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20 玲の弁当
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玲が学校に復帰して、数週間が過ぎた。
クラスメイトや玲を恨んでいる不良たちは、武尊が近くにいるので指をくわえて見ているだけだ。
最近の玲と武尊の様子がおかしいのは、さすがにみんな気づく。二人が妙に仲が良く、一緒にいるのも目立つ。玲が女化していることもみんな気づいており、ついに二人はそのような関係になったのかと思っていた。
担任も玲の様子には気づき始めており、玲がTS病にかかっていると知られるのは時間の問題だった。
最近の玲と言えば、武尊に弁当を作ってくるのが習慣になっていて、いつも武尊に手作りの弁当を作ってきていた。
「どうだ? おいしいか?」
玲と武尊は人目の少ない体育館裏に来て、弁当を食べていた。
玲は上目づかいで、武尊に弁当の出来を聞く。弁当は肉そぼろがかかった弁当だ。おかずのウインナーもタコさんになっており、手が込んでいる。
「あぁ。すげぇうまい。玲って、何やらせても器用だよな」
ガツガツと弁当を食べる武尊。それを嬉しそうに眺める玲。
体はすでに女性化70パーセントにまでなっているので、はたから見たら彼氏と彼女のいちゃいちゃシーンだ。玲は今、学ランを着ているが、もはや学ランでは似合わなくなっている。それだけ女性化が進んでいるのだ。
あとは少しずつ骨格や内臓が変化し、半年も経てば完全に女になる。玲は、武尊にキスされてからTS病を無駄に隠すのを辞めている。ばれたらばれたで、開き直るつもりだ。
「今度は何を作ってくる? 肉じゃがか?」
「肉じゃが? おお! 俺の好物だ」
「そうか! じゃぁ肉じゃが作ってくる!」
玲はキャッキャと喜び、次は肉じゃがと、スマホのメモ帳アプリにメモしている。
もはや玲の乙女化は暴走の一途をたどっている。
根っこのところは男の心を持っているし、不良であった時の記憶もきちんとある。それは今まで玲と変わらない。ただ、それにプラスして、乙女心が玲に出来たのだ。オカマと言ったら聞こえが悪いが、玲の精神は男と女が共同生活しているような感じだ。
「玲が弁当を作ってくれるのはうれしいけどさ、さすがにお前、変わりすぎじゃないか?」
武尊は玲の弁当を食べながら、ズバッと核心をつく。一歩間違えれば玲が傷つきそうなセリフだ。だが、サバサバとした玲の性格は変わっていない。特に傷つくことなく、あっけらかんと返事をした。
「変わりすぎ? お前に言われたくねぇよ。俺にキスしといて、何が変わりすぎだ」
「うっ! ