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9.そして俺は決意した
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俯き黙りこくった俺に心配そうな視線を向けるマナにゆっくり向き直る。
「……なぁ、マナ」
「な、なに?」
「俺を、元の世界に戻せるか?」
俺の質問にマナは息を飲む。
まだ短い付き合いだが、彼女は本当に分かりやすいな。
マナが答える前に答えに辿り着いた俺は先に解答してみせる。
「前例はない、か」
「……うん。召喚された召喚獣が元の世界に戻ったって話は聞いた事がない」
「そうか……なら、俺が帰るのを手伝ってくれ」
「え!?」
マナが驚くのも無理はない。たった今『元の世界には戻れない』と答えたばかりなのだから。
その言い分を言い出しそうなマナの言葉を遮り、俺は自分の要望を押し通す。
「『戻った話は聞かない』だろ? でもそれは『元の世界には戻れない』とは同義じゃない。
まだ誰も達成できてないだけなら、俺らでやってやろうぜ」
「で、でも、そんなのどうやって」
「それはこれから調べてく。俺が思うにマナはそこそこ召喚に関して知識があるだろ?」
「ぅえっ!? そ、それほどでも」
マナは照れくさそうに頭をかく。褒めたつもりはないんだけど……謙遜してる場合ではないのだよ、だって君にはこれから俺を元の世界に戻すという大役をしてもらうのだから。
「マナ、君には俺をこの世界に召喚した責任がある。
そして俺の特異スキルがあまり有用でないと分かった今、俺をこの世界に留める価値は無い」
「そんな事はっ」
「いいんだ、別にそれは。いや、だからこそだよ、無益な存在である俺を元に戻す必要がある、そうだろ?」
「そう……なの?」
「そういう事にしといてよ」
「でも私なんかが……」
「マナにしかできないよ、だって俺を召喚したのは誰さ? 他でもない、君だ。
マナ、君ならできる。俺はそう信じる」
「ライ……そこまで言うなら、分かった。
召喚士メディファ・マナの名にかけてライを元の世界に戻すと約束します!」
存外簡単に丸め込まれる召喚士が少し心配になるが、まあ俺にとっては扱いやすくてありがたい事だ。
別に騙してる訳でも悪い事してる訳でもないし。
さてこうして俺のこの異世界での目的は決まった訳だ。
召喚とか特異スキルとか俺の知らない常識を超えた事ばかりだけど、どうにか生き抜いて元の世界に戻るぞ!
ついでに異世界観光も悪くないよな、と新しい世界にワクワクしている気持ちもある。
さぁ、どんな世界が待ってるのか。
期待を胸に俺は外への一歩を踏み出すのだった。
「……なぁ、マナ」
「な、なに?」
「俺を、元の世界に戻せるか?」
俺の質問にマナは息を飲む。
まだ短い付き合いだが、彼女は本当に分かりやすいな。
マナが答える前に答えに辿り着いた俺は先に解答してみせる。
「前例はない、か」
「……うん。召喚された召喚獣が元の世界に戻ったって話は聞いた事がない」
「そうか……なら、俺が帰るのを手伝ってくれ」
「え!?」
マナが驚くのも無理はない。たった今『元の世界には戻れない』と答えたばかりなのだから。
その言い分を言い出しそうなマナの言葉を遮り、俺は自分の要望を押し通す。
「『戻った話は聞かない』だろ? でもそれは『元の世界には戻れない』とは同義じゃない。
まだ誰も達成できてないだけなら、俺らでやってやろうぜ」
「で、でも、そんなのどうやって」
「それはこれから調べてく。俺が思うにマナはそこそこ召喚に関して知識があるだろ?」
「ぅえっ!? そ、それほどでも」
マナは照れくさそうに頭をかく。褒めたつもりはないんだけど……謙遜してる場合ではないのだよ、だって君にはこれから俺を元の世界に戻すという大役をしてもらうのだから。
「マナ、君には俺をこの世界に召喚した責任がある。
そして俺の特異スキルがあまり有用でないと分かった今、俺をこの世界に留める価値は無い」
「そんな事はっ」
「いいんだ、別にそれは。いや、だからこそだよ、無益な存在である俺を元に戻す必要がある、そうだろ?」
「そう……なの?」
「そういう事にしといてよ」
「でも私なんかが……」
「マナにしかできないよ、だって俺を召喚したのは誰さ? 他でもない、君だ。
マナ、君ならできる。俺はそう信じる」
「ライ……そこまで言うなら、分かった。
召喚士メディファ・マナの名にかけてライを元の世界に戻すと約束します!」
存外簡単に丸め込まれる召喚士が少し心配になるが、まあ俺にとっては扱いやすくてありがたい事だ。
別に騙してる訳でも悪い事してる訳でもないし。
さてこうして俺のこの異世界での目的は決まった訳だ。
召喚とか特異スキルとか俺の知らない常識を超えた事ばかりだけど、どうにか生き抜いて元の世界に戻るぞ!
ついでに異世界観光も悪くないよな、と新しい世界にワクワクしている気持ちもある。
さぁ、どんな世界が待ってるのか。
期待を胸に俺は外への一歩を踏み出すのだった。
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