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癒しの力と聖女
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病院と呼ばれている場所は、大きなテントが張られているところだった。むき出しの土の上に、いくつものベッドが並んでいる。
「ヴァルター様!」
ヴァルターがテントの中に入ると、医療隊の兵士が走り寄る。その様子を見て、軽傷な患者も立ちあがろうとするのを見て、ヴァルターがさっと片手を上げる。
「そのままでいい。コルネリア、大丈夫か?」
ヴァルターに声をかけられたコルネリアは、テント内を見渡す。
【重傷者はここにはいないのかしら?】
「奥にいるが、大丈夫だろうか?」
軽傷者のいるテント内も、けして衛生的に良いわけではない。怪我人が多くいるため、臭いも出てしまっている。
その上、重症者たちのひどい様子をみても、コルネリアが耐えられるのかヴァルターは不安だったようだ。
(ーーこの国では法国で聖女がどんな活動をしていたのか、あまり知らないんだわ)
【重症者にも慣れているので大丈夫ですわ。治して差し上げたいので、連れて行ってください】
コルネリアが紙に書いて伝えると、ヴァルターは渋い顔のまま頷いて歩く。
テントの奥、垂れ幕で仕切られた先が、重傷者がいるエリアのようだった。
ぐったりと横たわる人たち。手や足などが欠損している者、包帯でぐるぐる巻きにされている者。先ほどの軽傷者たちとは、全く違っている。
「コルネリア」
やはり無理だろう、とヴァルターが声をかけようとすると、コルネリアは1番近い患者のところへ歩み寄る。
(ーー大丈夫。すぐに治して差し上げます)
苦しむ患者が伸ばした手を、優しく両手で包み込む。そのままコルネリアが目を閉じると、ぱっと光が彼女を包み込んだ。
光が収まると、コルネリアは立ち上がる。先ほどまで苦しんでいた患者は、穏やかな表情で眠っている。
【このようにして、治すことができます。怪我や病気を治すことができますが、体力は失ったままなので数日は眠ると思います】
さらさら、と事実を紙に書いて、コルネリアがヴァルターに渡そうと顔を上げる。
「ああ。コルネリア!ありがとう!」
コルネリアが顔を上げると同時に、ヴァルターがぎゅっと彼女を抱きしめる。渡そうとした紙が、ひらひらと床に落ちた。
(ーーびっくりしたわ!でも、みんな嬉しそう。こんなに喜んでもらえるなんて)
急に抱きしめられて驚いたコルネリアだが、ヴァルターだけではなく、医療隊の兵士たちも喜んでいるのを見て嬉しくなった。
「あ。す、すまない」
我に返ったヴァルターが、さっとコルネリアから離れる。コルネリアは穏やかな笑みを浮かべると、次の患者のところへ向かった。
聖女の癒しの力は大きな対価なく使えるが、集中力が必要なので1日で全員を治すことはできない。
コルネリアは治療の優先順位をヴァルターを通して、医療隊の兵士たちとか話し合った。
「ああ。聖女様」
意識のある負傷者たちは、治療を行うコルネリアに両手を合わせて拝んだ。
ふう、とコルネリアは息を吐くと、額に滲んだ汗をハンカチでそっと拭った。気がつけば、辺りは夕日で赤く染まっている。
コルネリアは今日予定した最後の患者の治療を終えると、立ち上がった。水色の衣は、床などに跪いたため膝の部分などが汚れている。
体力の限界を感じ、ふら、とコルネリアが体制を崩す。すぐに気がついたヴァルターが、背中に手を回して支える。
「ありがとうコルネリア。疲れただろう」
そう言うとヴァルターは、そっとコルネリアを抱き上げた。びっくりしたらコルネリアが身体に力を入れると、ヴァルターが優しく声をかける。
「このまま馬車まで運ばせてくれ」
こく、と頷くと、ヴァルターは穏やかな笑みを浮かべて歩き出した。
(ーー本当に噂のネバンテ国の王様とは思えないわ。噂は全部嘘だったんだわ)
まだネバンテ国に来て2日目だが、コルネリアは噂は全て嘘だと確信が持てた。
馬車に乗り込むと、コルネリアはさらさらと紙に文字を書く。
【失礼かもしれませんが、ヴァルター様の噂はご存じですか?】
コルネリアの文字を見て、ヴァルターは苦笑する。
「ああ。悪名が高ければ高いほど、敵が勝手に怯えてくれるからな。わざと流していたんだ」
(ーーなるほど。それなら納得がいくわ。見た目も良くて、中身も優しいなんて。パトリック様に押し付けられた結婚だけど、結果的にはすごくいいわ!)
