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二章
2-57 早くパーティー当日になんねーかな
しおりを挟む「俺としては、リナの痕跡を追う方が良かったんだけどなー」
『まぁまぁ。もうすぐとっても楽しいパーティーが始まるから、ちょと待ってみなよ』
「そのパーティーの出席者は?」
アイゼアは夜の道を歩きながら、シュヴェルツェに尋ねる。
『君の想い人も来るかもしれないんだよ』
「んじゃ、愛する彼女と会う為に、ちょっとばかり待っていてやるか」
ざく、と、森に足を踏み入れた。夜露に濡れる事も構わずに、アイゼアは進む。シュヴェルツェは蛇の形をとりながらも、濡れる様子は見られない。
……あくまで、存在は精霊に近いのだ。
「それにしても、あの管理官の鼻は危険だな」
『あー、気付かれちゃってたもんね』
「どうなってんだ、あいつ」
アイゼアが面倒臭げに頭をかく。
『文字通り嗅ぎまわられたら、上手く誘導すればいいんだ』
「それもそうか」
ふと、その方法に思い当たり、「この件は置いておくか」と、とりあえず考える事を止めた。
「早くパーティー当日になんねーかな」
『わくわく待つのも楽しみの内だよ』
蛇はにょろにょろと草むらを這いずる。何度かアイゼアに踏まれそうになり、その度に『イヤン』と声を上げながら。
『ただでさえ、これから長い長いパーティーが始まるんだからさ』
「永久いのか?」
『仮面舞踏会が開始早々にあって、他にも催しが目白押しさ』
アイゼアは、ククっと笑う。
「そりゃあいい。精々俺を楽しませろよ」
『勿論さ』
アイゼアと蛇はゆっくりと、夜の闇に溶けていく。
これからの計画を、楽しげに口にしながら。
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