10 / 28
第2章
夢
しおりを挟む
「飯、食うか!!」
その一言で、僕は手に持った物を置いて、その場を足早に逃げ出した。
木陰が当たる小さなベンチで座っていると、星矢がビニール袋を持って現れた。
「ほら。」
少し熱が足りないのでは。と思う、コンビニの牛丼弁当。
さっき、アパートの大家に貰った。と言う、ペットボトルのお茶。
「あ、ありがと。いただきます。」
とても、十七歳とは思えない対応と顔。
「星矢は、何のために、こんなことやってるの?」
あ?と、口をモグモグしながら言った後に、
「生きるためかな。それと…」
「それと?」
星矢は、照れ笑いをしながら、
「ゆ、夢…のためだ!!」
食べていた同じ牛丼弁当を、一気に食べ干した。
「ふーん。」
そんな答えを望んでいなかったのか、星矢が急に説教をしだす。
「人に聞いておいて、ふーん。は無いだろ!!」
ご、ごめん。と言った時には、もう遅かった。
星矢の手が上がった時、この間のゲンコツと、イジメられていた時の条件反射で、頭をかばった。
「いてっ。」
持っていた弁当の蓋が、星矢の腕をかすり、血が滲み出ていた。
「ご、ごめん!!」
振り上げていた星矢の右手は、僕の頭を優しく撫でてくれるものだった。
その一言で、僕は手に持った物を置いて、その場を足早に逃げ出した。
木陰が当たる小さなベンチで座っていると、星矢がビニール袋を持って現れた。
「ほら。」
少し熱が足りないのでは。と思う、コンビニの牛丼弁当。
さっき、アパートの大家に貰った。と言う、ペットボトルのお茶。
「あ、ありがと。いただきます。」
とても、十七歳とは思えない対応と顔。
「星矢は、何のために、こんなことやってるの?」
あ?と、口をモグモグしながら言った後に、
「生きるためかな。それと…」
「それと?」
星矢は、照れ笑いをしながら、
「ゆ、夢…のためだ!!」
食べていた同じ牛丼弁当を、一気に食べ干した。
「ふーん。」
そんな答えを望んでいなかったのか、星矢が急に説教をしだす。
「人に聞いておいて、ふーん。は無いだろ!!」
ご、ごめん。と言った時には、もう遅かった。
星矢の手が上がった時、この間のゲンコツと、イジメられていた時の条件反射で、頭をかばった。
「いてっ。」
持っていた弁当の蓋が、星矢の腕をかすり、血が滲み出ていた。
「ご、ごめん!!」
振り上げていた星矢の右手は、僕の頭を優しく撫でてくれるものだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる