悪質フェイク画像被害者・ソフトボール部舞華

写真

ある夜のこと。

クラス内の、愛華は参加していないとあるグループトークに、一枚の写真が投稿された。

『なあ、これ沖田じゃね？』

それは、舞華が裸の男の前に跪き、満面の笑みで股間をシゴいている写真だった。

『え、マジで？』
『沖田じゃん』
『相手おっさんだよな……』
『他に写真ないの？』

時刻は23時頃であるにも関わらず、それを見たクラスメイト達は次々と反応を示していく。
女子達は反応はしないまでも、誰かが投稿する度に一瞬で全員の既読が付くため、大きな興味を煽られているのが伺える。

『あと何枚かある』

きっかけを作ったその男子生徒が、画像元のURLと共に残りの写真を全て投稿した。

『盗撮サイトとかほんとにあるんだ』
『でもうちの生徒はほかにはないね』
『○○とかのはないのかな』

グループトーク上では、特にそれが大して大きな出来事ではないように会話が展開されたが、もちろんそれは各々の表面上の話だった。

男子はその夜、ほとんどの者が舞華を妄想の中で野蛮に扱い、女子は表向き舞華に同情しながらも、特に何か行動しとうという者はいなかった。

その頃舞華は自分の身に降り掛かった受難にまだ気付く事無く、グローブの手入れに勤しんでいた。