悪役令嬢となる為にゲーム世界へ持っていく物?では、神様、あなたで。

わかば

文字の大きさ
3 / 7
結ばれるまで

3話 うーん、まあ。

しおりを挟む
「わ、私を…ですか?」
神は驚きながらそう返してきた。なんとか笑顔をつくろうとしているようだが、うまく笑えておらず頬は引きつっていてる。神でも予想できないほど、凛が出した答えは馬鹿げたものだったのだろう。神は、
「はあ…。」
とため息をついてそのまま考え込んでしまった。
凛は、神が考え込むと言うことは、少しは検討してくれているのだろうと淡い期待を抱いてワクワクしながら神の答えを待っていた。
ドストライクの相手だ。できれば、一緒に行きたいが、最悪、断られても良いと思っていた。なぜならこの提案は神からしても、ものすごく迷惑なことだろうだからだ。好感を抱いている彼を困らせてまで自分の考えを押し通すつもりは、彼 彼女にはなかった。
そんなことを考えながら笑顔で待っていると、考え始めてからすぐに神はガタッと音を立てて立ち上がった。
「上に相談に行ってきますから、ここでお待ちください。」
その顔は、本当に困っているように見えた。やはり、困らせてしまったのだろうか?
凛が瞬きをした次の瞬間、神はそこにはいなかった。まるで消えてしまったかのように思えるくらい、一瞬で彼は何処かに行ってしまったのだ。

5分くらい経ったころだろうか?暇になってしまって、ベッドでゴロゴロしていると、急に横に神が現れたのだ。
「きゃっ!?」
思わず悲鳴が溢れた。それもそうだ。想像してみて欲しい。もし自分の隣にワープでもしてきたんですかと言うくらいの一瞬の間で好みの相手が現れたら、誰でも驚くだろう。いや、好みの相手でなくとも驚くだろうが。
「お、お帰りなさい…。」
驚きのあまり、小さい声でしか返事を返せない。
「すみません。驚かせてしまいましたね。」
凛は起き上がり、先ほどのようにベッドに腰掛けた。
凛は赤い顔をしたままで神に尋ねた。
「結果はどうでしたの?」
少しばかり緊張する。
「はい、まあよろしいでしょうとのことです。」
「まあ…!本当によろしいのですか!?」
凛は思わず歓喜の声を上げた。
あまり期待していませんでしたが…まさかいいと言っていただけるなんて!嬉しくてたまりませんわ!
「嬉しいですわ!本当に一緒に来てくださるの?」
そう聞くと神は苦笑いをしながら答えた。
「ええ、ですが、少々不安な条件をつけられてしまって…。」
神の上司が出した条件は以下の4つ。
1、悪役令嬢として凛が転生をする。
2、本来なら主人公と結ばれるはずの王子役に神が転生する。
3、記憶が戻るのは5歳から!
4、転生するのは悪役令嬢が死ぬエンドが多い「ラブラブ王子様!~転生の合間に~」にすること。
と、内容はこんな感じだった。
「悪役令嬢、ですか。確か、最初は他国の第一王子と婚約していて、それでも自国の王子に恋をしていて妨害してくる役…でしたわね?」
さらっと覚えている内容を説明すると、
「よく覚えてらっしゃいますね…。」
そう、凛は昔このゲームをやったことがあるのだ。友人のすみれがはまっていて、凛たちはよくこのゲームの話をしたものだ。
そのゲームは悪役令嬢の伯爵令嬢リーヌが死んでしまうエンドが多く、販売中断にまで追い込まれたゲームでもある。
「た、大変な道のりになりそうですわ…。」
ため息まじりにそう言うと、神もため息をついて
「そうですね…。私たちが結ばれるには、かなり大変そうです。」
と返事した。
「ええ?」
「はい?」
凛は目を大きく見開き、口元を隠した。
今、「むすばれる」とおっしゃいましたか…?む、結ばれるつもりですの?わ、私と…?
凛は結ばれようなんて思っていなかった。せめて、誰か一緒にいて欲しい。その人が、こんなイケメンだったら…そんなことを考えていただけだったのだ。
予想としていなかった言葉に慌てる凛。顔がだんだんと暑くなっていくのがわかる。
「も、もしかして私とはむすばれたくありませんでした…?」
そんなこと一言も言っていないと抗議しようとしたのだが、そうだ。この神は心が読めるのだ。だから、自分が好意を抱いているというのがバレてしまったのだ。
「そ、そうですわね…。そうなると、嬉しいのですが…。」
恥ずかしくて、もじもじしながら答えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!

ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。 え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!! それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?

虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな
恋愛
 前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。 なんていうのが、一般的だと思うのだけど。  気がついたら、神様の前に立っていました。 神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。  初めて聞きました、そんなこと。 で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

何やってんのヒロイン

ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。 自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。 始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・ それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。 そんな中とうとうヒロインが入学する年に。 ・・・え、ヒロイン何してくれてんの? ※本編・番外編完結。小話待ち。

処理中です...