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終幕の足音 5
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ルーシーのおかげで、張り詰めていた執務室の緊張感はなんとも微妙な空気へと変貌した。
まだ若干違和感を残しているのだけど、良い意味で緩みが出たというか、皆、慌てても仕方がないと気持ちを切り替えることができたよう。
とりあえず二人が戻るまでは保留にしようという暗黙の了解のもと、俺たちは日常業務を進めることとなった。
そうして夕食をいただくほどの時間となってようやっと、クララ、クロードが戻ったのだけど……。
「ホライエン領内に、スヴェトランの斥候が侵入していたもようです。彼方は本格的にフェルドナレン攻略を考えているのでしょう。
今までより意志の纏まりを感じますし、部族統一はほぼ終了したのではないかと思われるとのことでした」
説明は……それだけだった。
クララは難しい表情で、特に補足も無いよう。
その報告に、俺が納得できるはずもないと分かっているだろうに……。
追求すべきかどうか、少しだけ悩んだ。
二人が俺に言えない……言いたくないと思っていることは明白であったけれど、そう判断したならば、その意思を尊重すべきかもしれないと。
だけど……。
ホライエン伯爵様は敵意を隠そうともしなかった。
あそこまであからさまに晒したのだから、今ここで誤魔化す意味は無いよな……。
「……そこに俺がどう関わっている?」
そう問うと、二人の表情が傍目には分からない程度に強張った。
俺のその問いに、他の面々も緊張を走らせる。
状況を知らないサヤひとりが、キョトンとして、俺と二人を見ていた。
その緊迫した空気は暫く続いたのだが……。
「…………レイシール様では、ございません……」
なんとかそう絞り出したのは、クロード。
「俺ではない。とは?」
更にそう問うと、一度瞳を伏せたクロードは、観念した様子。
「……ホライエンに侵入していた斥候は、古くからフェルドナレン内に潜伏していた間者と連絡を取るため、国境を越えたようでした。
ホライエンは、早くにそれを発見できたため泳がせ、その潜伏先に訪れたところを見計らい、制圧したとのこと。
その間者が潜伏先としていた、とある商店の隠し部屋に、古くからの記録や書簡が残されており……」
そこでクロードは、一瞬言葉に詰まった。
「……その中に、セイバーン麦の、毎年の出荷情報が含まれておりました……」
出荷情報。
敢えて抽象的な言葉で言われたけれど、それはセイバーンが公には開示していない情報だ。
……セイバーンが、機密情報をスヴェトランに売っていた形跡があるということか……。
「…………いつからだ」
ジェスルが巣食っていた時期ならば、それもありうるだろうという気がした。彼らは何かしらの資金集めをしていたようだったから……。
セイバーンの中で彼らが何をしていたのか、これでまた一つ明らかになったなと思いつつ、そう聞いたのだが……。
クロードが口にしたのは、俺の予想を大きく覆す数字。
「…………近年のものから……最も古くは、五十年以上前と……」
……………………なん……っ⁉︎
◆
俺の祖父母、二代前となるセイバーン領主夫妻は事故死したと、父上に聞いた。山間の道で崖崩れに遭遇したのだと……。
それが四十年ほど前の話で、父上は唐突に、十九という若い身空で領主とならざるを得なかった。
その後、婚約者も亡くし、妻を娶ることのないまま時は過ぎ……ジェスル伯爵家より異母様が嫁いで来られたのは、十年後になる。
つまり情報が売られていたとしたならば、その先先代か、更にその前の領主の頃から。
そして継続的にそれが続けられていたとしたら……どこかの段階で、セイバーン領主自らが関わっていた可能性も視野に入る……。
「…………五十年、以上……」
お祖父様が……セイバーン領主ともあろう者が、フェルドナレンを裏切っていた⁉︎
まさか、あり得ない!
