる覚悟だ!

 腕枕をはずされ身体がベッドに沈む。彼によって俺の足は広げられ、片足はとくに大きく開かれた。恋人は片手で俺の頬や髪を愛撫し、唇にはキスの雨をふらせていく。

 ーーほわわ~ん~~。

「あ……ッ!」
 その間にも下は下の行動だ。俺の尻穴にぐっときたアレが、ゴールに押し込まれる。これはもう、これはーー!


 ゴールーーッ!

 後はもう、好きにしてくださいーーッ!


「……ぅぅ゙ん…、ぅふッ……」
 なんでこうキスってずっとしていられるんだろうーー。唇への甘咬みに腰が抜けるーー、もう、好き。好きだってーー、キサラしか好きになれないんだって……。

「…、好き、キサラ……」
「………、ああ……」
 言葉は少ないけど愛はたっぷりくれる。俺ほんと、無口な男ってカッコいいと思う。
 
 でも、無口すぎるわけじゃなくて、話したらちゃんと返事を返してくれるし、どんなしょうもないネタでも、最後まで相手をしてくれるーー。

 ーー理想の恋人、なんだよ、げへっ。

「あっ!そこ、いやッ!」
 お腹の奥がキュンキュンしてきた。
 そんなに突かないでよ、すぐにイッちゃうからーー。

「…、だめッ!キサラッ~~~ン゙ッ!」
 みっともなく喘ぐ俺に薄く笑み、彼が腰の動きを速める。あっ、ヤバい、すごいんだけどーー。
「~~~~~~ッ!!」
 あーー、クるーー………。

「ッ!!」
「ーーンン゙ン゙ッ!、あんン゙ーーッ!!」
 彼が俺のナカに熱を放つ。


 ーーもちろん、だしたからってとまらないよ~。まだまだ夜は長いからね。もっと、も~っと、えっちなことするんだぞ~~~……♡
 




ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 いつも最後まで読んでいただき、ありがとうございます😄

 続きになります🥹
 また、読んでいただけたら、うれしいです☺️
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...