君と、僕と、キミたちと…

みやび

文字の大きさ
2 / 15

新学期

しおりを挟む
 新学期にもってこいのよく晴れた春の日。桜吹雪もきれいに舞っている中で、天連高等学校も新しいクラス、新しい仲間との新しい一年に向かう人であふれていた。
 そんな中で、雅もまた祈る気持ちで校門をくぐり抜け、クラス発表のされている場所に向かっていく。

「……どうか…最後の年も…お願いします!!」

 祈りつつもゆっくりと顔を上げて一組から見ていく。

「…一組は誰も名前がない…か、次…」

 そして二組の中で紫音の名前を見つけた。

「…紫音二組かぁ…って…私いなくて…一花が二組……え、待って…」
「雅――、おはよ!」
「一花…待って…私やりきる自信ない…」
「へ?あ、クラス変わっちゃったんだよね…」
「もしかしてもう見た?」
「ん」
「……って…私…三組…?」
「そうみたい」
「…待ってよ…なんで私だけ?離れてんの?」
「ほんとだよね…」

 そんな時だった。

「朝からうるせぇよ」
「…は?紫音…だって…!」
「クラス違ったって関係ねぇだろ」
「…関係大ありなんですけど…」
「何がだよ」
「だって…!全部違うんだよ?!しかも体育で合同あったって…二組の相方は一組じゃん…」
「…だったらなんだ」
「『だったらなんだ』って…」
「たかがクラス違うだけだろうが」
「……紫音…」

 くすくすと笑いながら二人のやり取りを見ていた一花だったものの、その間に遠くの方でも歓声が沸き上がっていた。そんな中から、二人の目立つ二人組が三人の元に向かってくる。

「…ここに居ましたか…」
「ぁあ?…桐生か」
「桐生か、じゃないですよ。挨拶あるの忘れてませんか?」
「忘れちゃいねぇよ。」
「それならいいですけれど。行きますよ?」
「…ッチ」

 そうして紫音は副会長である隼と共に体育館に向かっていく。残ったのは仁と雅、そして一花だった。

「クラス、青木君何組だった?」
「俺?二組。ちなみに隼もな?」
「…詰んだ」
「え?…あー、結城先輩?どうしたんすか?夏目先輩…」
「んー、雅一人三組だからじゃないかな?」
「……あー、そういう…」

少しばかり不貞腐れる雅を小さく笑いながらも見下ろした仁は一花に視線を移して『ま、体育祭とかもあるし、結城先輩、一年よろしくっす』と言ってその場を離れていった。

「あーらら」
「ひどくない?皆…」
「そうは言ってもねぇ…」
「帰り…一緒に帰ろ?!」
「はいはい」

そう話しつつも一緒に教室に向かう。最後の最後で離れていく二人だったものの、教室に入れば友達も何人もいた。

「…あ!雅、おはよ!一年よろしくね!」
「ん!よろしく!」
「…うわ、まさか最後の年で夏目と一緒か…」
「はい?私と一緒じゃご不満ですか?芹沢君」

そう、弓道部の現部長の芹沢せりざわも一緒だった。少しクラスの仲間と話をして時間になれば体育館に移動していく。
そして始業式も進み、終わっていく一日。帰る時間になった時だ。

「おい、夏目?」
「んー?何?時田センセ」
「今日は射ちに行くなよ?」
「今日は、行きません。一花と約束があるので」
「ならいいが…」

そう、幸か不幸か…弓道部の顧問が担任になっていたのだ。何かといえばすぐに部活が無くても射ちに行くのを知っているため釘を刺したのだった。

「…はーい」

答えながらも隣のクラスを覗けばちょうどHRも終わった頃だった。雅もじっと待ち、廊下に出てくるのをただただ待っていた。

「…やっほ!ごめん、遅くなって」
「ううん、うちのクラスが早かっただけだろうし。行こか!って…あれ…すごいね」
「あー、紫音?」
「なんか始業式の時の恒例行事っぽいよね」
「たしかに!」

そう話していると視線が交わる。雅は紫音に手を振って廊下を進んでいくのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一条さん結婚したんですか⁉︎

あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎ 嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡ ((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜 ⭐︎本編は完結しております⭐︎ ⭐︎番外編更新中⭐︎

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

マチ恋 ―君に捧げるLove song― 一夜の相手はスーパースター。誰にも言えない秘密の恋。【完結】

remo
恋愛
あなたにとっては遊びでも、私にとっては、…奇跡の夜だった。 地味で平凡で取り柄のない私に起きた一夜のキセキ。 水村ゆい、23歳、シングルマザー。 誰にも言えないけど、愛息子の父親は、 今人気絶頂バンドのボーカルなんです。 初めての恋。奇跡の恋。離れ離れの恋。不倫の恋。一途な恋。最後の恋。 待っている… 人生で、一度だけの恋。 【完結】ありがとうございました‼︎

お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。 五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。 ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。 年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。 慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。 二人の恋の行方は……

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

半年間、俺の妻になれ〜幼馴染CEOのありえない求婚から始まる仮初の溺愛新婚生活〜 崖っぷち元社畜、会社が倒産したら玉の輿に乗りました!?

とろみ
恋愛
出勤したら会社が無くなっていた。 高瀬由衣(たかせゆい)二十七歳。金ナシ、職ナシ、彼氏ナシ。ついでに結婚願望も丸でナシ。 明日までに家賃を用意できなければ更に家も無くなってしまう。でも絶対田舎の実家には帰りたくない!! そんな崖っぷちの由衣に救いの手を差し伸べたのは、幼なじみで大企業CEOの宮坂直人(みやさかなおと)。 「なぁ、俺と結婚しないか?」 直人は縁談よけのため、由衣に仮初の花嫁役を打診する。その代わりその間の生活費は全て直人が持つという。 便利な仮初の妻が欲しい直人と、金は無いけど東京に居続けたい由衣。 利害の一致から始まった愛のない結婚生活のはずが、気付けばいつの間にか世話焼きで独占欲強めな幼なじみCEOに囲い込まれていて――。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます

久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」 大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。 彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。 しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。 失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。 彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。 「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。 蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。 地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。 そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。 これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。 数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。

処理中です...