925 / 1,121
婚姻の儀 2
しおりを挟む
門前には人垣ができており、門の外にもそれはそのまま続いていた……。
車椅子の父上と、それを押すガイウスが玄関横に控えており、その隣に陛下。少し下がって公爵家の方々や、警護のディート殿やリヴィ様……と、とんでもない顔に見守られて立つ。
やって来た俺をじっくりと見た父上は、ふっと笑って俺に言った。
「ちゃんと連れ帰ってくるのだぞ」
「それはもう……」
そのつもりですよ。
嫌だと言われても、なんとか説得するつもりでいます。
「……でもこれ人多すぎませんか……」
何重にもなった人垣が見える。
凄まじくざわめいているのが、ここまで聞こえて来ている。
通常は花嫁を連れて歩く道を譲ってくれるものなのだが……あえて道を塞いでくる場合もあって、今回はそうなるようだ。
まぁ、距離的に近いからな……仕方ないか。
サヤのところまで、あの人垣をかき分けて行くことになるのだろう……体力持つのか俺? と、そんな不安が胸を過ぎった。
「何を怖気付いておる?」
早速陛下に悟られて茶化される。
「早くせねば、花嫁を他に掻っ攫われるやもしれぬぞ?」
ディート殿にそう言われ、怯んでる場合じゃないなと、深く息を吐いた。
「行ってきます」
そう宣言し、足を踏み出す。門前の人垣からの歓声が、一気に膨れ上がった。
儀式の間は、誰も俺を手助けしてくれない。配下も従えていかない。俺一人が歩き、サヤの元に向かう。
とりあえず顔を伏せて分からない程度に深呼吸して、人垣に向けて顔を上げたら、門前にわさわさいた人たちは綺麗さっぱり片付いていた。
「……え?」
いや、人垣はあるのだけど……道の両脇に退き、俺とサヤが並んで通れる程度の道が開いていたのだ。
どうやら、その道を隠すための人垣であったよう。驚かさないでくれよ……。
『前時代文明文化研究所』と書かれた板が吊るされている門まで来ると、サヤのもとまで続く綺麗な道ができているのがよく見えた。
両脇に控えた人たちの間に騎士や衛兵が点在しており、その後ろに集まった住人ら。
先頭の人たちは、手に白く長い飾り紐を持っており、サヤの下まで続く道をその紐で表現してくれていた。
足を踏み出すと、またわぁっと、歓声が上がる。
そしておめでとう、お幸せにという声が四方八方から降り注いだ。
たまにひらひらと白い花弁が舞っている。
その中、足を進めた。
ドキドキと心臓が早鐘を打っている。
それと同時に、やっとサヤの花嫁衣装姿を見れるのだという期待が、胸いっぱいに膨らんでいた。
俺が通り抜けると、騎士らが背に回していた手を、胸の前に構えていく。
通り沿いの家々の窓からも、住人が沢山顔を出している。
進む中にジークや、ここの配属を希望した騎士らがおり、胸がムズムズとする。
道の途中になんだかいかつい集団がいるな……と思ったらシェルトを筆頭とした大工や石工らの姿で、ルカまで来ていたのかと驚いた。むすっとした顔ながら、視線が合うと口がおめでとう……と、動く。
主筋通りまで来て、長屋店舗の間を進む。その間も人垣は途切れない。
元々は、装飾師としてルーシーが借りていた長屋店舗の一角を、サヤの家として使わせてもらう予定だったのだけど、それでは駄目だとギルが言い、まだ借り手がついていなかった屋敷を急遽、バート商会が借り、バート商会別館としてしまった。
サヤはそこで待っている。
俺の通り過ぎた後ろがガヤガヤと賑わっている。帰りも通るのだけど……道は無事だろうかと少し不安になる。
だけど、早くサヤに会いたくて、先ずはサヤを見なくてはと、足を急がせた。
バート商会別館は、中央広場にある。
そこの手前だけは屋台を置かず、人垣も大きく開いていた。
門前に立つ一際背が高い、金髪の偉丈夫。その隣に並ぶ美女。明らか造形がおかしい。ギルとルーシーは、今日もキラキラだ。
サヤの家役ということで、家族として俺を迎えるのだ。
「よく来たな!」
「その度胸は褒めてさしあげるわ!」
「……なんで宣戦布告みたいになってるの?」
ここは通しませんよ! とばかりに、俺の前に立ち憚る二人。
雰囲気に、嫌な予感がした……。
「サヤを娶りたいなら、お前には試練を受けてもらう!」
……いや、聞いてませんって。
ぽかんと口を開いた俺に、くすくすという笑い声が横手から上がった。
見れば孤児院の子供たちだ。皆が白い短衣に制服としている乱れ格子柄の衣装。
その中心に立っていたのはトゥーレで、もう孤児院を出た身であったけれど、今日は皆とお揃いの制服姿。
「こちらへお越しください」
そう言われてギルを見ると、行け。とばかりに顎をしゃくられた……。
行けばいいんでしょ……。
サヤの花嫁姿を見るためだと自分に言い聞かせ、言葉に従う。
ここまで来ればあと少し……あの向こうで、サヤは待ってるんだ……。
さっさと済ませて、サヤに会おう。
子供らに囲まれ、トゥーレに導かれて足を進めた。
周りでキャッキャくすくすとはしゃぐ子供たちが可愛い。ルドルフの姿が見えないのは、少し残念……。
すると、長椅子が等間隔に並べられた広場の中心に連れ出された。
長椅子は全てが同じ方向……広場の中心に向いており、途中から何故か長い緋毛氈が敷かれている。
……なんだこれ?
