116 / 121
最後の恋
no life no music
しおりを挟む
激しい音楽に身を任せ、部屋の掃除をしている。
部屋に入ってきた夕暮れの日差し。
一人で唄いながら、鼻唄を混じりながら。
また、曲が変わる。
英語の歌ばかりだが、素直ではない僕には、ストレートに心に入ってくる日本語よりも、何を言っているのだろう。くらいの方が丁度良い。
次の曲は、どうやら、バラードみたいだ。
干してあった洗濯物を畳み、回してあった新しい洗濯物を干す。
また、部屋の片付けをしだした、僕と煙草と缶コーヒー。
段々と慣れてきた、一人の憂鬱の過ごし方。
脱け殻のような毎日から抜けたくて、考え事をしないように、何かしら体を動かしている。
「あっ…。」
それでも、財布から取り出していたプリクラを、押し入れの隅っこから見つけると、一瞬の間に作業は中断されるし、声も漏れてしまう。
いつか撮った写真を眺めては、向こうにいる、笑い合っている二人に、微笑む僕がいた。
もう、捨ててしまおう。と思いながら、手にした物をゴミ袋へ持っていく。
「…くそ。」
親指と人差し指で摘まんだ力を、緩めてしまえばいいのに。なんて、心と体が矛盾してしまう。
結局、強がって見せても、離しきれない思いを抱き締めるように、それも、離すことはできない僕がいた。
タイミングを知っているようなCDコンポが、泣かす音楽を流していた。
負けてたまるか。と、テーブルに置かれた缶コーヒーを飲み干す。
また、ゴミを増やしていることに気付き、そいつは、袋の中に簡単に投げ捨てられた。
静かに、押し入れに閉まった写真と気持ちと。
過ぎ去っていく時間と共に、グラデーションの空に合わせ、点けた部屋の灯り。
カーテンのレースを少し閉じて、開けてあった窓も閉じて、エアコンのスイッチを、ピッ。とした。
ある程度、片付いた部屋に満足して、煙草に火を点ける。
テレビもいらない。と、ラジオばかり聴いていた僕は、今日は歌だけを聴きながら、煙を吸っては吐いていた。
何でも捨てれるゴミ箱があったらな。と考えては、そう言えば、明日は燃えるゴミの日じゃない。と、まっ、何でもいいか。と、頭の中で、一人で会話している。
その時、ふっ。と思ったんだ。
あいに、ラブレターを書こうかな。なんて。
目に良いよ。と言っていた、緑の文字で。
部屋に入ってきた夕暮れの日差し。
一人で唄いながら、鼻唄を混じりながら。
また、曲が変わる。
英語の歌ばかりだが、素直ではない僕には、ストレートに心に入ってくる日本語よりも、何を言っているのだろう。くらいの方が丁度良い。
次の曲は、どうやら、バラードみたいだ。
干してあった洗濯物を畳み、回してあった新しい洗濯物を干す。
また、部屋の片付けをしだした、僕と煙草と缶コーヒー。
段々と慣れてきた、一人の憂鬱の過ごし方。
脱け殻のような毎日から抜けたくて、考え事をしないように、何かしら体を動かしている。
「あっ…。」
それでも、財布から取り出していたプリクラを、押し入れの隅っこから見つけると、一瞬の間に作業は中断されるし、声も漏れてしまう。
いつか撮った写真を眺めては、向こうにいる、笑い合っている二人に、微笑む僕がいた。
もう、捨ててしまおう。と思いながら、手にした物をゴミ袋へ持っていく。
「…くそ。」
親指と人差し指で摘まんだ力を、緩めてしまえばいいのに。なんて、心と体が矛盾してしまう。
結局、強がって見せても、離しきれない思いを抱き締めるように、それも、離すことはできない僕がいた。
タイミングを知っているようなCDコンポが、泣かす音楽を流していた。
負けてたまるか。と、テーブルに置かれた缶コーヒーを飲み干す。
また、ゴミを増やしていることに気付き、そいつは、袋の中に簡単に投げ捨てられた。
静かに、押し入れに閉まった写真と気持ちと。
過ぎ去っていく時間と共に、グラデーションの空に合わせ、点けた部屋の灯り。
カーテンのレースを少し閉じて、開けてあった窓も閉じて、エアコンのスイッチを、ピッ。とした。
ある程度、片付いた部屋に満足して、煙草に火を点ける。
テレビもいらない。と、ラジオばかり聴いていた僕は、今日は歌だけを聴きながら、煙を吸っては吐いていた。
何でも捨てれるゴミ箱があったらな。と考えては、そう言えば、明日は燃えるゴミの日じゃない。と、まっ、何でもいいか。と、頭の中で、一人で会話している。
その時、ふっ。と思ったんだ。
あいに、ラブレターを書こうかな。なんて。
目に良いよ。と言っていた、緑の文字で。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる