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御子誕生編
回避できなかった……!
渓谷で時間を食うこともなく、俺たちは順調に進んでいた。
他の班の生徒たちと会わないのは、俺が正規の道をほぼ通っていないからだと思う。
たまに森に入っていく剛の者もいるらしいけれど、多分俺たちの学年にはそこまでの人いないよね。セドリック君はやりそうだけど、責任感がすごく強い人だからこういう時に班のメンバーを危険な目に合わせることはないだろうし。
ミラ妃殿下は突っ込んでいっても不思議じゃないけど。
そんなこんなで、もうすぐゴールにたどり着く、というところで、他の班とばったり会った。
三年生の班で、セルジオ先輩が率いていた。
「わーアルバ様だ。え、早くない? 俺達一番前独走してたはずなんだけど」
セルジオ先輩が首をひねる。 そして、コレット嬢に気付いたのか、よ、と手を挙げた。
「なんだ、コレットはアルバ様の班だったんだ。どうだった? アルバ様すげえ? いいなあ、羨ましい」
「う、羨ましい……? お兄様何言ってるの?」
コレット嬢がセルジオ先輩の言葉に困惑している。そうだよねえ。すっごく抜けたい班なのにお兄さんが羨ましいだなんて。
「ゴールはあの坂を超えたところだから、一緒に行く? それとも競争?」
「競争はやめておきますね。ちょっとこの坂道を走ると心臓が破裂しそうで」
セルジオ先輩の言葉に、俺は断りを入れた。走れない。もう走れないよ。スタミナゼロだよ。あのアプリの兄様達、ずっと森の中を走破していたけれどどれだけ体力お化けだったの。強くてきれいで体力もあって頭もいいなんて、兄様もう全方位完璧だよね。
なんとはなしに二班で進み始める。
セルジオ先輩の班も一年生は女子生徒だったらしく、コレット嬢に手を振ってから、リリーアン嬢から目を逸らしている。
それにしてもこれはすごい。つらいだろうなあ。
「リリーアン、疲れてないか?」
「大丈夫です。それにしてもフレッド先輩の魔法、制御が本当に上手ですね。トミィ先輩の魔法の威力もすごい」
「ありがと。炎だとなかなか思う存分魔法を打てないから今日はちょっとすっきりした」
市井同士で話は弾んでいて、一年生女子たちの視線は気にしていないようなのが救いだけど。
「アルバ様は疲れてるなら俺背負っちゃいますよ?」
セルジオ先輩の軽口にほっとしながら首を振る。
本当はすでに膝がくがくなんだけど、ここで一人だけ泣き言をいうわけにはいかないからね。
そう思っていたのに、足元の小石に躓いた。
「うわっ」
転びそうになったところをセルジオ先輩が支えてくれて事なきを得る……はずが、セルジオ先輩の手につかまった瞬間目の前に映像が現れた。やばい、刻魔法、発動した。
——俺に手を貸してくれるセルジオ先輩の隣でフレッド君が心配そうに俺を覗き込んでいて、その後ろには——
これ、やばいやつだ。
と思った瞬間、口に飴が突っ込まれた。
フレッド君が飴を突っ込んでくれたらしい。
顔を上げたその瞬間が、今ちょうど視たシーンと一致した。とっさに防御魔術陣を取り出そうとポケットに手を突っ込んだけれど間に合わず、魔物が大きな体を俊敏に捻って爪を繰り出した。
「アルバ様……っ!」
フレッド君に抱き込まれて、目の前が見えなくなる。と同時にフレッド君の身体からどしんという振動が伝わった。
「ぐ……っ」
フレッド君の苦しそうな声が聞こえた。一歩遅れて、フレッド君の前に防御の魔術陣が発動する。くそ、遅い!
二撃目の爪はセルジオ先輩が剣ではじき、その隙に三年生たちとランド君たちが飛び出していく。
「フレッド君……っ、だいじょう……ぶ……」
このままでは俺何もできない、とフレッド君の身体に手を添えたら、指にぬるっとした感触がついた。
これは、もしかして。ざっと血の気が引く。
「フレッド君! 怪我をして……っ! 光よ! 背中の傷を! 修復して……っ!」
叫ぶように光魔法の詠唱を唱える。
——回避できなかった、ルフト君の見たフレッド君が俺を庇うシーン。
「フレッド君! 光よ!」
何度唱えても、魔法が発動しない。
ああ、今飴を舐めちゃったから!
こんな大事な時に肝心の治癒魔法が使えないなんて……!
ペッと飴を口から放り出したところで、詠唱が聞こえてきた。
「水よ、背中の傷を癒して——」
フレッド君に抱きかかえられたまま身動きが取れずにいると、リリーアン嬢がフレッド君の腕をポンと叩いた。
「フレッド先輩の傷は治しましたよ。もう大丈夫」
「リリーアン君すまない」
「これくらいしかできないので」
リリーアン嬢の声とともに、フレッド君が俺を離した。そして、背に庇うようにして今度は熊の方に向き直った。
ようやくじっくりと大きな魔物を見て、なんで、と声が上がる。
たまに出てくる、経験値豊富なダークブラウンベアの特殊個体だった。
通常のダークブラウンベアよりもかなり大きくて、体力も力も強くて、耐久がものすごいやつだった。推定レベル七十くらいじゃないと簡単に倒せない魔物で、レベルが上がる前は忌み嫌っていたやつだ。サクッと倒せるようになってからは経験値豊富だったからウハウハ倒したけれど。
「闇よ、穢れし物の足を止めろ」
フレッド君の詠唱と共に、熊の身体に黒い布のようなものが巻き付き、その巨体の動きが止まる。
『GAAAAAAAAA!!』
咆哮が辺りに響く。
今のうちにと一斉に攻撃するが、なかなか攻撃が通っているようには見えない。じり貧だよ。
トミィ君は後ろが鬱蒼と茂った森なので、なかなか手を出せないでいる。
少しして、フレッド君の拘束の闇魔法はべりっと破られた。拘束時間は、およそ五秒。
目に入った背中は、見事に実習服がぼろぼろに切れていて、周りにはおびただしい血がしみ込んでいる。俺の手もフレッド君の血で汚れていて、どれほどの怪我だったのかが推測できた。内臓まで達していたのでは、と思うほどの服の状態に、血の気が引く。
思わずフレッド君の服を握ってしまうと、フレッド君が心配そうに振り返った。
「アルバ様、大丈夫ですか?」
「大丈夫。フレッド君こそ、貧血じゃない?」
「大丈夫です」
返事は気丈でも、顔色は悪い。今一気に血が流れたからだと思う。
確か一気に血が流れるとそのショックで心臓が止まったりするんじゃなかったっけ。
皆、剣で攻撃しているけれど、やっぱりあんまり効いてなさそうだった。
くそ、よくもフレッド君を……! と怒りは湧き上がっても、俺は手出しすらできないポンコツだった……!
せめて少しでも貢献できるようにと、俺は声を張り上げた。
「その熊は、外皮が硬いんですが、状態異常はてきめんに弱いです! 麻痺か毒……」
「わかりました!」
俺が言い終わる前にリリーアン嬢がいい返事をして、何やら詠唱をする。
「皆さん、少し離れて! 『天への虹』!」
リリーアン嬢の声に前衛組が後ろに下がった瞬間、何やらおかしな色の水が熊の顔にぶち当たった。
その水をベロっと舐めとった瞬間、熊が悶え始めた。
『ゴガ、ガゴゴゴゴ……ッ!』
「よし、効いた、よかった!」
リリーアン嬢が俺の横で嬉しそうにぐっとこぶしを握る。
一体今の水は何だったんだろう、とちょっとだけゾッとしながら、俺は次の指示を出した。
「フレッド君、拘束を! トミィ君はあの魔物の口の中に火をぶち込めますか! 内臓は弱いので!」
「な、内臓……っはい! 闇よ、穢れしものの足を止めろ!」
「むっず、でもやってみます! いけ、火の玉!」
またしても闇魔法でぐるぐる巻きにされた熊は、今度はべりっとする力もないのか、ただもがき苦しんでいる。
その口に炎の魔法がさく裂して、熊の鼻と耳から煙が上がった。コントロールばっちり。
「今です! もう抵抗できない!」
皆が勝機! とばかりに総攻撃を仕掛けるのを、俺はフレッド君の血まみれの背中の陰から見ていた。
ダークブラウンベア特殊個体の体力がなくなり、その巨体が消えていくと、皆が歓声を上げた。
俺も宙に消えていくその体を見つめながら、ほっと息を吐く。
ようやく安心したところで、またしても目の前に映像が飛び込んできた。
なんでこんな時に、と奥歯を噛み締めながら、減り続ける魔力のせいで、立っていられずフレッド君の服に縋り付いてしまう。
