1 / 4
ゾンビトリップ
しおりを挟む
「ほわぁ」
あくびをしながら高校に向かう。今日も面倒な授業を聞きながら、ノートに黒板の文字を手動でコピペの作業。あー考えるだけで嫌になる。
なによりも、0限目、これが一番だるい。なんで7時30分という朝っぱらから重たい荷物を運んで頭を回さないといけないんだ。
中学のときに憧れをはせていた高校ライフは桜が散る前に曇ってしまった。
「なにか面白いことねえかな」
なんとなしに、路地裏の方に目がいった。いつも猫がたむろっていて目の保養になる通学路の癒しポイントだ。
だが、今日は違った。
!?!?
路地裏には猫の肉が飛び散っていた。そして、奥の暗闇から、物音が聞こえてきた。この状況に吐き気がこみあげてきた。だが、好奇心が湧いてしまった。この奥の影に何がいるのか。この原因があるのではないか。と
ごくりと生唾を飲み込み血の水たまりへ踏み出す。校則指定の真っ白い靴が赤く染まる。気にしていてもしかたない、後で洗えばいい。
ちゃぷりちゃぷりと前に進み続ける。やがて、終着点が見えて来た。そして、音の正体が姿を見せた。
ぐちゃりぐちゃりと猫の肉を食べている人だった。服は着ていなくて、ありえないくらいの青白い肌をしていた。それはテレビで見たことがある死人のようだ。
それは、こちらの気配に気が付き、振り向いた。
「っ!?」
顔中血だらけで、目に正気は宿っていない。死んでいる…ありえないがゾンビだ。
俺は咄嗟に踵を返して逃げ出そうとした。だが、恐怖で足がもつれ血の水だまりにダイブした。
「ひっひぃぃぃぃ」
ゾンビがのそのそとゆっくりとこちらに近づいてくる。立ち上がろうにも足に力が入らない。腰が抜けたのだ。
俺の人生で何が悪かったらこんな目に合うんだ。宿題は毎日やっているし、欠席遅刻は一回もしたことはない。高校にも進学した。彼女は…委員会活動も進んで取り組んだ。
俺の脳裏に数々の思い出が駆け巡る。これが走馬灯ってやつか。あぁ運動会頑張ったな、運動部の連中をギャフンって言わせたなぁ。
首をガブリと噛まれた。俺の人生はここで終わった。
***
「ここは…痛っ」
とにかく狭い、体がギチギチに詰められているようだ。
「よいしょっと」
腕を上に伸ばしてみた。蓋かな動いたぞ。横にスライドしてみた。開いたのもつかの間、土が雪崩れてきた。
人生で初めて土を水泳することになるとは
***
「あーぷはー」
どうにかこうにか地上にでることができた。土が今ふっている雨のお陰で湿って掘り易かった。外の空気が美味しい。土の中とは段違いだ。
ん?
俺の目の前で豪勢なドレスを着た夫人が気絶していた。まぁ急に土から出たら驚くよね。雨がふっていない屋根がある場所まで運んであげるか。こんなところで寝ていると風をひいてしまう。
…おいしそう、夫人の白いくじ筋が俺の食欲を誘ってきた、どうゆことか。駄目だ、どうしようもなく食べたい。誰もいないから、ちょっとだけ舐めるだけでいいよね。
***
やっちまった。
俺の前に夫人だった服と骨があった。全部おいしく食べてしまった。人間の生肉ってこんなにおいしかったんだ。
ってこの残骸どうするんだよ。服だけでも俺が出て来た土の所に埋めるか。
服を持ったらコロッと宝石が転げ落ちた。いいもの持ってるじゃん。高く売れそうなものだけを剥いだ。
「おい、てめえなにやってんだ!!」
つなぎを来た男に怒声を浴びせられた。ふっくらと脂がのってうまそうな見た目をしている。夫人を食べただけでは物足りなかった。
「いっただきっまーす!!」
「ひぃいいい」
怯えた男はこちらにむかって、なんと火球を飛ばしてきた。
「あっつい!!」
体が燃えるように熱…くなかった。なんだ、手品かなんかか。
「ひぃぃぃぃぃぃ」
男は更に怯えて駆け足で逃げて行った。待ってくれよごちそう君。こう見えて、俺はクラスで1位2位を争うスピードを持っている。ふとっちょに追いつくなんて楽勝だ。
うん、楽勝だった。あっというまに追いついた。俺は、男に飛びかかり、押し倒した。炎は雨で消えてしまった。折角焼いて食べようと思ったのに。
「離れろっ!!」
男は必至の抵抗で俺を引き離そうとする。鬱陶しいな。俺は、男の右手に噛みついた。
「うっわぁぁ」
悲鳴をあげ、俺を蹴飛ばした。俺はごろごろと転がり墓石に頭をぶつけた。男は逃げてしまった。折角食べれると思ったのに。
!?