そう叫びそうになって、喉元まで迫り上がってきた言葉をなんとか押し留め、飲み込んだ。
落ち着け。
信じ難い……信じたくない! けれど……俺はそれを否定できるほど、セイバーンを知らない……。
俺の知ってるセイバーンは、ここ最近の、片手で数えられる程度の年数。しかもその殆どが、書類上のことだけなんだ……。
そんな風に考える一方、どこかで冷静な部分の俺は、クロードの言葉を情報として吟味していた。
俺ではない……と、クロードは言った。
探ってくると前置きしていったクララすら、口を閉ざすことを選んだ。
それは、セイバーン領主が関わっているという証拠があったということではないか。
セイバーン領主の関わりをそこまで強く示せる証拠は、領主印以外、考えられない……。
ホライエン伯爵様があんなにまで怒気をあらわに詰め寄ってきたのも、セイバーン領主の、領主にあるまじき所業へのお怒り……その罪がはっきりしているからこそだったのでは。
しかもフェルドナレンを裏切った血筋の俺が、現在陛下に重用されている……一刻の王が、このアヴァロンに滞在されているのだ。
「な……何を言うのです⁉︎ そんなこと、あるはずがない!」
ダン! と、机を叩き立ち上がった者がいた。
ルフスだ。
そのままクロードに掴みかかるのではという剣幕で、詰め寄ろうとするのを、隣のエヴェラルドが慌てて止めた。
「離してください!」
「おっ、落ち着きましょう⁉︎」
羽交い締めにされたルフスは、鬼の形相でもがいたけれど、急いで駆けつけたシザーが取り押さえると、身動きが取れなくなった。
同じ職場の同僚とはいえ、庶民のルフスがクロードに何かしたら大問題に発展しかねなかったから、エヴェラルドの判断は正しかったと思う。
ルフスの年齢的に、彼も先先代を知らないだろうし、たとえお会いした記憶があったとしても、幼い頃のものだろう……。否定を裏付けることのできる証拠は無い可能性が高い……。
そこで、戸惑った別の声が場に割って入った。
「あの……どうしてセイバーンの出荷情報がホライエン領に保管されていたんでしょう?
そもそもスヴェトランは、麦の情報なんて、どうして集めたんでしょう? 価格帯調査か何かでしょうか?」
サヤの問いかけ。
それにより皆の視線がサヤに向かい、サヤは困惑した表情を俺に向けることとなった。
「麦の出荷情報って、そんなに重要なのですか?」
今まで普通に、書類で見ていた数字の羅列だ。それが急に危険情報扱いだもんな。
ルフスの怒りを理解できない……。場の緊張の理由が分からず、戸惑っているといったその様子に……あぁ、そうだなと。彼女に説明しなければならないのだと、余計気が重くなる……。
サヤは、もうセイバーン貴族の一員となってしまった……。彼女にとってもこれは、身内の問題となったのだ……。
「…………ひとつふたつを口に出すくらいは構わないのだけどね……元来、麦の出荷情報は軍事機密に含まれる」
「麦の出荷情報が……軍事機密ですか?」
サヤの問いにクララがキュッと眉を寄せる。貴族ならば知っているべき知識を得ていないサヤを、男爵夫人として危ぶんだのだろう。
だけど、今まで貴族でなかったサヤに、この手のことはまだはっきりと伝えていない。
公爵家に生まれたクララとしては当然のことだろう。でもサヤは知らないことが当然なのだ……。
これが貴族外の出自の者が、貴族に加わることの難しさ……。そもそもの常識基準が、庶民と貴族では違う。
貴族入りする前に伝えるわけにもいかない。当然そこには、口外できないことも多く含まれるから。
それに、サヤはこの世界自体に疎い。それこそたったの数年しか、この世界に関わっていないのだ。
彼女は俺よりよほど博識だけれど、そもそもが異界の民で、得てきた経験が違う。ありとあらゆる知識の共有が当然のことである彼女の世界において、きっとこれは然程貴重な情報ではないのだろう。
これは貴族知識以前の問題……言うなれば、世界の差なのだ……。