「この道をお進みください」
トゥーレにそう言われ……赤い道の先に視線をやった。
「は?」
緋毛氈の先端に置かれた小机。そして小机の後方に立つアレク。なんでアレク……???
「早く進んで!」
「つくえのまえまでね」
「そこで待っててっ」
「はやくはやく!」
「サヤかあさまがまってる!」
子供たちに急かされて足を進めると、更に人垣の間から見知った顔が集まってきた。
マルとジェイドは見当たらないけれど、それ以外の俺の配下。
クロード夫妻やエヴェラルド、ヘイスベルト、アーシュ、ユスト、アイル、ルフス……ハインまでいつの間にやら来ている。
オブシズ夫妻にウーヴェとリタ。シザー、クララ、ヨルグ、セルマ、メイフェイア……ええ?
長椅子に足を進めた彼らはそこに腰掛ける。
「レイさん、お早く」
状況が分からず途中で足を止めた俺を、アレクが急かした。
慌てて足を進め、そこで止まって! 机の前! と、念押ししてくる子供らの声で足を止めた。
「あ、アレク……? これいったい何……? 何を?」
「すぐに分かりますよ。もう暫くお待ちください」
司教の白い礼装を纏ったアレク。白髪は晒したままだ。何故か手には革製の台紙を持っており、それがまた謎。
首を傾げるしかなかったのだが……また後方が騒めきだして、俺はそちらに視線をやった。
………………!
純白の女神が、ギルの腕に手を添えて、緋毛氈の……俺が歩いて来た道の先に、立っていた……。
顔はふんだんに刺繍を施された紗で覆われ、見えない……。
だけど見慣れた佇まいは、見間違いようがない。
全身を白一色で覆い、肩に真珠の飾りを纏い、まるで光り輝いているかのよう。
頭から腰までを覆った紗は、後方に長く続いており、引きずる先をルーシーが持ち上げついて来ている。
ゆっくりとした足取りで歩いてくる姿に釘付けだった。
いやだって……迎えにいかなきゃと思ってたのに、サヤから来るだなんて……!
