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アカイロ -さなの赤-
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あのあかいはこには、なにがはいっていたのかな。
とてもあかくてきれいだったから、みたかったんだよ、なにがなかにはいっているか。
でも、ママはだめだって。なんどもみたいみたいって、どうしてもみたいのっておねがいしたのに、もうおうちにかえるじかんだからだめって、ごはんしなきゃもうすぐぱぱがかえってくるからだめって、さなのてをぐってつよくひっぱっておうちにかえってきちゃったの。
でもとってもきになったの、だってあのはこ、なっちゃんがもってるはことおなじいろをしてたんだもん。
なっちゃんのはこはね、あれよりもっとちいさいんだけど、わんちゃんのついたたおるとか、さなのよりたくさんいろんないろがはいったくれぱすとかがはいってるんだよ。それにね、そこにはときどきおほしさまのかたちをしたちょこれーともはいってるの。ほんとうはようちえんにもっていったらせんせいにおこられるんだけど、なっちゃんちょこれーとだいすきだから、おばあちゃんにちょこれーとをもらうとき、こっそりあかいはこにもいれてもらうんだって。
なっちゃんのおばあちゃんはすっごくやさしいの。まえにこんにちはってしたとき、さなにもちょこれーとかってくれたんだよ。いいな、さなのおばあちゃんもいっしょにすんでくれたらいいのに。そしたらきっとまいにちちょこれーとをかってくれるとおもうんだ。そしたらね、さなもなっちゃんみたいにとくべつなはこをつくって、ちょこれーといっぱいいれておくんだ。それでね、ようちえんでなっちゃんといっしょにたべるの。なっちゃんとさなだけのひみつにするんだ。
さなのはこも、なっちゃんとおなじあかいろにするんだよ。だってなっちゃんのはことってもきれいなんだもん。ままのつけてるおけしょうのいろよりきれいなんだよ。まっかなあまいいちごとおなじくらいあかいかもしれない。
ねぇ、うさちゃん、うさちゃんもみたいよね?なっちゃんのあかいはこはなっちゃんのとこにいかないとみえないけど、さっきおうちのしたにあったはこもおなじいろだったんだよ。なっちゃんのとおなじくらい、きれいなあかいろだったの。あのはこだったらきっとここからみれるよ。ちょっとまっててね。さながうさちゃんにもみせてあげるからね。ちょっとまっててね。よいしょっと・・・
夕飯の支度をするからいい子でうさぎさんと遊んでてね。
さなの母親はそう言って夕飯の支度にとりかかった。それからまもなく、閉めてあった筈の窓の外から大きな悲鳴が聞こえ、驚いてベランダからマンションの階下を見下ろす。そこには、白いうさぎのぬいぐるみを右手につかんだままのさなが、エントランス前の地面に真っ赤な血を広げ、横たわっていた。
とてもあかくてきれいだったから、みたかったんだよ、なにがなかにはいっているか。
でも、ママはだめだって。なんどもみたいみたいって、どうしてもみたいのっておねがいしたのに、もうおうちにかえるじかんだからだめって、ごはんしなきゃもうすぐぱぱがかえってくるからだめって、さなのてをぐってつよくひっぱっておうちにかえってきちゃったの。
でもとってもきになったの、だってあのはこ、なっちゃんがもってるはことおなじいろをしてたんだもん。
なっちゃんのはこはね、あれよりもっとちいさいんだけど、わんちゃんのついたたおるとか、さなのよりたくさんいろんないろがはいったくれぱすとかがはいってるんだよ。それにね、そこにはときどきおほしさまのかたちをしたちょこれーともはいってるの。ほんとうはようちえんにもっていったらせんせいにおこられるんだけど、なっちゃんちょこれーとだいすきだから、おばあちゃんにちょこれーとをもらうとき、こっそりあかいはこにもいれてもらうんだって。
なっちゃんのおばあちゃんはすっごくやさしいの。まえにこんにちはってしたとき、さなにもちょこれーとかってくれたんだよ。いいな、さなのおばあちゃんもいっしょにすんでくれたらいいのに。そしたらきっとまいにちちょこれーとをかってくれるとおもうんだ。そしたらね、さなもなっちゃんみたいにとくべつなはこをつくって、ちょこれーといっぱいいれておくんだ。それでね、ようちえんでなっちゃんといっしょにたべるの。なっちゃんとさなだけのひみつにするんだ。
さなのはこも、なっちゃんとおなじあかいろにするんだよ。だってなっちゃんのはことってもきれいなんだもん。ままのつけてるおけしょうのいろよりきれいなんだよ。まっかなあまいいちごとおなじくらいあかいかもしれない。
ねぇ、うさちゃん、うさちゃんもみたいよね?なっちゃんのあかいはこはなっちゃんのとこにいかないとみえないけど、さっきおうちのしたにあったはこもおなじいろだったんだよ。なっちゃんのとおなじくらい、きれいなあかいろだったの。あのはこだったらきっとここからみれるよ。ちょっとまっててね。さながうさちゃんにもみせてあげるからね。ちょっとまっててね。よいしょっと・・・
夕飯の支度をするからいい子でうさぎさんと遊んでてね。
さなの母親はそう言って夕飯の支度にとりかかった。それからまもなく、閉めてあった筈の窓の外から大きな悲鳴が聞こえ、驚いてベランダからマンションの階下を見下ろす。そこには、白いうさぎのぬいぐるみを右手につかんだままのさなが、エントランス前の地面に真っ赤な血を広げ、横たわっていた。
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