水面に俺の顔が映っている。服はボロボロのを着て、全身に返り血を浴びて真っ赤になっている。
そして、肌は死人のように真っ白になっている。
これはあれだな。瞬時に解が見つかった。
ゾンビになっちまった。
あくびをしながら高校に向かう。今日も面倒な授業を聞きながら、ノートに黒板の文字を手動でコピペの作業。あー考えるだけで嫌になる。
なによりも、0限目、これが一番だるい。なんで7時30分という朝っぱらから重たい荷物を運んで頭を回さないといけないんだ。
中学のときに憧れをはせていた高校ライフは桜が散る前に曇ってしまった。
「なにか面白いことねえかな」
なんとなしに、路地裏の方に目がいった。いつも猫がたむろっていて目の保養になる通学路の癒しポイントだ。
だが、今日は違った。
!?!?
路地裏には猫の肉が飛び散っていた。そして、奥の暗闇から、物音が聞こえてきた。この状況に吐き気がこみあげてきた。だが、好奇心が湧いてしまった。この奥の影に何がいるのか。この原因があるのではないか。と
ごくりと生唾を飲み込み血の水たまりへ踏み出す。校則指定の真っ白い靴が赤く染まる。気にしていてもしかたない、後で洗えばいい。
ちゃぷりちゃぷりと前に進み続ける。やがて、終着点が見えて来た。そして、音の正体が姿を見せた。
ぐちゃりぐちゃりと猫の肉を食べている人だった。服は着ていなくて、ありえないくらいの青白い肌をしていた。それはテレビで見たことがある死人のようだ。
それは、こちらの気配に気が付き、振り向いた。
「っ!?」
顔中血だらけで、目に正気は宿っていない。死んでいる…ありえないがゾンビだ。
俺は咄嗟に踵を返して逃げ出そうとした。だが、恐怖で足がもつれ血の水だまりにダイブした。
「ひっひぃぃぃぃ」
ゾンビがのそのそとゆっくりとこちらに近づいてくる。立ち上がろうにも足に力が入らない。腰が抜けたのだ。
俺の人生で何が悪かったらこんな目に合うんだ。宿題は毎日やっているし、欠席遅刻は一回もしたことはない。高校にも進学した。彼女は…委員会活動も進んで取り組んだ。
俺の脳裏に数々の思い出が駆け巡る。これが走馬灯ってやつか。あぁ運動会頑張ったな、運動部の連中をギャフンって言わせたなぁ。
首をガブリと噛まれた。俺の人生はここで終わった。
***
「ここは…痛っ」
とにかく狭い、体がギチギチに詰められているようだ。
「よいしょっと」
腕を上に伸ばしてみた。蓋かな動いたぞ。横にスライドしてみた。開いたのもつかの間、土が雪崩れてきた。
人生で初めて土を水泳することになるとは
***
「あーぷはー」
どうにかこうにか地上にでることができた。土が今ふっている雨のお陰で湿って掘り易かった。外の空気が美味しい。土の中とは段違いだ。
ん?
俺の目の前で豪勢なドレスを着た夫人が気絶していた。まぁ急に土から出たら驚くよね。雨がふっていない屋根がある場所まで運んであげるか。こんなところで寝ていると風をひいてしまう。
…おいしそう、夫人の白いくじ筋が俺の食欲を誘ってきた、どうゆことか。駄目だ、どうしようもなく食べたい。誰もいないから、ちょっとだけ舐めるだけでいいよね。
***
やっちまった。
俺の前に夫人だった服と骨があった。全部おいしく食べてしまった。人間の生肉ってこんなにおいしかったんだ。
ってこの残骸どうするんだよ。服だけでも俺が出て来た土の所に埋めるか。
服を持ったらコロッと宝石が転げ落ちた。いいもの持ってるじゃん。高く売れそうなものだけを剥いだ。
「おい、てめえなにやってんだ!!」
つなぎを来た男に怒声を浴びせられた。ふっくらと脂がのってうまそうな見た目をしている。夫人を食べただけでは物足りなかった。
「いっただきっまーす!!」
「ひぃいいい」
怯えた男はこちらにむかって、なんと火球を飛ばしてきた。
「あっつい!!」
体が燃えるように熱…くなかった。なんだ、手品かなんかか。
「ひぃぃぃぃぃぃ」
男は更に怯えて駆け足で逃げて行った。待ってくれよごちそう君。こう見えて、俺はクラスで1位2位を争うスピードを持っている。ふとっちょに追いつくなんて楽勝だ。
うん、楽勝だった。あっというまに追いついた。俺は、男に飛びかかり、押し倒した。炎は雨で消えてしまった。折角焼いて食べようと思ったのに。
「離れろっ!!」
男は必至の抵抗で俺を引き離そうとする。鬱陶しいな。俺は、男の右手に噛みついた。
「うっわぁぁ」
悲鳴をあげ、俺を蹴飛ばした。俺はごろごろと転がり墓石に頭をぶつけた。男は逃げてしまった。折角食べれると思ったのに。
!?
水面に俺の顔が映っている。服はボロボロのを着て、全身に返り血を浴びて真っ赤になっている。
そして、肌は死人のように真っ白になっている。
これはあれだな。瞬時に解が見つかった。
ゾンビになっちまった。
0
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる