万能のアイテム屋さん あらゆる魔物・状況に対するチート級武器防具アイテムが揃う店

和美 一

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第62話:魔眼返しの盾 その1

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 魔王の復活の前兆か、それとも既に魔王は復活したのか、魔物たちの勢いは盛んになっていた。
 様々な魔物が現れるようになり、冒険者やコーラル王国の騎士団は苦慮しながら対処に当たっていた。
 そんな中で魔眼を持つ魔物の相手に冒険者たちは手こずっていた。
 睨まれただけで体の動きが止まる。そうなれば魔物の攻撃をモロに喰らう羽目になる。
 冒険者エドガーはそのことに悩み、どんな武器防具アイテムも揃うという噂の店を訪れた所だった。
 コーラル王国王都の外れ、森に踏み入った所にその店はある。店の中に入ると、店主がエドガーを出迎えた。

「いらっしゃい」

 赤髪を肩まで垂らした店主はエドガーを笑みを浮かべて迎える。エドガーは真剣な表情で店主に要件を告げた。

「ここ最近、厄介な魔物が増えている」
「ああ、そうらしいね」
「特に魔眼を使う魔物が厄介だ。魔眼を防ぐ防具はないか?」

 エドガーの問いかけに店主は「少し待ってくれ」と言うと店の奥に引っ込んでいく。しばらくして一つの盾を持って店主は帰って来た。

「その盾は?」
「魔眼返しの盾、だ。こいつで魔眼を受け止めれば相手に反射することができる」
「それはいい」

 エドガーは鎧兜に身を包み、大剣を振るう重戦士だったので盾を持つことも苦ではない。
 早速、その盾を買うことにした。

「それをいただこう。いくらだ?」
「金貨2枚に銀貨30枚って所だね」
「分かった」

 代金を払い、魔眼返しの盾を受け取る。

「毎度あり」

 店主のその言葉を受けて、エドガーは店を後にする。
 そうして、冒険者ギルドに行くとゴーゴン退治の依頼が来ていた。
 ゴーゴンは強力な魔眼を持った魔物である。
 誰もがその依頼を避ける中、エドガーは新たに手に入れた魔眼返しの盾を試すべく、その依頼を受けた。

 ギルドの受付係に「ゴーゴンの魔眼は強力ですよ? 大丈夫ですか?」と確認されたが、今のエドガーには魔眼対策の防具がある。
 問題はない、と答え、依頼を受けて、ゴーゴンの発生地に行くと、剣を抜き魔眼返しの盾を構える。

「いるな」

 ゴーゴンたちがうようよといる。
 魔眼返しの盾無しでは命も危うい依頼であったであろう。
 だが、エドガーには魔眼返しの盾がある。早速ゴーゴンがエドガーを睨み付けてくる。しかし、エドガーは魔眼返しの盾を構えた。
 ゴーゴンの石化の魔眼が跳ね返され、ゴーゴンの体が硬直する。
 他のゴーゴンたちも魔眼を放ってきたが、それらは全て魔眼返しの盾に跳ね返され、自らが硬直した。
 その隙にエドガーは剣を抜き、ゴーゴンたちを斬り裂いていく。
 魔眼返しの盾の効力は絶大だった。新たに現れたゴーゴンたちが石化の魔眼を向けてくるも、それを魔眼返しの盾で跳ね返す。
 自らの魔眼の力を浴びたゴーゴンは硬直し、そこをすかさずエドガーは剣で斬り裂いていく。
 次々にゴーゴンを仕留め、魔眼返しの盾の力に満足する。

「この盾があればもう魔眼は恐くないな」

 満足気にそう言い、エドガーは硬直したゴーゴンたちを斬り裂いていく。
 魔眼を封じれたのであればゴーゴンは大した敵ではなかった。
 逆に言うとこの盾がなければエドガーはこのゴーゴン退治で命を落としていたかもしれないのだが。
 無数に湧いて出るゴーゴンが魔眼を向けてくるもそれらを全て魔眼返しの盾で跳ね返し、ゴーゴンたちを次々に斬り裂いていくエドガー。
 そうして、ゴーゴンたちは全滅し、エドガー一人が残った。

「全てはこの盾のおかげだな」

 魔眼返しの盾の力を実感し、満足する。
 これならこれからも魔眼を使う魔物相手の依頼を受けられる。
 そうすれば報酬で懐も潤うというものであった。魔眼返しの盾の代金などすぐに元が取れるであろう。
 エドガーは上機嫌に王都への帰路を歩く。冒険者ギルドに行き、報酬を貰おうとした時、旧知の冒険者がいることに気付いた。

「レーンか。久しぶりだな」

 それは赤髪の店主の店で守りの衣を買った冒険者レーンであった。重装備で固めたエドガーと違い、軽装で固め、身軽さをウリにしている。

「エドガーさん。お久しぶりです」
「どうした? 何か依頼を受けたいのか?」
「この依頼が気になっているんですが……」

 そう言い、レーンは一つの依頼を示す。盗賊討伐の依頼だった。だが、盗賊団の中には魔眼使いがいるという。

「魔眼使いは強敵です。俺に依頼を果たせるかどうか……」
「それなら問題ない。魔眼には俺の盾で対処できる。一緒にこの依頼を受けよう」
「本当ですか? エドガーさん?」
「ああ、任せろ。例の店で買った魔眼返しの盾がある」

 例の赤髪の店主の店。その店にはレーンも信頼を置いている。
 そうして、共に盗賊討伐の依頼を受けることにした二人であった。
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