それはこの森じゃなくて、学園の中の食堂から出る裏庭のところで、リリーアン嬢が数人の女子生徒に囲まれている画面だった。
他の班の生徒たちと会わないのは、俺が正規の道をほぼ通っていないからだと思う。
たまに森に入っていく剛の者もいるらしいけれど、多分俺たちの学年にはそこまでの人いないよね。セドリック君はやりそうだけど、責任感がすごく強い人だからこういう時に班のメンバーを危険な目に合わせることはないだろうし。
ミラ妃殿下は突っ込んでいっても不思議じゃないけど。
そんなこんなで、もうすぐゴールにたどり着く、というところで、他の班とばったり会った。
三年生の班で、セルジオ先輩が率いていた。
「わーアルバ様だ。え、早くない? 俺達一番前独走してたはずなんだけど」
セルジオ先輩が首をひねる。 そして、コレット嬢に気付いたのか、よ、と手を挙げた。
「なんだ、コレットはアルバ様の班だったんだ。どうだった? アルバ様すげえ? いいなあ、羨ましい」
「う、羨ましい……? お兄様何言ってるの?」
コレット嬢がセルジオ先輩の言葉に困惑している。そうだよねえ。すっごく抜けたい班なのにお兄さんが羨ましいだなんて。
「ゴールはあの坂を超えたところだから、一緒に行く? それとも競争?」
「競争はやめておきますね。ちょっとこの坂道を走ると心臓が破裂しそうで」
セルジオ先輩の言葉に、俺は断りを入れた。走れない。もう走れないよ。スタミナゼロだよ。あのアプリの兄様達、ずっと森の中を走破していたけれどどれだけ体力お化けだったの。強くてきれいで体力もあって頭もいいなんて、兄様もう全方位完璧だよね。
なんとはなしに二班で進み始める。
セルジオ先輩の班も一年生は女子生徒だったらしく、コレット嬢に手を振ってから、リリーアン嬢から目を逸らしている。
それにしてもこれはすごい。つらいだろうなあ。
「リリーアン、疲れてないか?」
「大丈夫です。それにしてもフレッド先輩の魔法、制御が本当に上手ですね。トミィ先輩の魔法の威力もすごい」
「ありがと。炎だとなかなか思う存分魔法を打てないから今日はちょっとすっきりした」
市井同士で話は弾んでいて、一年生女子たちの視線は気にしていないようなのが救いだけど。
「アルバ様は疲れてるなら俺背負っちゃいますよ?」
セルジオ先輩の軽口にほっとしながら首を振る。
本当はすでに膝がくがくなんだけど、ここで一人だけ泣き言をいうわけにはいかないからね。
そう思っていたのに、足元の小石に躓いた。
「うわっ」
転びそうになったところをセルジオ先輩が支えてくれて事なきを得る……はずが、セルジオ先輩の手につかまった瞬間目の前に映像が現れた。やばい、刻魔法、発動した。
——俺に手を貸してくれるセルジオ先輩の隣でフレッド君が心配そうに俺を覗き込んでいて、その後ろには——
これ、やばいやつだ。
と思った瞬間、口に飴が突っ込まれた。
フレッド君が飴を突っ込んでくれたらしい。
顔を上げたその瞬間が、今ちょうど視たシーンと一致した。とっさに防御魔術陣を取り出そうとポケットに手を突っ込んだけれど間に合わず、魔物が大きな体を俊敏に捻って爪を繰り出した。
「アルバ様……っ!」
フレッド君に抱き込まれて、目の前が見えなくなる。と同時にフレッド君の身体からどしんという振動が伝わった。
「ぐ……っ」
フレッド君の苦しそうな声が聞こえた。一歩遅れて、フレッド君の前に防御の魔術陣が発動する。くそ、遅い!
二撃目の爪はセルジオ先輩が剣ではじき、その隙に三年生たちとランド君たちが飛び出していく。
「フレッド君……っ、だいじょう……ぶ……」
このままでは俺何もできない、とフレッド君の身体に手を添えたら、指にぬるっとした感触がついた。
これは、もしかして。ざっと血の気が引く。
「フレッド君! 怪我をして……っ! 光よ! 背中の傷を! 修復して……っ!」
叫ぶように光魔法の詠唱を唱える。
——回避できなかった、ルフト君の見たフレッド君が俺を庇うシーン。
「フレッド君! 光よ!」
何度唱えても、魔法が発動しない。
ああ、今飴を舐めちゃったから!
こんな大事な時に肝心の治癒魔法が使えないなんて……!
ペッと飴を口から放り出したところで、詠唱が聞こえてきた。
「水よ、背中の傷を癒して——」
フレッド君に抱きかかえられたまま身動きが取れずにいると、リリーアン嬢がフレッド君の腕をポンと叩いた。
「フレッド先輩の傷は治しましたよ。もう大丈夫」
「リリーアン君すまない」
「これくらいしかできないので」
リリーアン嬢の声とともに、フレッド君が俺を離した。そして、背に庇うようにして今度は熊の方に向き直った。
ようやくじっくりと大きな魔物を見て、なんで、と声が上がる。
たまに出てくる、経験値豊富なダークブラウンベアの特殊個体だった。
通常のダークブラウンベアよりもかなり大きくて、体力も力も強くて、耐久がものすごいやつだった。推定レベル七十くらいじゃないと簡単に倒せない魔物で、レベルが上がる前は忌み嫌っていたやつだ。サクッと倒せるようになってからは経験値豊富だったからウハウハ倒したけれど。
「闇よ、穢れし物の足を止めろ」
フレッド君の詠唱と共に、熊の身体に黒い布のようなものが巻き付き、その巨体の動きが止まる。
『GAAAAAAAAA!!』
咆哮が辺りに響く。
今のうちにと一斉に攻撃するが、なかなか攻撃が通っているようには見えない。じり貧だよ。
トミィ君は後ろが鬱蒼と茂った森なので、なかなか手を出せないでいる。
少しして、フレッド君の拘束の闇魔法はべりっと破られた。拘束時間は、およそ五秒。
目に入った背中は、見事に実習服がぼろぼろに切れていて、周りにはおびただしい血がしみ込んでいる。俺の手もフレッド君の血で汚れていて、どれほどの怪我だったのかが推測できた。内臓まで達していたのでは、と思うほどの服の状態に、血の気が引く。
思わずフレッド君の服を握ってしまうと、フレッド君が心配そうに振り返った。
「アルバ様、大丈夫ですか?」
「大丈夫。フレッド君こそ、貧血じゃない?」
「大丈夫です」
返事は気丈でも、顔色は悪い。今一気に血が流れたからだと思う。
確か一気に血が流れるとそのショックで心臓が止まったりするんじゃなかったっけ。
皆、剣で攻撃しているけれど、やっぱりあんまり効いてなさそうだった。
くそ、よくもフレッド君を……! と怒りは湧き上がっても、俺は手出しすらできないポンコツだった……!
せめて少しでも貢献できるようにと、俺は声を張り上げた。
「その熊は、外皮が硬いんですが、状態異常はてきめんに弱いです! 麻痺か毒……」
「わかりました!」
俺が言い終わる前にリリーアン嬢がいい返事をして、何やら詠唱をする。
「皆さん、少し離れて! 『天への虹』!」
リリーアン嬢の声に前衛組が後ろに下がった瞬間、何やらおかしな色の水が熊の顔にぶち当たった。
その水をベロっと舐めとった瞬間、熊が悶え始めた。
『ゴガ、ガゴゴゴゴ……ッ!』
「よし、効いた、よかった!」
リリーアン嬢が俺の横で嬉しそうにぐっとこぶしを握る。
一体今の水は何だったんだろう、とちょっとだけゾッとしながら、俺は次の指示を出した。
「フレッド君、拘束を! トミィ君はあの魔物の口の中に火をぶち込めますか! 内臓は弱いので!」
「な、内臓……っはい! 闇よ、穢れしものの足を止めろ!」
「むっず、でもやってみます! いけ、火の玉!」
またしても闇魔法でぐるぐる巻きにされた熊は、今度はべりっとする力もないのか、ただもがき苦しんでいる。
その口に炎の魔法がさく裂して、熊の鼻と耳から煙が上がった。コントロールばっちり。
「今です! もう抵抗できない!」
皆が勝機! とばかりに総攻撃を仕掛けるのを、俺はフレッド君の血まみれの背中の陰から見ていた。
ダークブラウンベア特殊個体の体力がなくなり、その巨体が消えていくと、皆が歓声を上げた。
俺も宙に消えていくその体を見つめながら、ほっと息を吐く。
ようやく安心したところで、またしても目の前に映像が飛び込んできた。
なんでこんな時に、と奥歯を噛み締めながら、減り続ける魔力のせいで、立っていられずフレッド君の服に縋り付いてしまう。
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