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第34話:パーティーを堪能
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パーティーに出された料理の数々は素人目に見ても絶品と言えるものばかりで食が進む。
あまりガツガツ食べ過ぎないでよ、とサナに苦言を呈されたが、美味いものを食べて何が悪い。
中でもろーすとびーふというものは絶品であまりの美味さに昇天しそうになる。
ナギサもパーティー会場にやって来たが、イジューイン家のお嬢様ということなのだろう。
大勢の来訪客に捕まり、俺たちの相手をしている余裕はないようであった。
「美味いわね」
フェイフーもそう言って立食パーティーを楽しむ。ヒカルも頷いた。
「はい。流石は伊集院家のパーティーです。美味しいものばかりです」
「それには俺も同感だ」
同意を示す俺。パーティーが始まった直後は女性陣のドレス姿を絶賛していたが、そこは色気より食い気ということか。美味い料理を次々に平らげていく。
「全く。ガツガツ食べちゃって」
サナは呆れ顔だ。ルリも苦笑する。リリアは、というと俺と同じくらいの勢いで料理を食べている。
彼女も騎士の一人、栄養のある料理を食べられる時に食べておくという習慣は身に付いているのだろう。
ナギサやナギサの両親が前に立ち、なにやら挨拶をしていたが、俺はほとんど聞いていなかった。
招待客としては無礼かもしれないが、堅苦しいことは好まない。
そう思っていると挨拶回りから解放されたのかナギサとナギサの父親が俺の前に来た。
「君がアドニスくんかね。娘が世話になっているようで」
こう言われれば流石に応えない訳にはいかない。「いえ」と俺は応えた。
「娘さんにはいつも世話になっております」
「ふふ、破天荒な娘で手間がかかるだろう。渚の友人をやってくれて感謝している」
「お父様、私はそんなに迷惑をかけておりません」
こすぷれを制作して一緒に町の中を練り歩くのだから確かに破天荒と言えるかもしれない。
かといってそれを肯定するのもどうかと思ったので俺は曖昧な笑みを返す。
「娘さんにはいつもお世話になっております」
「そうか。これからも娘と友人付き合いをよろしく頼むよ」
「もう、お父様ったら」
親の過保護に辟易する娘の声でナギサが言い、ナギサの父は別の来客の相手に回ってしまう。
ナギサが俺たちのそばに残された。
「ふふ、破天荒な娘さん。これからもお世話してあげるから安心しなさい」
「佐奈、その言い方はなんですか」
サナが笑みを隠せず言った言葉にナギサは頬を膨らませる。ナギサとしても不本意な紹介であったのだろう。
「私はお世話など必要ないわ。お父様も過保護なんだから……」
不満そうにナギサはそう言い、みーとぼーる、というらしい食べ物を手に取り口に運ぶ。
あれも美味しいものだとは既に食べて経験済みだ。本当にこの世界は食に長けている世界だと思う。
「いや、でも招待してくれてありがとう。こんな美味いものを沢山食べれるなんてありがたいよ」
「アドニスは色気より食い気なのですね。これだけ美人がドレス姿でいるというのに」
ナギサに苦言を呈される。俺は苦笑いした。
「いや、サナもルリもフェイフーもナギサもみんなドレス姿がよく似合っている。それは本音の思いだよ」
「そ、そうかしら……」
「そうですか……?」
俺の言葉にサナとルリが頬を赤らめる。それを見てナギサはため息を吐いた。
「アドニスは好色なのですね」
「アドニス殿、私のドレスはどうだ?」
そうしているとリリアまで訊いてくる。俺は迷わず答えた。
「リリアもすごくよく似合っている。騎士だけじゃなくご令嬢もやれるな。リリアは」
「そうか、ありがとう」
満足げにリリアは頷く。それを見てサナが「八方美人」と先にも告げた言葉を告げる。
「いや、みんな似合っているんだから仕方がないだろ。綺麗だよ、みんな」
綺麗。その言葉に女性陣は頬を赤らめる。ふむ。本意を言っただけなのだが、なんだろう。この雰囲気は。
「アドニスが女たらしなのは分かったわ」
ナギサにまでこんなことを言われる始末。果て。女たらしだっただろうか、俺は。
「まぁ、このパーティーに招待してくれてありがとう。楽しくやっているよ。みんなの一張羅も見れたしな」
「それなら何より。私は他に挨拶しないといけない方もいるのでこれで」
そう言ってナギサは俺たちの側から去っていく。
そんな調子でパーティーは終わりを迎える。
パーティーに招かれるからどんなものかと思ったが予想以上に楽しい時間を過ごすことができた。
俺たちは来客ということもあり、あまり堅苦しい思いもせずに済んだ。
帰りのりむじんの中で俺は満足げに口にする。
「楽しいパーティーだったな」
それにみんな異論はないのか、頷く。
「ま、アドニスの八方美人っぷりも分かったけど」
「随分とトゲのある言い方だな、サナ」
「事実でしょう?」
事実も何もそのハッポウビジンという言葉の意味が分からない、いや、薄々は察しているが、みんなドレス姿は美人だったのだからしょうがない。
「みんなドレス姿は凄くよく似合っていたからな。俺にはああ言うしかないよ」
俺の言葉に女性陣は再び頬を赤らめる。ふむ。これがハッポウビジンというものか。
「ありがとうございます。アドニスさん」
「そう言ってくれると嬉しいアドニス殿」
ルリやリリアはそんなことを言って俺に赤らんだ顔を向ける。「やっぱり八方美人じゃない」とサナは少し不機嫌そうであったが。
ともあれ、パーティーは終わりりむじんに送られてそれぞれの家に帰る俺たちであった。
あまりガツガツ食べ過ぎないでよ、とサナに苦言を呈されたが、美味いものを食べて何が悪い。
中でもろーすとびーふというものは絶品であまりの美味さに昇天しそうになる。
ナギサもパーティー会場にやって来たが、イジューイン家のお嬢様ということなのだろう。
大勢の来訪客に捕まり、俺たちの相手をしている余裕はないようであった。
「美味いわね」
フェイフーもそう言って立食パーティーを楽しむ。ヒカルも頷いた。
「はい。流石は伊集院家のパーティーです。美味しいものばかりです」
「それには俺も同感だ」
同意を示す俺。パーティーが始まった直後は女性陣のドレス姿を絶賛していたが、そこは色気より食い気ということか。美味い料理を次々に平らげていく。
「全く。ガツガツ食べちゃって」
サナは呆れ顔だ。ルリも苦笑する。リリアは、というと俺と同じくらいの勢いで料理を食べている。
彼女も騎士の一人、栄養のある料理を食べられる時に食べておくという習慣は身に付いているのだろう。
ナギサやナギサの両親が前に立ち、なにやら挨拶をしていたが、俺はほとんど聞いていなかった。
招待客としては無礼かもしれないが、堅苦しいことは好まない。
そう思っていると挨拶回りから解放されたのかナギサとナギサの父親が俺の前に来た。
「君がアドニスくんかね。娘が世話になっているようで」
こう言われれば流石に応えない訳にはいかない。「いえ」と俺は応えた。
「娘さんにはいつも世話になっております」
「ふふ、破天荒な娘で手間がかかるだろう。渚の友人をやってくれて感謝している」
「お父様、私はそんなに迷惑をかけておりません」
こすぷれを制作して一緒に町の中を練り歩くのだから確かに破天荒と言えるかもしれない。
かといってそれを肯定するのもどうかと思ったので俺は曖昧な笑みを返す。
「娘さんにはいつもお世話になっております」
「そうか。これからも娘と友人付き合いをよろしく頼むよ」
「もう、お父様ったら」
親の過保護に辟易する娘の声でナギサが言い、ナギサの父は別の来客の相手に回ってしまう。
ナギサが俺たちのそばに残された。
「ふふ、破天荒な娘さん。これからもお世話してあげるから安心しなさい」
「佐奈、その言い方はなんですか」
サナが笑みを隠せず言った言葉にナギサは頬を膨らませる。ナギサとしても不本意な紹介であったのだろう。
「私はお世話など必要ないわ。お父様も過保護なんだから……」
不満そうにナギサはそう言い、みーとぼーる、というらしい食べ物を手に取り口に運ぶ。
あれも美味しいものだとは既に食べて経験済みだ。本当にこの世界は食に長けている世界だと思う。
「いや、でも招待してくれてありがとう。こんな美味いものを沢山食べれるなんてありがたいよ」
「アドニスは色気より食い気なのですね。これだけ美人がドレス姿でいるというのに」
ナギサに苦言を呈される。俺は苦笑いした。
「いや、サナもルリもフェイフーもナギサもみんなドレス姿がよく似合っている。それは本音の思いだよ」
「そ、そうかしら……」
「そうですか……?」
俺の言葉にサナとルリが頬を赤らめる。それを見てナギサはため息を吐いた。
「アドニスは好色なのですね」
「アドニス殿、私のドレスはどうだ?」
そうしているとリリアまで訊いてくる。俺は迷わず答えた。
「リリアもすごくよく似合っている。騎士だけじゃなくご令嬢もやれるな。リリアは」
「そうか、ありがとう」
満足げにリリアは頷く。それを見てサナが「八方美人」と先にも告げた言葉を告げる。
「いや、みんな似合っているんだから仕方がないだろ。綺麗だよ、みんな」
綺麗。その言葉に女性陣は頬を赤らめる。ふむ。本意を言っただけなのだが、なんだろう。この雰囲気は。
「アドニスが女たらしなのは分かったわ」
ナギサにまでこんなことを言われる始末。果て。女たらしだっただろうか、俺は。
「まぁ、このパーティーに招待してくれてありがとう。楽しくやっているよ。みんなの一張羅も見れたしな」
「それなら何より。私は他に挨拶しないといけない方もいるのでこれで」
そう言ってナギサは俺たちの側から去っていく。
そんな調子でパーティーは終わりを迎える。
パーティーに招かれるからどんなものかと思ったが予想以上に楽しい時間を過ごすことができた。
俺たちは来客ということもあり、あまり堅苦しい思いもせずに済んだ。
帰りのりむじんの中で俺は満足げに口にする。
「楽しいパーティーだったな」
それにみんな異論はないのか、頷く。
「ま、アドニスの八方美人っぷりも分かったけど」
「随分とトゲのある言い方だな、サナ」
「事実でしょう?」
事実も何もそのハッポウビジンという言葉の意味が分からない、いや、薄々は察しているが、みんなドレス姿は美人だったのだからしょうがない。
「みんなドレス姿は凄くよく似合っていたからな。俺にはああ言うしかないよ」
俺の言葉に女性陣は再び頬を赤らめる。ふむ。これがハッポウビジンというものか。
「ありがとうございます。アドニスさん」
「そう言ってくれると嬉しいアドニス殿」
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