「麦は主食。その量で人口や国内の食糧事情等、色々が読めてしまう。毎年の情報ということは、その変動までもが明らかにされているということだ」
その説明で、ようやっと状況が理解できたのだろう。サヤは両手で口元を覆った。
まだ若干違和感を残しているのだけど、良い意味で緩みが出たというか、皆、慌てても仕方がないと気持ちを切り替えることができたよう。
とりあえず二人が戻るまでは保留にしようという暗黙の了解のもと、俺たちは日常業務を進めることとなった。
そうして夕食をいただくほどの時間となってようやっと、クララ、クロードが戻ったのだけど……。
「ホライエン領内に、スヴェトランの斥候が侵入していたもようです。彼方は本格的にフェルドナレン攻略を考えているのでしょう。
今までより意志の纏まりを感じますし、部族統一はほぼ終了したのではないかと思われるとのことでした」
説明は……それだけだった。
クララは難しい表情で、特に補足も無いよう。
その報告に、俺が納得できるはずもないと分かっているだろうに……。
追求すべきかどうか、少しだけ悩んだ。
二人が俺に言えない……言いたくないと思っていることは明白であったけれど、そう判断したならば、その意思を尊重すべきかもしれないと。
だけど……。
ホライエン伯爵様は敵意を隠そうともしなかった。
あそこまであからさまに晒したのだから、今ここで誤魔化す意味は無いよな……。
「……そこに俺がどう関わっている?」
そう問うと、二人の表情が傍目には分からない程度に強張った。
俺のその問いに、他の面々も緊張を走らせる。
状況を知らないサヤひとりが、キョトンとして、俺と二人を見ていた。
その緊迫した空気は暫く続いたのだが……。
「…………レイシール様では、ございません……」
なんとかそう絞り出したのは、クロード。
「俺ではない。とは?」
更にそう問うと、一度瞳を伏せたクロードは、観念した様子。
「……ホライエンに侵入していた斥候は、古くからフェルドナレン内に潜伏していた間者と連絡を取るため、国境を越えたようでした。
ホライエンは、早くにそれを発見できたため泳がせ、その潜伏先に訪れたところを見計らい、制圧したとのこと。
その間者が潜伏先としていた、とある商店の隠し部屋に、古くからの記録や書簡が残されており……」
そこでクロードは、一瞬言葉に詰まった。
「……その中に、セイバーン麦の、毎年の出荷情報が含まれておりました……」
出荷情報。
敢えて抽象的な言葉で言われたけれど、それはセイバーンが公には開示していない情報だ。
……セイバーンが、機密情報をスヴェトランに売っていた形跡があるということか……。
「…………いつからだ」
ジェスルが巣食っていた時期ならば、それもありうるだろうという気がした。彼らは何かしらの資金集めをしていたようだったから……。
セイバーンの中で彼らが何をしていたのか、これでまた一つ明らかになったなと思いつつ、そう聞いたのだが……。
クロードが口にしたのは、俺の予想を大きく覆す数字。
「…………近年のものから……最も古くは、五十年以上前と……」
……………………なん……っ⁉︎
◆
俺の祖父母、二代前となるセイバーン領主夫妻は事故死したと、父上に聞いた。山間の道で崖崩れに遭遇したのだと……。
それが四十年ほど前の話で、父上は唐突に、十九という若い身空で領主とならざるを得なかった。
その後、婚約者も亡くし、妻を娶ることのないまま時は過ぎ……ジェスル伯爵家より異母様が嫁いで来られたのは、十年後になる。
つまり情報が売られていたとしたならば、その先先代か、更にその前の領主の頃から。
そして継続的にそれが続けられていたとしたら……どこかの段階で、セイバーン領主自らが関わっていた可能性も視野に入る……。
「…………五十年、以上……」
お祖父様が……セイバーン領主ともあろう者が、フェルドナレンを裏切っていた⁉︎
まさか、あり得ない!
そう叫びそうになって、喉元まで迫り上がってきた言葉をなんとか押し留め、飲み込んだ。
落ち着け。
信じ難い……信じたくない! けれど……俺はそれを否定できるほど、セイバーンを知らない……。
俺の知ってるセイバーンは、ここ最近の、片手で数えられる程度の年数。しかもその殆どが、書類上のことだけなんだ……。
そんな風に考える一方、どこかで冷静な部分の俺は、クロードの言葉を情報として吟味していた。
俺ではない……と、クロードは言った。
探ってくると前置きしていったクララすら、口を閉ざすことを選んだ。
それは、セイバーン領主が関わっているという証拠があったということではないか。
セイバーン領主の関わりをそこまで強く示せる証拠は、領主印以外、考えられない……。
ホライエン伯爵様があんなにまで怒気をあらわに詰め寄ってきたのも、セイバーン領主の、領主にあるまじき所業へのお怒り……その罪がはっきりしているからこそだったのでは。
しかもフェルドナレンを裏切った血筋の俺が、現在陛下に重用されている……一刻の王が、このアヴァロンに滞在されているのだ。
「な……何を言うのです⁉︎ そんなこと、あるはずがない!」
ダン! と、机を叩き立ち上がった者がいた。
ルフスだ。
そのままクロードに掴みかかるのではという剣幕で、詰め寄ろうとするのを、隣のエヴェラルドが慌てて止めた。
「離してください!」
「おっ、落ち着きましょう⁉︎」
羽交い締めにされたルフスは、鬼の形相でもがいたけれど、急いで駆けつけたシザーが取り押さえると、身動きが取れなくなった。
同じ職場の同僚とはいえ、庶民のルフスがクロードに何かしたら大問題に発展しかねなかったから、エヴェラルドの判断は正しかったと思う。
ルフスの年齢的に、彼も先先代を知らないだろうし、たとえお会いした記憶があったとしても、幼い頃のものだろう……。否定を裏付けることのできる証拠は無い可能性が高い……。
そこで、戸惑った別の声が場に割って入った。
「あの……どうしてセイバーンの出荷情報がホライエン領に保管されていたんでしょう?
そもそもスヴェトランは、麦の情報なんて、どうして集めたんでしょう? 価格帯調査か何かでしょうか?」
サヤの問いかけ。
それにより皆の視線がサヤに向かい、サヤは困惑した表情を俺に向けることとなった。
「麦の出荷情報って、そんなに重要なのですか?」
今まで普通に、書類で見ていた数字の羅列だ。それが急に危険情報扱いだもんな。
ルフスの怒りを理解できない……。場の緊張の理由が分からず、戸惑っているといったその様子に……あぁ、そうだなと。彼女に説明しなければならないのだと、余計気が重くなる……。
サヤは、もうセイバーン貴族の一員となってしまった……。彼女にとってもこれは、身内の問題となったのだ……。
「…………ひとつふたつを口に出すくらいは構わないのだけどね……元来、麦の出荷情報は軍事機密に含まれる」
「麦の出荷情報が……軍事機密ですか?」
サヤの問いにクララがキュッと眉を寄せる。貴族ならば知っているべき知識を得ていないサヤを、男爵夫人として危ぶんだのだろう。
だけど、今まで貴族でなかったサヤに、この手のことはまだはっきりと伝えていない。
公爵家に生まれたクララとしては当然のことだろう。でもサヤは知らないことが当然なのだ……。
これが貴族外の出自の者が、貴族に加わることの難しさ……。そもそもの常識基準が、庶民と貴族では違う。
貴族入りする前に伝えるわけにもいかない。当然そこには、口外できないことも多く含まれるから。
それに、サヤはこの世界自体に疎い。それこそたったの数年しか、この世界に関わっていないのだ。
彼女は俺よりよほど博識だけれど、そもそもが異界の民で、得てきた経験が違う。ありとあらゆる知識の共有が当然のことである彼女の世界において、きっとこれは然程貴重な情報ではないのだろう。
これは貴族知識以前の問題……言うなれば、世界の差なのだ……。
「麦は主食。その量で人口や国内の食糧事情等、色々が読めてしまう。毎年の情報ということは、その変動までもが明らかにされているということだ」
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