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結ばれるまで
5話 王子様との対面
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ー数日後ー
ついにこの日がやってきましたわ…!
今日はついに、王子様、神様と会う日なのだ。王子様、神様の名前はライト・アルベスト様。
なんとお呼びすればいいのか、少し迷っていたが、リーヌはいいことを思い出した。
ああ、でも王子様は王太子様でもあったのですわよね?なら、王太子様とお呼びすれば問題ないわね。
もう直ぐお会いできると思うと、胸がドキドキする。今はもう、ドアの目の前まで来ているのだ。
コンコンコン、とノックをする。すると、中から
「どうぞ。」
という声がした。ああ、ついに会えるという喜びと、神様が記憶を所持しているかわからないという不安が押し寄せる。
神様の記憶があるのか、聞いておけばよかったわ…。
が、今更後悔しても遅い。ギイイイイ、というドアの音とともに、舞台に上がる。
丁寧にお辞儀をしながら挨拶をする。
「初めまして。王太子様。アルベント伯爵家の娘、リーヌ・アルベントと申します。今回はお会いできる機会を与えていただき、ありがとうございます。」
ふっと、王太子様が笑った気がした。ゆっくり顔を上げると、やはり王太子様はニコニコ笑っていて、メイドや護衛の騎士たちに手を挙げて「下がれ。」と合図していた。メイドや護衛の騎士たちは、音を立てることもなく部屋を出て行った。
「お、王太子様?」
私がそう問いかけると、王太子様は微笑んで
「凛さん。」
といった。言ってくれた。神様は、記憶を所持していたのだ。
「神様…!」
「凛さん。」
二人は駆け寄り、手を握り合った。
「私もこの間、記憶を取り戻しました。凛さんは、数日前でしょう?」
「まあ、私の誕生日、覚えててくださったのですね?」
まだ知り合いでもないのに…。
「どうしてか凛さんのことだけは覚えていなくてはいけない気がして…。」
「愛の力というものでしょうか?」
二人は仲良く話していたが、それも長くは続けず、直ぐに作戦会議に入った。
「これから、どうしていけばいいのでしょうか?」
「うーん、とりあえず父上には相談してみてもいいと思うのですが…。」
父上。国王のことだ。彼は優しいが、かなりの真面目で。
「希望は薄いと思います。」
「ですね。」
他に何か方法はないかと、二人で思案してみたのだが、なかなか思いつかない。
「悪役令嬢みたいにいじめをするわけにも行きませんし…。」
「そうですね。流石にいじめは…相手がかわいそうですからね。」
二人は優しい性格の持ち主だったため、誰かが傷つくような方法はどうしても避けたかったのだ。
「となると、方法は少なそうですわね。」
「とりあえず、父上に相談してみましょう。…嘘を交えつつですが。だめだった時はだめだった時です。その後に考えましょう。」
「…そうですわね。」
二人はギュッと握手をした後、笑顔で別れた。
ついにこの日がやってきましたわ…!
今日はついに、王子様、神様と会う日なのだ。王子様、神様の名前はライト・アルベスト様。
なんとお呼びすればいいのか、少し迷っていたが、リーヌはいいことを思い出した。
ああ、でも王子様は王太子様でもあったのですわよね?なら、王太子様とお呼びすれば問題ないわね。
もう直ぐお会いできると思うと、胸がドキドキする。今はもう、ドアの目の前まで来ているのだ。
コンコンコン、とノックをする。すると、中から
「どうぞ。」
という声がした。ああ、ついに会えるという喜びと、神様が記憶を所持しているかわからないという不安が押し寄せる。
神様の記憶があるのか、聞いておけばよかったわ…。
が、今更後悔しても遅い。ギイイイイ、というドアの音とともに、舞台に上がる。
丁寧にお辞儀をしながら挨拶をする。
「初めまして。王太子様。アルベント伯爵家の娘、リーヌ・アルベントと申します。今回はお会いできる機会を与えていただき、ありがとうございます。」
ふっと、王太子様が笑った気がした。ゆっくり顔を上げると、やはり王太子様はニコニコ笑っていて、メイドや護衛の騎士たちに手を挙げて「下がれ。」と合図していた。メイドや護衛の騎士たちは、音を立てることもなく部屋を出て行った。
「お、王太子様?」
私がそう問いかけると、王太子様は微笑んで
「凛さん。」
といった。言ってくれた。神様は、記憶を所持していたのだ。
「神様…!」
「凛さん。」
二人は駆け寄り、手を握り合った。
「私もこの間、記憶を取り戻しました。凛さんは、数日前でしょう?」
「まあ、私の誕生日、覚えててくださったのですね?」
まだ知り合いでもないのに…。
「どうしてか凛さんのことだけは覚えていなくてはいけない気がして…。」
「愛の力というものでしょうか?」
二人は仲良く話していたが、それも長くは続けず、直ぐに作戦会議に入った。
「これから、どうしていけばいいのでしょうか?」
「うーん、とりあえず父上には相談してみてもいいと思うのですが…。」
父上。国王のことだ。彼は優しいが、かなりの真面目で。
「希望は薄いと思います。」
「ですね。」
他に何か方法はないかと、二人で思案してみたのだが、なかなか思いつかない。
「悪役令嬢みたいにいじめをするわけにも行きませんし…。」
「そうですね。流石にいじめは…相手がかわいそうですからね。」
二人は優しい性格の持ち主だったため、誰かが傷つくような方法はどうしても避けたかったのだ。
「となると、方法は少なそうですわね。」
「とりあえず、父上に相談してみましょう。…嘘を交えつつですが。だめだった時はだめだった時です。その後に考えましょう。」
「…そうですわね。」
二人はギュッと握手をした後、笑顔で別れた。
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