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第53話:退魔の衣 その2
しおりを挟む盗賊討伐。その依頼を受けたリドリーとナナリーは共に噂の赤髪の店主の店で商品を買った身である。
リドリーの服は露出過多であるが、魔法に対し、絶対的な防御力を誇り、ナナリーの腕輪はナナリーの魔力を高め、魔法攻撃を強化してくれる。
これから行く魔法使いもいるという盗賊討伐には心強いことこの上なかった。
二人は早速、依頼を受けると、盗賊のアジトとされる場所まで向かう。
「リドリー、その服、本当に大丈夫なの?」
少し不安そうに、そして、怪訝そうにナナリーがリドリーに声をかけてくる。
当然か、とリドリーは思う。この服は実際に魔法を弾く所を見ていなければただの露出過多な服でしかない。
ナナリーの問いかけにリドリーは笑みを浮かべて答える。
「大丈夫。この服の性能は本物だから。……少し恥ずかしいけど」
少しではなくかなり恥ずかしいのだが、こう言っておいた。
そうしている内に二人は盗賊のアジトに到着する。見張りの盗賊がこちらを睨む。
「なんだてめえら」
「へへっ、いい女が二人だな」
見張りの二人の盗賊はそう言って、リドリーたちを見る。
リドリーたちはその下卑た視線に構わず強行突破の姿勢を見せる。
リドリーが剣を抜き、ナナリーは魔法を唱える準備に入る。
「やろうってのか!?」
「へっ、そんな服着やがって。誘ってるんだろう?」
盗賊たちも剣を抜く。ナナリーの火炎魔法が炸裂したのはそのすぐ後であった。赤髪の店主の店で買った魔力を高める腕輪ブースト・リングで強化された炎が二人の盗賊を焼く。
二人の盗賊は悲鳴を上げ、そこにリドリーが剣で斬り込み、二人を斬り捨てる。
「やるわね、リドリー」
「ナナリーこそ。大したものよ」
お互いに称え合い、盗賊のアジトの洞窟内に入る。中には光は届かないが松明が焚かれているようであった。
「なんだてめえらは!?」
「見張りはどうした!?」
中の盗賊たちは闖入者に反応し、それぞれ剣や斧を手に取る。
リドリーたちは構わず前に進む。そこで魔法使いの盗賊と思わしき者が魔法を唱えた。
「我が魔法を受けろ!」
火炎が放たれ、リドリーたちに襲い掛かる。リドリーはそれを全身で受けた。
「リドリー!」
思わず、と言った様子でナナリーが叫ぶが、リドリーの服は魔法を弾き、火炎を打ち消していた。
これがこの服の能力である。自分の魔法が無効化されたことが信じられないとばかりに魔法使いは再度、魔法を放つが、それもリドリーの服で無効化した。
その間にリドリーは魔法使いに接近し、剣で斬り付ける。
ナナリーも後ろから魔法で援護し、剣や斧を持った盗賊たちを攻撃する。
スピードこそリドリーの武器である。
高速で移動し、盗賊たちの剣や斧をかいくぐり、自身の剣を振るう。
これに盗賊たちは次々に斬り裂かれていく。
ナナリーの魔法も炸裂する。
相手の魔法使いは一人ではなく、集団でリドリーに対して魔法を放ったが、それらは全てリドリーの着ている服が無効化する。
その隙に接近、魔法使いを斬り倒す。
至近距離で魔法使いの一人が魔法を唱えてきた時は少しヒヤッとしたが、服はそれをも弾き、圧倒的な魔法防御の高さを見せつける。
露出過多でどうかと思うが、この服の魔法に対する力は本物だ。
それを再認識し、剣を振るい盗賊たちを倒していく。
ナナリーも後ろから援護の魔法を放ち、盗賊たちを倒す。
盗賊団は二人の少女にいいようにやられ、まるで反撃などできないでいた。そんな中、奥から一人の大男が出て来る。
「てめえら! 女の、しかも、ガキ相手に何、手間取ってやがる!」
おそらくこの大男が首領だろう。大剣を持った大男はいらだちげにこちらにやって来るとリドリーに大剣を振り下ろす。
リドリーはスピードでそれを避け、脇腹を剣で斬り裂こうとしたが、大男は軽快に下がり、リドリーの剣を回避する。
首領だけあって、そこいらの盗賊よりは強いようだ。
そう思い、リドリーは警戒して、剣を構える。
ナナリーの魔法が大男に放たれ、それに注意を引かれた隙にリドリーが斬り掛かるが、これも大男は大剣でナナリーの魔弾を落とし、リドリーの剣を受け止める。
なかなかやる。だが、リドリーはスピードを武器に戦い続けた。
大男も巨体に似合わぬスピードを見せるがスピードではリドリーが上だ。
高速で移動しながら剣を振るい、大男に傷を与えていく。
ナナリーの援護の魔法にも対処しないといけない大男は次第に焦りだし、リドリーはそこに剣を振るった。
「があ……!」
袈裟懸けに体を斬り裂かれ、大男が苦悶の声を上げる。そこに剣を突き立て大男を倒す。
「お頭がやられたー!」
「逃げろー!」
他の盗賊たちは慌てて退散していくが、逃さないとばかりにナナリーは魔法を唱え、リドリーもそちらに向かって地を蹴り、逃げ出した盗賊たちを討ち取っていく。
「このクソがああ!」
最後の抵抗とばかりに魔法使いの盗賊がリドリーの魔法を放つが、それも服に無効化され、リドリーの剣が魔法使いの盗賊を仕留める。
これにて依頼達成。盗賊団は壊滅した。
「やったわね、リドリー」
「うん。ナナリーのおかげよ」
「私は大したことはやってないわよ、リドリーのお手柄よ。その服、本当に効果があるのね」
ナナリーが感心したようにリドリーを見る。
言われていても本当にこの露出過多の服に効果があるのかは疑わしい所だったのだろう。
ともあれ、依頼達成。王都の冒険者ギルドに戻って報奨金を貰おうと思う二人であった。
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