転生して全てを手に入れたはずなのに、別の国の王子が私に一目惚れ!? しかも彼からの愛が少し重いようで...

しおむすび

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第一章

【最終回】君の自由が、俺の永遠の呪いだ

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それは、春の終わりだった。
私がこの村に移って三年目。
診療所には今日も人が集まり、畑には小麦の芽が風にそよいでいた。

もう私は、聖女ではない。
王宮にも、王子にも、何者にも属さない。
ただの一人の人間、リュシア・カレディアとして、生きていた。

その日も、いつもと同じだった。

……少なくとも、彼が現れるまでは。

「……久しぶりですね」

あの声は、何年経っても、忘れられない。

振り向いた先にいたのは、
——アルベルト・ヴェイスだった。

髪はやや伸び、鎧も剣もない。
旅人のような姿。それでも、彼の目だけは変わらなかった。

「どうしてここに?」

「“百年後にまた問わせてくれ”と言ったが、三年しか待てませんでした」

私は苦笑した。

「あなたらしいわ」

「……世界を巡りました。戦争を止め、国を捨て、名を捨てて。
 でも、どれだけ“世界”を得ても、“あなたがいない世界”は、空っぽでした」

彼は静かに言った。

「君が自由を選んだあの日、私はようやく気づいたんです。
 君のその眩しさは、誰かの所有物になんて、決してなれない」

「……」

「けれど、君が自由である限り、私は——永遠に“君の外側”にいる運命なんだと」

その言葉に、私ははっと息をのんだ。

「君の自由が、俺の永遠の呪いだ」

彼の瞳が、私を射抜く。

「それでも、こうして君を見つめていられるなら、
 その呪いすら、喜んで受け入れる」

私の中の何かが、静かに崩れた。

傷つけたくなかった。誰も、何も、もう壊したくなかった。
でも——この人は、壊れてもいいと言った。
私の自由の、その代償になることを、望んだ。

「……私は、あなたを選ばない」

「知ってます」

「でも、もう“選ばない理由”を持ち続けるのが、苦しい」

「……」

「ずっと、寂しかったの。誰のものにもならないことが、誇りだった。
 でもそれは、どこかで“愛される価値がない”と思い込んでたから」

彼が、私の手に触れた。
もう震えもせず、奪いもせず、ただ静かに。

「なら今、改めて問わせてください。
 これは恋ではなく、呪いではなく、運命でもなく。
 君の自由が君のままの、始まりとして——私の隣に来てくれませんか」

私は、答えなかった。

ただ、その手を……離さなかった。

それが答えになると、彼は知っていた。




数週間後、小さな村でひっそりと結婚式が行われた。
教会の鐘の音も、祝福の花もなかったけれど。

私の人生は、誰かのものではない。
でも、私の隣には、**“一緒に歩いてくれる人”**がいた。

一それで、もう十分だった。一
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