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二回目…
特等席
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揺れる景色を見つめていると、見慣れたコンビニを通り越し、見慣れた街から離れ、通称、『別れ山』とよばれている場所へ、一台の車が走る。
雲が、一つも無い夜。
「事故るなよ。」
「うん。」
長い木のトンネルに入ると、不気味な雰囲気を漂わせている山だ。と、今更ながら気付く。
振り向くと、それをライトアップする、車のテールランプ。
「着いたよ。」
また、前を見直すと、山の頂きに到達した。
音をたてて、閉まる二つのドア。
少し肌寒い風が吹き、緩いパーマがかかっている、あいの髪が揺れる。
「ほら。」
冷たいあいの手を取り、歩き始める。
辺りを見渡したかったが、まだダメだ。と心に言い聞かせ、少しでも高い位置から、街を見下ろしたい。と思い、展望台へ上る。
渦巻き形に進む階段。
一歩一歩、力強く、そして、少しの急ぎ足。
また、風が吹き、あいの手が、強く僕の手を握り締める。
やっと着いた、天辺(てっぺん)。
フェンスに二人で近付き、僕は片手をそれに乗せた。
「綺麗だね。」
無理矢理、車を出してもらって、出てきた言葉。
「うん。」
少し、眠たそうな目をしたあいが、優しく言ってくれる。
霧雨が煙る街の、小さな光達のイルミネーション。
綺麗。と言う言葉を使うなら、この景色だ。と思う。
「ここに来たら、カップルは別れるんだって。」
いつもの様に、え~。と言ってくれるのを期待して、あいに問い掛ける。
「カップルじゃないじゃん。」
なんて、笑って言うから、確かにな。と、隣りに同じく、笑って答えたまま、また街を見下ろした。
走る小さな光も、今は蟻よりも小さいのに、その集合体が集まれば、こんなに綺麗になるんだ。って、初めて知った。
隣りを振り向くと、つまらなさそうな顔をしたあいに気付き、帰ろうか?と言うと、うん。と返事がきた。
降りる階段の途中で、
「ねぇ、俺のこと好き?」
って、くだらない質問。
「何で?」
僕は、まだ、よく分からないけれど、今、一番、あいが好き。みたい。
「いや、いいよ。」
と、言えば、
「好きだよ。」
と、言ってくれる人。
「ありがと。」
車が再びエンジン音をたて、見下ろしていた街へ、一台の車が、また、小さな蟻達の仲間入り。
雲が、一つも無い夜。
「事故るなよ。」
「うん。」
長い木のトンネルに入ると、不気味な雰囲気を漂わせている山だ。と、今更ながら気付く。
振り向くと、それをライトアップする、車のテールランプ。
「着いたよ。」
また、前を見直すと、山の頂きに到達した。
音をたてて、閉まる二つのドア。
少し肌寒い風が吹き、緩いパーマがかかっている、あいの髪が揺れる。
「ほら。」
冷たいあいの手を取り、歩き始める。
辺りを見渡したかったが、まだダメだ。と心に言い聞かせ、少しでも高い位置から、街を見下ろしたい。と思い、展望台へ上る。
渦巻き形に進む階段。
一歩一歩、力強く、そして、少しの急ぎ足。
また、風が吹き、あいの手が、強く僕の手を握り締める。
やっと着いた、天辺(てっぺん)。
フェンスに二人で近付き、僕は片手をそれに乗せた。
「綺麗だね。」
無理矢理、車を出してもらって、出てきた言葉。
「うん。」
少し、眠たそうな目をしたあいが、優しく言ってくれる。
霧雨が煙る街の、小さな光達のイルミネーション。
綺麗。と言う言葉を使うなら、この景色だ。と思う。
「ここに来たら、カップルは別れるんだって。」
いつもの様に、え~。と言ってくれるのを期待して、あいに問い掛ける。
「カップルじゃないじゃん。」
なんて、笑って言うから、確かにな。と、隣りに同じく、笑って答えたまま、また街を見下ろした。
走る小さな光も、今は蟻よりも小さいのに、その集合体が集まれば、こんなに綺麗になるんだ。って、初めて知った。
隣りを振り向くと、つまらなさそうな顔をしたあいに気付き、帰ろうか?と言うと、うん。と返事がきた。
降りる階段の途中で、
「ねぇ、俺のこと好き?」
って、くだらない質問。
「何で?」
僕は、まだ、よく分からないけれど、今、一番、あいが好き。みたい。
「いや、いいよ。」
と、言えば、
「好きだよ。」
と、言ってくれる人。
「ありがと。」
車が再びエンジン音をたて、見下ろしていた街へ、一台の車が、また、小さな蟻達の仲間入り。
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