ラブレター

shoichi

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消えた煙

時間

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pm.0:05

父と、軽く定食を食べた後、髪を切りたい。と言い、途中で車を降りる。

「ちゃんと、家には帰るから。」

そう言うと、じゃーな。とだけ言い残し、車は去って行った。

暑苦しさが、全身を包む。

立っているだけで、額に汗が滲(にじ)み、何故か、高校時代が、走馬灯の様に浮かんだ。

それと同時に、あー、帰ってきたんだ。と、実感させられる。

pm.0:18

カラン、コロン…。

低いドアを開けると、鈴の音が鳴り響いた。

「いらっしゃい。…おっ!!久しぶり~。」
 
29歳くらいだろう男性が、友達のように、話しかけてきた。

その男性の髪の毛は、茶色で、ソフトモヒカン。

「ゆうくん…だよね?ちょっと待ってて!!」

おやっさーん。と、二階へ呼び掛けた後、何かしらの返事と共に、先程の声の主とは違う若い男性が、二階から降りてきた。

自分と同じ年か、あるいは少し上くらいの容姿。

明らかに、新人カットマンだ。

見慣れた顔ではない。

通い慣れていた床屋。

外で回っている、アレが好き。

青、赤、白のループ。

だが、コンセントを外すと、その永遠は静かに終わるだろう。
 
新人は、まだカットはできないらしく、顔剃りだけで、おやっさんの手が空くまでの間、僕の汚い顔を、綺麗にしてくれるみたいだ。

緊張した面持ちで、失礼します。と言ってくる。

それに気付いたソフトモヒカンの男性は、気を使いながら、都会はどうね?など、いろんな話しをしてきた。

人と話すのは、わりと好き。

だから、少し伸びた髭を、丁寧に剃っている新人にも話しかけた。

「新人?」

自分より年上なのだろうが、考えよりも、口が先に動いてしまった。

「あっ…はい。」

と言い終えると、また作業に取り掛かる。



「…………。」



丁寧すぎて、顎の皮膚がヒリヒリするのは、気のせいだろうか。

友達と、会う約束をしていたので、時間がやけに気になり、正面の鏡の上の時計を、チラリと見た。

pm.0:42

「…………。」

次は眉毛を頑張る新人。

「…………。」

pm.1:05

天井から響く足音に、心の中で、おやっさ~ん。と叫んだ。

髭と眉毛に、約五十分かかる、初めての経験。

昔より、少し痩せた様子のおやっさんが現れ、話しかけてきた。

「今日は、どんな風にしようか?」

ファッションに疎い僕。 
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