カカシとカラス

気分屋な道化

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寝惚けたカカシと惚けたカラス

転生前のよくある話

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 その日は28才独身、最後の夜であった。

 特段優れた能力が有るわけでもなく、時々光るモノが有り、たまに失敗もする。
 大きな変化はなく、時々に起こる小さな変化に時に難なく、時に四苦八苦しながら生きてきた。
 両親や兄弟は居るが同居はしておらず、たまにある長期休暇にのみ会うが仲が悪いわけでもない。
 友人が居り、時に自分から誘い、誘われれば行ければ行く。

 そんな男だ、きっと平凡なのだと思う。

 自分のやってきた中で特段悪い事をした覚えはない。
 間違いはあった。しかし、出来るだけ購った。
 良いこともした。自分に余裕が持てる範囲でしかなかったが。
 悪人とも善人とも言えず、せいぜいが偽善者と呼ばれる程度だろう。
 ちっぽけな事だが譲れないものもあった。

 そんな人間だ、そんな普通の範疇だろう。

 何処にでもいる様な能力で、ある程度のブレが有り、分かり切れない自分もあり、通すべき信念は不確かで、しかし、譲りきれない点があった。

 それが自分だ、特別と言える所など無かった。

 そんな自分は何故こんな時にこんな事を考えいるのだろうか。

 時々親しくなった者に言われる《ズレている》所なのか今更気づいても遅いが。

 目覚める、いや、気絶する前、雪の積った休日に落雷によりドラマやアニメの録り溜めが無くなり、何とはなしに散歩をしようと思い、始発で定期の途中にある普段は降りない駅で降りて散歩と言うか、フラフラと言うか、をしていた所、一度来た事がある街が見下ろせるだけの人気の少ない所のガードレールに人と犬の足跡が続いていた。

 しかし、そこから離れたものがなく、まさかと思い下を覗くと、そこにはソコソコの大きさの犬と、小さな子供が泣きながらガードレールの柱から伸びたリードでぶら下がっていた。

 思えばこの時点で警察なり何なりに連絡して助けを待てばよかったのだろうか?

 今更の事であるが。

 そして、その時の自分は子供達を何とかして引き上げたのだが、その時点で犬は既に息絶えていた。

 その為、紫色になった腕の痛みとペットの事で泣きじゃくる子供を警察なり病院なりに連れていこうとしたところ、「家の子に何してる!?」と言う声と共に、衝撃を受け、そのあとは上手く思い出せないが、気が付いたときにはここにいた。

 よく分からないが、両足は動かず、右手も上がらない。左手は辛うじて動くが、肘から先はぷらぷらである。

 恐らく受身は取ったのだろうが、途中か着地時か、頭を打ったか擦ったのだろう、視界が赤くなっている。何故こんな風に落ち着いているのかは分からないが、動けない以上は考えなければ確実に死ぬ気がするため、都合が良いと考えていたが。段々と気が遠くなっている気がする。

ーーーーー「ーい」

 何度めかの遠のく意識の中で先程の恐らく親だろう人の声が聞こえてきた。サイレンの様な音もしていた…たぶん。

「おー!?返・をし・!?大・ぶか!?居た・!場所は…」


 見つかった…?帰れそうだな。

「ッ…」

喋れは…しない…か。

「お・!頼・!起きてく・!礼を!謝らせ・!」

 …?子供の…?誤解が…溶けた…のか。なら、悪人では…無く…、そうだ。

「ーーーー!?」

…泣い…て?さっきの…子供? 

 あぁ、無・・・・・・  
 
―――――

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――――――――――――
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