前世で推してた悪役が、転生後の私を溺愛してくる件。

しおむすび

文字の大きさ
3 / 11

本来のヒロインとついに遭遇!? フラグ回避できるのか!?

しおりを挟む
舞踏会の日がやってきた。

私、ソフィア・アーデン。モブ貴族の娘でありながら、ジークフリート様から直々に「パートナーとして同伴を」と求められた結果、断り切れず舞踏会に出席することになってしまった。

──これ、ゲームだと本来のヒロインが“運命的に”ジーク様と出会う場所なんだけど、大丈夫?

「ソフィア、お前には私の隣に立つ資格がある。堂々としていろ」

ジーク様の腕にそっと手を添えながら、私は内心ぐらぐらだった。推しにそんなこと言われたら、こっちは溶けるしかない。

けれど、それは“彼女”の登場によって破られる。

「……あら? その方は……」

透き通る金髪、吸い込まれるような碧眼、完璧すぎる笑顔。
──アリア・リュシエンヌ。ゲームのヒロインにして、聖女の素質を持つ平民出身の少女。

「あ、あの……初めまして、アリアと申します。ジークフリート様にお招きいただいて……」

──は!?
いや、待って。おかしくない? ゲームでは“偶然出会う”はずじゃなかった!?
もうフラグ、へし折られてる!?

「……申し訳ないが、私は誰にも招待状を送っていない」

ジーク様、即答!? 塩対応!?

アリアは驚いたように一瞬だけ目を見開いたけれど、すぐに表情を戻して微笑んだ。

「きっと、何かの手違いですね。偶然、ここに来られたのも……きっと運命かもしれません」

出た、ヒロイン特有のポジティブ変換。

でも、私にはわかる。この子、ゲームより腹黒属性が強めになってる……!

「ソフィア嬢。何かあれば、私の後ろにいればいい」

そう耳打ちしてきたジーク様の声が、やけに低くて、静かで──ほんの少しだけ、怒っていた。

もしかしてジーク様……アリアのこと、もう“危険人物”として見てる?

ゲームだとあんなに執着してたのに!? いや、これ絶対ルート変わってるって!

こうして、ヒロイン vs モブ娘(の皮をかぶった元オタク)の不穏な関係が始まった。

私は、推しを守りたい。今度こそ、あの悲しい結末にはさせない。

……でもその前に、まずはこの溺愛の波をどうにかしてくれませんか、ジーク様。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

わたし、不正なんて一切しておりませんけど!!

頭フェアリータイプ
ファンタジー
書類偽装の罪でヒーローに断罪されるはずの侍女に転生したことに就職初日に気がついた!断罪なんてされてたまるか!!!

働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』

鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。 だからこそ転生後に誓った―― 「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。 気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。 「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」 ――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。 なぜか気づけば、 ・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変 ・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功 ・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす ・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末 「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」 自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、 “やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。 一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、 実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。 「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」 働かないつもりだった貴族夫人が、 自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。 これは、 何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。

処理中です...