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歌姫(少し怖め。)
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東京の真ん中に、とある事故物件があるとの噂だ。ルリラルリラと歌が聞こえるのだと。
「試しに行ってみようぜ!面白そうじゃん。」
こう提案したのは時坂 隼人。それを、
「ごめん、怖いの無理…。一人で行ってきてくれる?」
こう答えて押しのけたのは彼の幼馴染、賀川 麗華だ。麗華は昔から怖いものが苦手で、いつも隼人の後ろに隠れていた。それでも隼人は好奇心がおさまらず。
「分かった。カメラでなんかとってきてやるよ。」
行かなければ良いものを、と麗華は呟く。隼人の恐ろしい冒険が始まった。
コツコツと音を立てながら噂の空き家に入り込む。もう夕方だ。空き家だから瓦礫も落ちているので、踏まないように気をつけなければ。本当は怖いのに、するりと空き家に入り込むことができた。まるで吸い込まれていくかのように。カメラを回しながら辺りを見渡す。
「なーんだ、なんもねーじゃん。」
内心ビクビクしながら先に進む。
その時、どこかからか歌が聞こえてきた。けれど、驚きはしなかった。美しい歌だった。
『ルリラルリラルリララルリラララ~。』
歌詞なんてない、ただのメロディだけのその歌に、いつのまにか魅了されていた。歌の聞こえる方に、ゆっくりと近づいていく。
屋根の壊れた一室に、ほんのりと光る女の人がいた。かつてテレビで見た歌姫のような美しさだった。
「綺麗だなあ。」
歌はまだまだ続いていた。瓦礫の山にそっと腰掛けて聴き惚れた。常人なら、ここで逃げ出しているところだろう。
何時間もたち、やっと歌が終わった。女の方を見つめると、静かに何かが聞こえてきた。それは、
『ありがとう。』
と言うたった一言の言葉。
よく分からないが、彼女は誰かに歌を聞いて欲しかったのかもしれない。空には朝日が昇っている。まるで彼女を祝福するかのように。
学校のお昼休み、麗華が隼人に話しかけてきた。
「ねえ、その後ろの女の人、誰?」
「試しに行ってみようぜ!面白そうじゃん。」
こう提案したのは時坂 隼人。それを、
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行かなければ良いものを、と麗華は呟く。隼人の恐ろしい冒険が始まった。
コツコツと音を立てながら噂の空き家に入り込む。もう夕方だ。空き家だから瓦礫も落ちているので、踏まないように気をつけなければ。本当は怖いのに、するりと空き家に入り込むことができた。まるで吸い込まれていくかのように。カメラを回しながら辺りを見渡す。
「なーんだ、なんもねーじゃん。」
内心ビクビクしながら先に進む。
その時、どこかからか歌が聞こえてきた。けれど、驚きはしなかった。美しい歌だった。
『ルリラルリラルリララルリラララ~。』
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『ありがとう。』
と言うたった一言の言葉。
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