あぁ、でも……。
サヤらしい……のかも。サヤは、自ら決めて、動くのだ。
近付いてくるにつれ、紗の奥のサヤがうっすらと見えてきた。
黒髪は殆ど背に垂らされている。横髪を少量だけ三つ編みにし、後方にまわしていたけれど。
ギルの腕に添えられていない手には、真っ白な花束を持っており、いつぞやのようなそれは、芍薬の花束だった。
季節外れのその花はきっと、誰かがセイバーン村の裏山から集めて来てくれたのだろう。
俺の手前まで歩いてきたサヤは、伏せていた顔をチラリと上げた。
布越しに視線が合った。そうしてすぐに逸らされる。
恥ずかしくて見てられないといった素振りがあまりに可愛く、ぐわっと気持ちが昂まった。
「大切な娘だからな。泣かせたら承知しねぇ……」
どすの利いた声でギル。顔がマジだ。
それにこくりと頷いたら、サヤがギルの腕から手を離し……。
「…………」
無言のまま、俺の横に並んだ。
ギルとルーシーはそのまま、横手の長椅子に移動。
「それでは、これより婚姻の儀を執り行います」
急なアレクの声に、慌てて視線を向けると、席に座っていた皆がザッと立ち上がった。
車椅子の父上と、それを押すガイウスが玄関横に控えており、その隣に陛下。少し下がって公爵家の方々や、警護のディート殿やリヴィ様……と、とんでもない顔に見守られて立つ。
やって来た俺をじっくりと見た父上は、ふっと笑って俺に言った。
「ちゃんと連れ帰ってくるのだぞ」
「それはもう……」
そのつもりですよ。
嫌だと言われても、なんとか説得するつもりでいます。
「……でもこれ人多すぎませんか……」
何重にもなった人垣が見える。
凄まじくざわめいているのが、ここまで聞こえて来ている。
通常は花嫁を連れて歩く道を譲ってくれるものなのだが……あえて道を塞いでくる場合もあって、今回はそうなるようだ。
まぁ、距離的に近いからな……仕方ないか。
サヤのところまで、あの人垣をかき分けて行くことになるのだろう……体力持つのか俺? と、そんな不安が胸を過ぎった。
「何を怖気付いておる?」
早速陛下に悟られて茶化される。
「早くせねば、花嫁を他に掻っ攫われるやもしれぬぞ?」
ディート殿にそう言われ、怯んでる場合じゃないなと、深く息を吐いた。
「行ってきます」
そう宣言し、足を踏み出す。門前の人垣からの歓声が、一気に膨れ上がった。
儀式の間は、誰も俺を手助けしてくれない。配下も従えていかない。俺一人が歩き、サヤの元に向かう。
とりあえず顔を伏せて分からない程度に深呼吸して、人垣に向けて顔を上げたら、門前にわさわさいた人たちは綺麗さっぱり片付いていた。
「……え?」
いや、人垣はあるのだけど……道の両脇に退き、俺とサヤが並んで通れる程度の道が開いていたのだ。
どうやら、その道を隠すための人垣であったよう。驚かさないでくれよ……。
『前時代文明文化研究所』と書かれた板が吊るされている門まで来ると、サヤのもとまで続く綺麗な道ができているのがよく見えた。
両脇に控えた人たちの間に騎士や衛兵が点在しており、その後ろに集まった住人ら。
先頭の人たちは、手に白く長い飾り紐を持っており、サヤの下まで続く道をその紐で表現してくれていた。
足を踏み出すと、またわぁっと、歓声が上がる。
そしておめでとう、お幸せにという声が四方八方から降り注いだ。
たまにひらひらと白い花弁が舞っている。
その中、足を進めた。
ドキドキと心臓が早鐘を打っている。
それと同時に、やっとサヤの花嫁衣装姿を見れるのだという期待が、胸いっぱいに膨らんでいた。
俺が通り抜けると、騎士らが背に回していた手を、胸の前に構えていく。
通り沿いの家々の窓からも、住人が沢山顔を出している。
進む中にジークや、ここの配属を希望した騎士らがおり、胸がムズムズとする。
道の途中になんだかいかつい集団がいるな……と思ったらシェルトを筆頭とした大工や石工らの姿で、ルカまで来ていたのかと驚いた。むすっとした顔ながら、視線が合うと口がおめでとう……と、動く。
主筋通りまで来て、長屋店舗の間を進む。その間も人垣は途切れない。
元々は、装飾師としてルーシーが借りていた長屋店舗の一角を、サヤの家として使わせてもらう予定だったのだけど、それでは駄目だとギルが言い、まだ借り手がついていなかった屋敷を急遽、バート商会が借り、バート商会別館としてしまった。
サヤはそこで待っている。
俺の通り過ぎた後ろがガヤガヤと賑わっている。帰りも通るのだけど……道は無事だろうかと少し不安になる。
だけど、早くサヤに会いたくて、先ずはサヤを見なくてはと、足を急がせた。
バート商会別館は、中央広場にある。
そこの手前だけは屋台を置かず、人垣も大きく開いていた。
門前に立つ一際背が高い、金髪の偉丈夫。その隣に並ぶ美女。明らか造形がおかしい。ギルとルーシーは、今日もキラキラだ。
サヤの家役ということで、家族として俺を迎えるのだ。
「よく来たな!」
「その度胸は褒めてさしあげるわ!」
「……なんで宣戦布告みたいになってるの?」
ここは通しませんよ! とばかりに、俺の前に立ち憚る二人。
雰囲気に、嫌な予感がした……。
「サヤを娶りたいなら、お前には試練を受けてもらう!」
……いや、聞いてませんって。
ぽかんと口を開いた俺に、くすくすという笑い声が横手から上がった。
見れば孤児院の子供たちだ。皆が白い短衣に制服としている乱れ格子柄の衣装。
その中心に立っていたのはトゥーレで、もう孤児院を出た身であったけれど、今日は皆とお揃いの制服姿。
「こちらへお越しください」
そう言われてギルを見ると、行け。とばかりに顎をしゃくられた……。
行けばいいんでしょ……。
サヤの花嫁姿を見るためだと自分に言い聞かせ、言葉に従う。
ここまで来ればあと少し……あの向こうで、サヤは待ってるんだ……。
さっさと済ませて、サヤに会おう。
子供らに囲まれ、トゥーレに導かれて足を進めた。
周りでキャッキャくすくすとはしゃぐ子供たちが可愛い。ルドルフの姿が見えないのは、少し残念……。
すると、長椅子が等間隔に並べられた広場の中心に連れ出された。
長椅子は全てが同じ方向……広場の中心に向いており、途中から何故か長い緋毛氈が敷かれている。
……なんだこれ?
「この道をお進みください」
トゥーレにそう言われ……赤い道の先に視線をやった。
「は?」
緋毛氈の先端に置かれた小机。そして小机の後方に立つアレク。なんでアレク……???
「早く進んで!」
「つくえのまえまでね」
「そこで待っててっ」
「はやくはやく!」
「サヤかあさまがまってる!」
子供たちに急かされて足を進めると、更に人垣の間から見知った顔が集まってきた。
マルとジェイドは見当たらないけれど、それ以外の俺の配下。
クロード夫妻やエヴェラルド、ヘイスベルト、アーシュ、ユスト、アイル、ルフス……ハインまでいつの間にやら来ている。
オブシズ夫妻にウーヴェとリタ。シザー、クララ、ヨルグ、セルマ、メイフェイア……ええ?
長椅子に足を進めた彼らはそこに腰掛ける。
「レイさん、お早く」
状況が分からず途中で足を止めた俺を、アレクが急かした。
慌てて足を進め、そこで止まって! 机の前! と、念押ししてくる子供らの声で足を止めた。
「あ、アレク……? これいったい何……? 何を?」
「すぐに分かりますよ。もう暫くお待ちください」
司教の白い礼装を纏ったアレク。白髪は晒したままだ。何故か手には革製の台紙を持っており、それがまた謎。
首を傾げるしかなかったのだが……また後方が騒めきだして、俺はそちらに視線をやった。
………………!
純白の女神が、ギルの腕に手を添えて、緋毛氈の……俺が歩いて来た道の先に、立っていた……。
顔はふんだんに刺繍を施された紗で覆われ、見えない……。
だけど見慣れた佇まいは、見間違いようがない。
全身を白一色で覆い、肩に真珠の飾りを纏い、まるで光り輝いているかのよう。
頭から腰までを覆った紗は、後方に長く続いており、引きずる先をルーシーが持ち上げついて来ている。
ゆっくりとした足取りで歩いてくる姿に釘付けだった。
いやだって……迎えにいかなきゃと思ってたのに、サヤから来るだなんて……!
あぁ、でも……。
サヤらしい……のかも。サヤは、自ら決めて、動くのだ。
近付いてくるにつれ、紗の奥のサヤがうっすらと見えてきた。
黒髪は殆ど背に垂らされている。横髪を少量だけ三つ編みにし、後方にまわしていたけれど。
ギルの腕に添えられていない手には、真っ白な花束を持っており、いつぞやのようなそれは、芍薬の花束だった。
季節外れのその花はきっと、誰かがセイバーン村の裏山から集めて来てくれたのだろう。
俺の手前まで歩いてきたサヤは、伏せていた顔をチラリと上げた。
布越しに視線が合った。そうしてすぐに逸らされる。
恥ずかしくて見てられないといった素振りがあまりに可愛く、ぐわっと気持ちが昂まった。
「大切な娘だからな。泣かせたら承知しねぇ……」
どすの利いた声でギル。顔がマジだ。
それにこくりと頷いたら、サヤがギルの腕から手を離し……。
「…………」
無言のまま、俺の横に並んだ。
ギルとルーシーはそのまま、横手の長椅子に移動。
「それでは、これより婚姻の儀を執り行います」
急なアレクの声に、慌てて視線を向けると、席に座っていた皆がザッと立ち上がった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる