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笑顔の後
果てしなき線路
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僕の後ろを、ボロボロの列車が通りすぎて行った。
「よっ。」
照れていたこともあり、情けない自分もあり、迎えに来てくれた、その子への第一声。
「ホントに、来たんだ。」
笑うと可愛い。と思ったことから、付き合ってあげたのかな。
ふっ。と、思い出したけれど、別れ。を告げていないし、今はあいが『彼女』なんだ。と脳裏をよぎる。
「ってか、凄い所だね。」
明らかに馬鹿にしたように言うと、その子は、
「でも、私は好きだから好き~。」
なんて言うから、確かに良い所だよ。と、矛盾した答えを返す。
「ねぇ、あの線路を歩きたい。」
テレビや映画でしか、見たことのないような風景。
僕が知っている線路は、『白い線より、後ろの方へ』と、言われるような場所だけだったから。
ここには、駅員さんもいない。
遅いスピードを保つ列車の中で、切符を買うのだから。
「子供みたい。」
もう、僕の耳に声は入ってこなくて、重たい荷物達を捨てて、錆びた線路の上を歩く。
地平線まで続く線路を見ながら、そして、時折り、後ろを振り返りながら。
「ねぇ、写真撮って!!」
携帯のカメラを、用意する女の子。
「あっ、待って、待って!!」
重たい荷物を再度、手に持ち、格好つけて、ピースをする。
「もう。ホント、我が儘。」
その子も、年上の女の子だったから、甘えん坊の僕の、ご機嫌を扱うのが上手だ。
「見ーせーて。」
携帯の画面を見ると、午後の淡い太陽のせいか、全体的に暗い感じがしたが、結構気に入った。
「勿論、待ち受けにするよね?」
その子は、笑顔。という、曖昧な答えを僕に返した。
余程線路を気に入ったのか、そこへ、また僕は走った。
「そろそろ、列車来るから危ないよ。」
その子が、そう言うと、プァ~ン。と後ろから、怒られてしまった。
「ほら!!」
さっきとは違う列車が、僕を、また追い越して、地平線へと向かって行った。
「ねぇ。ここを歩いて行くと、どこに着く?」
「行くと、分かるんじゃない?」
あっさりと、その子は言う。
「それで?今日は、どうするの?」
行く宛ての無い旅は、いつものこと。
「迷惑かけたくないし、どっか行くよ。今日、会えて嬉しかった。」
この、甘え方。寂しさ。
ゆっくり流れている雲は、知っている。
「よっ。」
照れていたこともあり、情けない自分もあり、迎えに来てくれた、その子への第一声。
「ホントに、来たんだ。」
笑うと可愛い。と思ったことから、付き合ってあげたのかな。
ふっ。と、思い出したけれど、別れ。を告げていないし、今はあいが『彼女』なんだ。と脳裏をよぎる。
「ってか、凄い所だね。」
明らかに馬鹿にしたように言うと、その子は、
「でも、私は好きだから好き~。」
なんて言うから、確かに良い所だよ。と、矛盾した答えを返す。
「ねぇ、あの線路を歩きたい。」
テレビや映画でしか、見たことのないような風景。
僕が知っている線路は、『白い線より、後ろの方へ』と、言われるような場所だけだったから。
ここには、駅員さんもいない。
遅いスピードを保つ列車の中で、切符を買うのだから。
「子供みたい。」
もう、僕の耳に声は入ってこなくて、重たい荷物達を捨てて、錆びた線路の上を歩く。
地平線まで続く線路を見ながら、そして、時折り、後ろを振り返りながら。
「ねぇ、写真撮って!!」
携帯のカメラを、用意する女の子。
「あっ、待って、待って!!」
重たい荷物を再度、手に持ち、格好つけて、ピースをする。
「もう。ホント、我が儘。」
その子も、年上の女の子だったから、甘えん坊の僕の、ご機嫌を扱うのが上手だ。
「見ーせーて。」
携帯の画面を見ると、午後の淡い太陽のせいか、全体的に暗い感じがしたが、結構気に入った。
「勿論、待ち受けにするよね?」
その子は、笑顔。という、曖昧な答えを僕に返した。
余程線路を気に入ったのか、そこへ、また僕は走った。
「そろそろ、列車来るから危ないよ。」
その子が、そう言うと、プァ~ン。と後ろから、怒られてしまった。
「ほら!!」
さっきとは違う列車が、僕を、また追い越して、地平線へと向かって行った。
「ねぇ。ここを歩いて行くと、どこに着く?」
「行くと、分かるんじゃない?」
あっさりと、その子は言う。
「それで?今日は、どうするの?」
行く宛ての無い旅は、いつものこと。
「迷惑かけたくないし、どっか行くよ。今日、会えて嬉しかった。」
この、甘え方。寂しさ。
ゆっくり流れている雲は、知っている。
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