ヴァルターの言葉が腑に落ち、コルネリアが内心納得をしている。その顔をヴァルターは、不安そうに見つめた。
「嫁ぐのに心配だっただろうが…た。大切にするから、安心してくれ」
かっと顔を染めてそう言うと、そっとコルネリアの手を握った。コルネリアは恥じらうように、顔を伏せる。
(ーーヴァルター様。か、かわいいっ!顔がにやけてしまいますわ)
実際はニヤケ面を見せないために俯いただけだが、ヴァルターは気がついていない。
恥じらう(ように見える)コルネリアに、ヴァルターは窓際の方を向いてニヤける表情を、そっと手で隠した。似た者夫婦である。
「ヴァルター様!」
ヴァルターがテントの中に入ると、医療隊の兵士が走り寄る。その様子を見て、軽傷な患者も立ちあがろうとするのを見て、ヴァルターがさっと片手を上げる。
「そのままでいい。コルネリア、大丈夫か?」
ヴァルターに声をかけられたコルネリアは、テント内を見渡す。
【重傷者はここにはいないのかしら?】
「奥にいるが、大丈夫だろうか?」
軽傷者のいるテント内も、けして衛生的に良いわけではない。怪我人が多くいるため、臭いも出てしまっている。
その上、重症者たちのひどい様子をみても、コルネリアが耐えられるのかヴァルターは不安だったようだ。
(ーーこの国では法国で聖女がどんな活動をしていたのか、あまり知らないんだわ)
【重症者にも慣れているので大丈夫ですわ。治して差し上げたいので、連れて行ってください】
コルネリアが紙に書いて伝えると、ヴァルターは渋い顔のまま頷いて歩く。
テントの奥、垂れ幕で仕切られた先が、重傷者がいるエリアのようだった。
ぐったりと横たわる人たち。手や足などが欠損している者、包帯でぐるぐる巻きにされている者。先ほどの軽傷者たちとは、全く違っている。
「コルネリア」
やはり無理だろう、とヴァルターが声をかけようとすると、コルネリアは1番近い患者のところへ歩み寄る。
(ーー大丈夫。すぐに治して差し上げます)
苦しむ患者が伸ばした手を、優しく両手で包み込む。そのままコルネリアが目を閉じると、ぱっと光が彼女を包み込んだ。
光が収まると、コルネリアは立ち上がる。先ほどまで苦しんでいた患者は、穏やかな表情で眠っている。
【このようにして、治すことができます。怪我や病気を治すことができますが、体力は失ったままなので数日は眠ると思います】
さらさら、と事実を紙に書いて、コルネリアがヴァルターに渡そうと顔を上げる。
「ああ。コルネリア!ありがとう!」
コルネリアが顔を上げると同時に、ヴァルターがぎゅっと彼女を抱きしめる。渡そうとした紙が、ひらひらと床に落ちた。
(ーーびっくりしたわ!でも、みんな嬉しそう。こんなに喜んでもらえるなんて)
急に抱きしめられて驚いたコルネリアだが、ヴァルターだけではなく、医療隊の兵士たちも喜んでいるのを見て嬉しくなった。
「あ。す、すまない」
我に返ったヴァルターが、さっとコルネリアから離れる。コルネリアは穏やかな笑みを浮かべると、次の患者のところへ向かった。
聖女の癒しの力は大きな対価なく使えるが、集中力が必要なので1日で全員を治すことはできない。
コルネリアは治療の優先順位をヴァルターを通して、医療隊の兵士たちとか話し合った。
「ああ。聖女様」
意識のある負傷者たちは、治療を行うコルネリアに両手を合わせて拝んだ。
ふう、とコルネリアは息を吐くと、額に滲んだ汗をハンカチでそっと拭った。気がつけば、辺りは夕日で赤く染まっている。
コルネリアは今日予定した最後の患者の治療を終えると、立ち上がった。水色の衣は、床などに跪いたため膝の部分などが汚れている。
体力の限界を感じ、ふら、とコルネリアが体制を崩す。すぐに気がついたヴァルターが、背中に手を回して支える。
「ありがとうコルネリア。疲れただろう」
そう言うとヴァルターは、そっとコルネリアを抱き上げた。びっくりしたらコルネリアが身体に力を入れると、ヴァルターが優しく声をかける。
「このまま馬車まで運ばせてくれ」
こく、と頷くと、ヴァルターは穏やかな笑みを浮かべて歩き出した。
(ーー本当に噂のネバンテ国の王様とは思えないわ。噂は全部嘘だったんだわ)
まだネバンテ国に来て2日目だが、コルネリアは噂は全て嘘だと確信が持てた。
馬車に乗り込むと、コルネリアはさらさらと紙に文字を書く。
【失礼かもしれませんが、ヴァルター様の噂はご存じですか?】
コルネリアの文字を見て、ヴァルターは苦笑する。
「ああ。悪名が高ければ高いほど、敵が勝手に怯えてくれるからな。わざと流していたんだ」
(ーーなるほど。それなら納得がいくわ。見た目も良くて、中身も優しいなんて。パトリック様に押し付けられた結婚だけど、結果的にはすごくいいわ!)
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かっと顔を染めてそう言うと、そっとコルネリアの手を握った。コルネリアは恥じらうように、顔を伏せる。
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