ボクと俺のスクールライフ

チロル

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ボクと俺と初祭りと

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『6:00集合な』って言ってたあいつがまだ来ない。山名さんと桜井さんは着付けらしく遅れるとは聞いてたからいいとして和は何してんだろ。

ブーブー
『たこ焼きの屋台で待っとるで』

はぁ…仕方ない。行くか
とりあえず桜井さんにメールを__
「あき。こっちこっち!」
「やぁ。橘くん」

!?

「おーい。あき?うわ、こいつ固まっとるやん」

なんとなく状況は理解した。和は店の手伝いをやらさせてる感じか。それで俺を呼んだと。するとそこには天使がいたと。

「あき~。なんかないんか?おめかししてきてくれた彼女さんにほら一言」

こいつのノリはほんとおっさんみたいな時があるよな。

「き、綺麗です」
「ありがと…」
「はいはい。いちゃつくのは後にして回るわよ」
「そうやそうや」

お前がやらせたんやろが!

「あ、ごめんね真紀」
「すいません」
「山名さんも似合ってるで」
「あらどうも」

この二人の関係がよく分からん。友達という割には仲良いけど恋人?ではないらしいし。ほんとよく分からん。

「あの二人ほんと仲良いよね」
「ですよね。急に仲良くなりましたよね」
「ボクあの二人が付き合ってるんじゃないかとか思ってるんだけど」
「俺も思ってました!ただ、本人たちに聞いても答えてくれませんからね」
「どうやって口を割らそうか」

「うっうぅぅ…あきのやつ二人きりでも普通に話せるようになって」
「親御さんかな?」
「距離もだいぶ近くなって孫の顔見れる日もそう遠くなさそうやなぁ」
「君良い父親になるよ」
「そうかぁー?なんか照れるなぁ」
「あの二人はもう夏祭り満喫してそうだし私たちも楽しみますか」
「せやな。せっかく来たんやし楽しんで帰ろ」

二時間後__
「いやぁ。遊んだ遊んだ。受験生やのにこんなに遊んだら罪悪感あるなぁ」
「たまには良いんじゃない?良い息抜きになったしまた明日から勉強ね!」
「はぁ…もう嫌やわ。あ、物理また分からんとこあんねんけど教えてもらってもええ?」
「良いわよ。時間が空いてる時連絡するわ」
「頼んます。もう山名さんだけが頼りや」
「その代わりテストが終わったら狩り徹夜で手伝ってもらうからね」
「よしきた。それはそうとあきが10分前に来てないってなんかあったんか?事故か?110番か?」
「うん。そこまで心配性のお父さんは逆にうざいかもね」
「ひどないか?まぁそれもそうやな。もう少し待つか」
「あ、もう来てたんだ」
「楽しんだかー?」
「うん。おかげさまで」
「和たちも楽しめた?」
「もちや!」
「楽しかったわよ」
「お!そろそろ始まるで」
「綺麗だね」
「ですね」
「そこは君の方が綺麗だよ!っていうところやろ!」
「まだこの二人には難易度高いかしら」
「ほっとけ!」
「あらもう終わりかしら?」
「いやまだスターマインがあるで。ここからが本番といっても過言ではない」
「詳しいな」
「まぁな。久しぶりやからな。ちょいと調べてきたわ」
「さすが。和のそういうとこは素直にすごいと思うよ」
「やめぇや。気恥ずかしいやろ」
「終わったわね」
「よし帰ろか」
「そうだね」
「あきは桜井さん家まで送ってけよ!」
「もちろん。そのつもりだよ」

スタスタスタ__
「なんか大きなった気がするなぁ」
「はいはい。帰るわよお父さん」
「うん」

30分前__
「まだ二人はついてないみたいですね」
「だね。どうする?ここで待つ?」
「そうしますか」
「ボク祭りなんて初めてだよ」
「え!そうなんですか!」
「小さい頃は体弱かったし中学生になってからは部活漬けでね。機会がなかったら来ることもなかったかもね」
「それじゃあ今日は初お祭りだったんですね。楽しんでいただけましたか?」
「もちろん。来年もまた来たいなって思ったよ」
「なら来ましょう。来年も再来年も」
「いいの?来年も再来年も恋人でいてくれるってことになるよ?」
「それは喜んでですよ!逆に俺なんかでいいんですか?」

「え…」
「ほ、ボクも君とないいな」

「ち、ちょっと涼んでから行こっか」
「そ、そうですね」

こうして無事(?)夏祭りも終了。
ここからテストまではあっという間。勉強は大丈夫なのか!?


口と口 重ねて知った 暖かさ
                橘照史
(なんかちょっとエロ○…)


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