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shoichi

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最後の恋

恋の魔法

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息もできないくらい、何度も重ねた唇。

数えきれない思いが溢れたんだよ。

君には届いてるのかな?と思いながら、何度もキスをする。

「今日だけは、離さない。」

首を軽く横に振っては、また、唇を重ねる。

今まで、一緒に笑っていた日々を思い出しては。

手放した愛を、何度も後悔した時間と。

沢山の感情達が、頭の中を駆け巡る。

「ダメ。」

再度、首を振って、苦しくなるくらい激しいキスに、何度も息継ぎをするように、途切れては、あいを求めていた。

今、離してしまうと、もう、本当に他人になってしまうから。

そんな気持ちが強くて、抱き締めた温もりを、二人で歩いた軌跡を忘れないように、ぎゅっ。としていた。

「あい…。」

誰かを愛することが、こんなにも切なくて、こんなにも苦しいこと。

教えてくれて、ありがとう。

名前を呼んでは、目を見つめ、何度も目を閉じる、君がいて。

誰かを、本気で愛することが、こんなにも嬉しくて、こんなにも愛しいこと。

教えてくれて、ありがとう。

君を、好きになって良かった。

ずっと、そんな気持ちを伝えるように、何度もキスをしていた。

ブォーン…。と、船の汽笛を合図に、

「ゆうくん…。」

と、キスの途中で話しかけられた言葉に、僕は目を開けた。

「ん?」

覗き込むように、首だけを傾げ、包み込むように抱き締めていた腕は、そのままに。

「長いよ…。」

見つめながら、微笑むあいがいて、切なさ混じりの幸せな感情を隠せなくて、

「あと、少しだけ。」

僕も微笑みながら、最後の最後のキスをした…。















「なぁ、あい。」

「うん?」

「今まで、ありがとな。」

丸太で作られたフェンスに右手を添え、その右手の指に挟まれていた煙草。

砂浜に捨てられた空き缶が、コロコロ。と音をたてながら、テトラポットにぶつかるのを、目で追いかけては、あいの横顔を見ていた。

時折り吹く、七月の風のせいか、煙が目に入って、右目を擦ったけれど、泣いてなんかいないよ。

「うん。」

最後まで離したくなかった、君の右手、僕の左手。

強く握っては、あいの髪を靡かせる、海の香り。

君の匂い。

それを、左手で、かき分ける仕草が可愛くて。

「綺麗だね。」

うん。と呟いた君と二人で、どこまでも続く、深い蒼の海を、見つめ直していた。


pm.11:59


二人の恋の魔法が、解けた瞬間。


am.0:00 
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