136 / 197
短めな話
緋色のお嬢様の優雅な午後
しおりを挟む*いつもの2人不在
*オルノ(吸血鬼兄)とスカル(合法ロリ吸血鬼)
*ちょいNL気味、だめなひとブラウザバック
Side:スカーレット
「オルノ」
「ん?なんだい」
髪も目も綺麗で整った顔立ちの中にまだ大人未満といった未完成さを残す......
そんな私の下僕が振り返った。
「特になんでもないのよ。......そういえば、シルフは元気にしてるかしら」
見かけは極めてそっくりな双子の弟が頭に浮かぶ。彼は私たちとは離れて暮らして久しいが、今はそう......
「僕が行くと必ずあの悪魔がいて、めちゃくちゃ睨むんだよー。しこたま嫌われてるからさぁ」
綺麗な顔が眉間に皺を寄せてため息をつく。
「ふふ」
そう、弟のシルフは悪魔の男の子と仲良しなのよね。前に見に行ったとき、微笑ましかったわ。
私はしばしあの仲の良い吸血鬼と悪魔に想いを馳せたが、視線に気づいて顔を上げた。
さっきまで悪態をついていたオルノがまっすぐこちらを見ていた。私もまた彼を観察し始めてしまう。
......その丁度いい時期に止まってくれて良かったと思うわ。吸血鬼になったおかげで......。あなたには悪いけど。あとはさっきみたいにぶうぶう文句を言ったりふざけたりしないでくれれば完璧ね。こうやって喋らないでいる方が......実はその、何かに集中している表情が一番良いのよ。
......自覚はないようだけど。
「あなた、何見てるのよ」
オルノは途端にはっとして面食らった顔になった。
Side:オルノ
スカルちゃんは本当に僕の自慢の姫さまだ。急に黙って僕の顔をガン見し始めた彼女に、僕もつい魅入ってしまっている。
......たまに見せる見た目年齢十歳とは思えないその眼差しに射すくめられてみたい。
そうそう、本当に大人っていうんじゃダメなんだよな。君は幼くありながら永い年月を生きてきたからこそ完成された美をもつ......。なんて尊い生き物なんだ。
君はいつだって君の美しさと可愛さを僕に見せてくれる。僕に課せられた義務は君の美しさをずっと守ることだね。
「何見てるのよ」
急に、覗きをしていたのがバレたかのような声が飛んできた。君に見惚れちゃってたんだよ、なんて言っても信じてもらえないか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
62
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる