(完結)主人公の当て馬幼なじみの俺は、出番がなくなったので自分の領地でのんびりしたいと思います。

濃子

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魔法とアザ花種 編

第8話 仲間外れだよな?

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 俺は首をかしげながらくねくね動く後ろ姿を見送ってたんだけど、その俺の腕をイリスがしっかりとつかんできた。
「滝だって!僕、打たれてみたい!」
 こら、箱入り息子。あんなのは絶対につらいだけだぞ?

「ーーいいですね。滝行ーー。私もご一緒しましょうか?」
「えーー。エドさん、エッチなことしない?」
 上目遣いに加え、うるうるおめめのイリスの破壊力。

 あいかわらず凶器だよなーー、兵士さん達鼻血ふいてるぞ。

「もちろん。純粋に修行のお付き合いをしたいだけですよ」
「えー、どうする?アディーー?」
「……」
 ウキウキが隠せないエドアルドに、俺は冷たい視線を向ける。

 何ウキウキしてるんだかーー。さっきはまともなこと言ってたのになーー。ちょっとだけ株があがったのに、すぐに下落するじゃないか。

「ーーそうか、サキナ殿も愛らしい系だから、エドアルド殿はイリスが好みなのか?」
「問題ありません」
 あるだろ。
「やだーー、僕もエドさんのこと、前からいいなって思ってたんだーー」
「はっ!?」
 俺は二度見でイリスをみた。

「冗談、だよなーー?」
「どうかなエドさん?」
「さあ、どうでしょうねーー」
 睨みつける俺の視線なんか屁でもない男が、まんざらでもない顔をしてやがる。

 な、なんなんだよ、エロマスター!またサキナさんを泣かせたら、今度は俺、絶対に許さないからなーー!

「まあ、殿下、そう妬かずにーー」
「ふざけるな!サキナ殿に頼まれているのだ!」
「ふふっ。あれはヤキモチも可愛いのですよ」
「ほぉー。逆の立場ならどうなのだ?」
「はい?」
「だから、逆だったらーー」
「はい。とりあえず相手の手足は削ぎます」
 笑顔で言うな。

「では、エドアルド殿も一度サキナ殿に削がれたらどうだ?」
「あれになら喜んで」
「……」
 カッコいいのかカッコ悪いのかがわからないーー。ほんとにエロマスターってやつはーー。

「あーあ。なんで浮気ってタチ側なら許されるんだろ」
 俺達のやり取りを聞いていたイリスが、ぼやくように言った。
「ーー嫌なら別れたらいいんじゃないのか?」
 その言い方に俺は心配になり、いらんおせっかいを焼きたくなる。

「別れるほど嫌いじゃないんだよ。ただ、現状維持だと物足りない」
「大人な意見だな」
「だって、本気で愛されてないもん」
 頬を膨らませたイリスが、大きな目で俺を睨んでくる。

「ーー私がもっとはっきり断ればいいのか?」
「ずいぶんと上からな意見だよね。でも、アディだけじゃないから安心してーー。彼モテモテだからいろんなひとからお誘いがあるんだ……」
「最低だな」
「ほ~んと、誰か他にいいひといないかなーー?」
「スノウかカーレルはどうだ?」
「え?それって、セディの近衛兵の?」
 なんで?、という顔をイリスがした。俺はそんなイリスがなんでなんだがーー……。


 ーーあっ、しまった。ルーカス生存ルートじゃ接点がないのかーー!

「なんでそのふたりの名前がでるの?」
 不思議そうな顔でイリスに尋ねられる。
「あ、いや、その、、」
 世間話のつもりで口をすべらせてしまった。やっちまったなーー。
「動揺しすぎーー。でも、アディのおすすめなら、今度会ってみようかな……」
「え?会うの?」
 俺はまたよけいなフラグを立てたのか?
「セッティングよろしく~」
「……」

 やらかしちゃった、かな……?ーーてへっ。











「ーーエドアルドぉ~~ん~~~♫」
 突然、格式高い庭園の花が、すべて散るような大音量の声が響いた。
「何だーー。ああ、来たな」
 笑みをもらしたエドアルドに、俺は彼の視線を追ってーー、


「!」

 ルカルドがキサラの腕にごんぶとの腕をからめながら歩いてきた。
「うっふっふ~~。久しぶりよね~~~、今日は朝まで付き合ってもらうわよ~~~♡」

「ーーエド兄だけでいいだろう」
 キサラが俺の顔を見て、少し微笑んだ。心の準備ができてなかった俺は、ただ呆然とするよりない。

「飛竜はどうした?」
「許可が間に合わなかった。ルカルドの領地にいる」
「私は今日、空ばかり見ていたぞ」
 エドアルドがうれしそうにキサラの肩を叩く。それで、空を見てたの?あんた、言ってくれてもよくない?

「アタシなんか、キサラが近づいてくるだけで、ピンとくるわよ~~。オーラが違うのよね~~~」
 あきらかに俺を見ながらルカルドが言う。何だちくしょう、おまえら揃って俺のこと嫌いかよーー。

「ルカルド、つぶしてやろう」
「いいわよん~。つぶし返してあげるわ~ん~」
 エドアルドがルカルドを煽る。その間もキサラは、ごつい腕に拘束されたままだ。

 ちょっと、くっつきすぎですよ。いい加減、離れてくれませんかーー?噛み締めた歯が砕けそうになってきたぜ。


「早く~~、行きましょう~♡」
「おい、話がーー」
「剣、研がないわよ~♡いいの~?」
 笑顔ですごむマッチョなおネェさん?に、キサラが眉を寄せる。
「離せ」
 キサラが腕を捻ってマッチョな腕からするりと抜けた。おー、なんか合気道みたいだなーー。

「ーー護衛もいないんじゃ、放っておくわけにはいかないだろ」
「大丈夫よ~。一番警備が厳しいところにいるんだから~。昔話でもしながら飲みましょうよ~~~」
 俺の肩に手を置いてキサラが言う。
 ぽわわ~ん、なんて紳士な男だよ。そうだぞ、もっと俺にかまうんだ。
 


「ーーキサラ。時間があれば、来てくれたらいいよーー」
 うん?ーー何で俺は気を使ってるんだ?自分が信じられないなーー。
「いや……」
「キサラさん。僕もいるから大丈夫だよ。これから、一緒にお風呂に入るんだーー」
 イリスが強く俺の腕を握る。痛いって、案外馬鹿力だよな……。

「風呂?」
「入らない」
「アザ花種同士で何を遠慮してるのよ~~~」
「……」
 遠慮じゃないんだよーーー!頼むからいらんこと言わんでくれーー!

「そうそう。僕のこと好きだったのも、昔の話だもんねーー」
 はい、余計な情報ーー!なんでそれ言うかなーー。
「まあ!アザ花種同士でーー!!禁断の愛ね~~~!」
「そうなんだよ。すべてを捨ててでも一緒になる覚悟だったのにーー」

「あっさりフッたくせに何いってんだか」
 俺が忌々しそうに言うと、ルカルドが目をぱちくりとさせた。
「あら、王子様……。見た目のイメージと違うのね~~~」
「悪いか?」

 偉そうに言ってやると、「怖いわね~」、と肩をすくめ、再びつかんだキサラの腕を引きずるようにして歩いて行く。

 すげぇー、キサラが力で負けてるよーー。

「ーーアディ…、」
「……うん」
「………湯冷めするなよ」
「うん……」
 
 その場から動かない俺を、キサラがずっと見ていた。俺も彼が消えるまでその姿を長い間見つめていてーー……。

「アディ……。よだれでてるよ」
 ツッコまれて俺は口元を拭く。よだれも自然にたれるんだよ。見ろよ、あの安定のカッコよさ。白い騎士服なんか着るなってーー。清々しさもプラスされて、爆イケメン過ぎるぜ……。ぽっ……。

「ーーいいの?」
「男には、付き合いもあるだろ」
 
 くそっ!俺だって、飲んでやるからなッーー!






ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 いつも最後まで読んでいただきありがとうございます😊とってもうれしいです🥹

 
 AI画像を楽しんでいじってますが、なかなかこれだ!っというのがつくれません😓買いたいソフトもあるんですが、そうなると全部やり直しになるしな……、と迷い中です~🙄

 アディとキサラのツーショットをつくりましたが、コマンドが悪いみたいですね😩

 これが、限界です🙀


 アディが幼いし、学生みたいになっちゃいました(笑)
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