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球技大会
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何度となく体育の授業を重ね、練習をしていく中で明日にはいよいよ、球技大会当日という時だった。
「はぁぁ…準備めっちゃ大変だった…」
「お疲れさま、」
「芹沢氏…本当に大変だった…サッカーどう?」
「こっちはある意味サッカー部の実行委員がいてくれたから結構そいつ中心に早く終わったぜ?」
「ずるくない?」
「そういうなよって。で?夏目の役割司会進行だけじゃないだけでもいいだろ。」
「それはそう。ほんと自分の籤運ここで使い果たした感ある。」
「確かにな」
「得点記録係なんて一番楽…」
「だろうな。得点表に書かれてる得点をホワイトボードに書いていくだけっていうな」
「そうそう」
フフッと笑いながらも少しうつむき加減になる雅に芹沢は話し出した。
「でもさ?良かったじゃん?」
「へ?何が?」
「住吉もバスケだしよ?」
「……で、何で紫音?」
「好きなんだろ?」
「なんで?」
「……なんでって…え、違うの?」
「どこからそんな事になってるの?」
「部活内でめっちゃ有名だぜ?あの二人付き合ってるもしくは両片思いだって」
「なんで?!」
「そういう雰囲気だからな」
「…え、そうなの?」
「そうじゃなかったらありえない距離感の時あるの自覚ある?」
「ない」
「……だろうな」
「…待って…芹沢氏…」
「追い詰められてるって呼び方だな…」
「今さっき…部活内で有名って言われた?」
「あぁ。言った」
「……それって三年の中だけ?」
「いやいや、部活内って言ったら新入部員以外はって話になるだろ」
「……二年も?」
「…その言い方、二年に噂が広がるとまずいって感じに聞こえるぞ?」
「…まずいです…絶賛やばい雰囲気しかありません…」
「悪い、なんか…ほんと勘違いだったな…」
そう言われながら『大丈夫…』と雅は返事をしていた。
「…好きな奴部内に居たりする?」
「…いなかったら絶賛やばい雰囲気にはなりません…」
「……だよな…」
「仕方ない…か。二人とも自覚ないって事だし…」
「まぁ…その、頑張れ…」
そう言って二人は教室を後にし、帰宅していくのだった。
***
球技大会当日…
ほぼ一日かけて行われる。途中で昼休憩をはさむとはいえ生徒にとっては楽しみな行事の一つだった。何事もなく、それぞれのタイムスケジュールも問題なく執り行われていった。
「…よし、あと1セットでとりあえず終わりか…」
「間違いもなさそうだし、大丈夫だね!」
「本当に!!お疲れさまだよぉ…」
「お互い様にね!」
そう話していた。その時、雅と一緒に得点係をしていた一人が『水分補給…!』と言ってその場を離れた。
「…いってらっしゃい!」
「すぐ戻るね!」
「大丈夫だよ!」
手を振って、見送った雅だった。終わりかけの試合の為、サッカー組に応援に行っている者も数人いた。
「あとはこれでー…」
紙を手に見直している時だった。
「雅!!!」
「夏目!」
声のままに振り返る前に雅の頭にボールが鈍い音と共にぶつかってきた。
「大丈夫か!」
「おい!!」
そう声をかける人だかりの声など一切聞こえていない様子の雅。その山をかき分ける様にして紫音はゆっくりと近づき、周りの目などお構いなしにグッと抱き上げた。
「…キャーー!!!!」
当然の様に湧き上がる黄色い声。それでも一切表情を変える事も無いままに紫音は傍にいた教師に『保健室行ってきます』と告げてその場を離れていった。
「…ン…」
移動中の揺れで雅はようやく少し目を開けた。
「気付いたか?」
「紫音…?何…って…ち、ちょっと、下ろして?」
「動くんじゃねぇよ。黙って運ばれろ。保健室まで行くだけだ。」
「だからって…腕…負担かかる…」
「負担になるっていうならもう少し痩せろ」
「ひどくない?」
「…冗談、もう少し太れ」
「…ッッ」
「脳震とう起こして一時目を覚ましてねぇんだ。黙って運ばれとけばいい」
そう言いながらも下ろす気など全くない紫音は保健室に連れていく。扉の前まで来ればそっと下ろした。
「…大丈夫か?」
「ん」
ゆっくりと戸を開け、中に入るものの、保健医は不在。ベッド借りるか…と開いているベッドに入っていく。しかし直ぐに隣のベッドから声が漏れ聞こえ出してきた。
『ねぇ、誰か来たみたい…』
『で?あんまり声出さなきゃいいって…』
その声の主に雅は思い当たる節があった。シーツを握りしめ、去ろうとする紫音の手をそっと掴んでいた。
「…ハァ…」
隣からはそれ以上声は聞こえなかったものの、時折吐息交じりの水音が聞こえてくる。ぎゅっと目をつむる雅の耳を、紫音はそっと両手で塞ぐように抑えた。
「…し、おん…?」
ゆっくりと顔を近づけ、耳元で静かに手を浮かせた紫音はそのまま耳元で話し出す。
「…聞かなくていい…こんなことで泣くな。」
「…ッッ」
そう告げると少しの間塞ぎ続け、短いようで長かったその後、ようやく耳を塞ぐ手が離された。
「…俺は戻るからな?」
「紫音…ッ…」
「お前はそこで寝てろ。」
シャッ…とカーテンを閉めると隣のベッドをガン…と一蹴して紫音は保健室を出ていった。その後すぐに隣のベッドから最悪…と女の子の声がしたかと思うと、立て続けにドアの締まる音がした。
コチ…カチ…
時計の音だけがゆっくりと静かに響く時だった。雅は掛布団にくるまる様にして潜っていた。
「…隣って、夏目先輩っすか?」
「……ッッ」
その声の主が雅に声をかけてきた。
「…そう、だけど…」
「悪かったです…邪魔して…」
そう話してくる声は仁だった。
「…あの、私は別に…邪魔されてるわけじゃ…」
「住吉さんとの時間だったっしょ」
「今日うちの学年…球技大会で…ボールまともに当たって体育館で倒れたのを…紫音が運んでくれただけで…私の方こそ…青木君の邪魔して…」
「あぁ、別に邪魔じゃない。俺ちょっと体調悪くて保健室に休みに来たってだけ。そこにサボってやってきた女の子が入ってきてキスしてったってだけだから…」
「…そういうの…やだ…」
雅自身が驚くほど自然に嫌だと発していた。しかし出た言葉を取り消せるはずもなく、すぐさま謝ったものの、仁は小さく笑っている。その表情こそ互いのベッドのカーテンで見えないものの声のトーンがそれを物語っていた。
「やだって、別に先輩俺の事『そういう目』で見てないでしょ」
「そういうって…」
「んー、言うならば先輩が住吉さんに向けてるような…?」
その言葉を聞いて雅は芹沢が言っていた言葉を思い出した。
『住吉と付き合ってるか両片思いってのは部内でも有名…』
「紫音とは…そういうのじゃないから…」
「二人がそうでなくても少なくとも先輩は好きでしょ?」
「…大事な親友ってだけ…」
「…ふぅん…ただの親友を試合前の時に抱き上げてくるかねぇ…」
その仁の言葉に雅は何も反応できなくなっていた。勢いで言ってしまいそうになる…でも…さっき聞こえたキスをしたという仁の声…そして、泣くなといった紫音の声が残っている中…勢いでは済まされなくなっていた。
「…もぉ…ほっといて…少し寝たい…」
「…だな、」
短い返事のまま、双方のベッドからそれ以上の声がすることはなかった。
「はぁぁ…準備めっちゃ大変だった…」
「お疲れさま、」
「芹沢氏…本当に大変だった…サッカーどう?」
「こっちはある意味サッカー部の実行委員がいてくれたから結構そいつ中心に早く終わったぜ?」
「ずるくない?」
「そういうなよって。で?夏目の役割司会進行だけじゃないだけでもいいだろ。」
「それはそう。ほんと自分の籤運ここで使い果たした感ある。」
「確かにな」
「得点記録係なんて一番楽…」
「だろうな。得点表に書かれてる得点をホワイトボードに書いていくだけっていうな」
「そうそう」
フフッと笑いながらも少しうつむき加減になる雅に芹沢は話し出した。
「でもさ?良かったじゃん?」
「へ?何が?」
「住吉もバスケだしよ?」
「……で、何で紫音?」
「好きなんだろ?」
「なんで?」
「……なんでって…え、違うの?」
「どこからそんな事になってるの?」
「部活内でめっちゃ有名だぜ?あの二人付き合ってるもしくは両片思いだって」
「なんで?!」
「そういう雰囲気だからな」
「…え、そうなの?」
「そうじゃなかったらありえない距離感の時あるの自覚ある?」
「ない」
「……だろうな」
「…待って…芹沢氏…」
「追い詰められてるって呼び方だな…」
「今さっき…部活内で有名って言われた?」
「あぁ。言った」
「……それって三年の中だけ?」
「いやいや、部活内って言ったら新入部員以外はって話になるだろ」
「……二年も?」
「…その言い方、二年に噂が広がるとまずいって感じに聞こえるぞ?」
「…まずいです…絶賛やばい雰囲気しかありません…」
「悪い、なんか…ほんと勘違いだったな…」
そう言われながら『大丈夫…』と雅は返事をしていた。
「…好きな奴部内に居たりする?」
「…いなかったら絶賛やばい雰囲気にはなりません…」
「……だよな…」
「仕方ない…か。二人とも自覚ないって事だし…」
「まぁ…その、頑張れ…」
そう言って二人は教室を後にし、帰宅していくのだった。
***
球技大会当日…
ほぼ一日かけて行われる。途中で昼休憩をはさむとはいえ生徒にとっては楽しみな行事の一つだった。何事もなく、それぞれのタイムスケジュールも問題なく執り行われていった。
「…よし、あと1セットでとりあえず終わりか…」
「間違いもなさそうだし、大丈夫だね!」
「本当に!!お疲れさまだよぉ…」
「お互い様にね!」
そう話していた。その時、雅と一緒に得点係をしていた一人が『水分補給…!』と言ってその場を離れた。
「…いってらっしゃい!」
「すぐ戻るね!」
「大丈夫だよ!」
手を振って、見送った雅だった。終わりかけの試合の為、サッカー組に応援に行っている者も数人いた。
「あとはこれでー…」
紙を手に見直している時だった。
「雅!!!」
「夏目!」
声のままに振り返る前に雅の頭にボールが鈍い音と共にぶつかってきた。
「大丈夫か!」
「おい!!」
そう声をかける人だかりの声など一切聞こえていない様子の雅。その山をかき分ける様にして紫音はゆっくりと近づき、周りの目などお構いなしにグッと抱き上げた。
「…キャーー!!!!」
当然の様に湧き上がる黄色い声。それでも一切表情を変える事も無いままに紫音は傍にいた教師に『保健室行ってきます』と告げてその場を離れていった。
「…ン…」
移動中の揺れで雅はようやく少し目を開けた。
「気付いたか?」
「紫音…?何…って…ち、ちょっと、下ろして?」
「動くんじゃねぇよ。黙って運ばれろ。保健室まで行くだけだ。」
「だからって…腕…負担かかる…」
「負担になるっていうならもう少し痩せろ」
「ひどくない?」
「…冗談、もう少し太れ」
「…ッッ」
「脳震とう起こして一時目を覚ましてねぇんだ。黙って運ばれとけばいい」
そう言いながらも下ろす気など全くない紫音は保健室に連れていく。扉の前まで来ればそっと下ろした。
「…大丈夫か?」
「ん」
ゆっくりと戸を開け、中に入るものの、保健医は不在。ベッド借りるか…と開いているベッドに入っていく。しかし直ぐに隣のベッドから声が漏れ聞こえ出してきた。
『ねぇ、誰か来たみたい…』
『で?あんまり声出さなきゃいいって…』
その声の主に雅は思い当たる節があった。シーツを握りしめ、去ろうとする紫音の手をそっと掴んでいた。
「…ハァ…」
隣からはそれ以上声は聞こえなかったものの、時折吐息交じりの水音が聞こえてくる。ぎゅっと目をつむる雅の耳を、紫音はそっと両手で塞ぐように抑えた。
「…し、おん…?」
ゆっくりと顔を近づけ、耳元で静かに手を浮かせた紫音はそのまま耳元で話し出す。
「…聞かなくていい…こんなことで泣くな。」
「…ッッ」
そう告げると少しの間塞ぎ続け、短いようで長かったその後、ようやく耳を塞ぐ手が離された。
「…俺は戻るからな?」
「紫音…ッ…」
「お前はそこで寝てろ。」
シャッ…とカーテンを閉めると隣のベッドをガン…と一蹴して紫音は保健室を出ていった。その後すぐに隣のベッドから最悪…と女の子の声がしたかと思うと、立て続けにドアの締まる音がした。
コチ…カチ…
時計の音だけがゆっくりと静かに響く時だった。雅は掛布団にくるまる様にして潜っていた。
「…隣って、夏目先輩っすか?」
「……ッッ」
その声の主が雅に声をかけてきた。
「…そう、だけど…」
「悪かったです…邪魔して…」
そう話してくる声は仁だった。
「…あの、私は別に…邪魔されてるわけじゃ…」
「住吉さんとの時間だったっしょ」
「今日うちの学年…球技大会で…ボールまともに当たって体育館で倒れたのを…紫音が運んでくれただけで…私の方こそ…青木君の邪魔して…」
「あぁ、別に邪魔じゃない。俺ちょっと体調悪くて保健室に休みに来たってだけ。そこにサボってやってきた女の子が入ってきてキスしてったってだけだから…」
「…そういうの…やだ…」
雅自身が驚くほど自然に嫌だと発していた。しかし出た言葉を取り消せるはずもなく、すぐさま謝ったものの、仁は小さく笑っている。その表情こそ互いのベッドのカーテンで見えないものの声のトーンがそれを物語っていた。
「やだって、別に先輩俺の事『そういう目』で見てないでしょ」
「そういうって…」
「んー、言うならば先輩が住吉さんに向けてるような…?」
その言葉を聞いて雅は芹沢が言っていた言葉を思い出した。
『住吉と付き合ってるか両片思いってのは部内でも有名…』
「紫音とは…そういうのじゃないから…」
「二人がそうでなくても少なくとも先輩は好きでしょ?」
「…大事な親友ってだけ…」
「…ふぅん…ただの親友を試合前の時に抱き上げてくるかねぇ…」
その仁の言葉に雅は何も反応できなくなっていた。勢いで言ってしまいそうになる…でも…さっき聞こえたキスをしたという仁の声…そして、泣くなといった紫音の声が残っている中…勢いでは済まされなくなっていた。
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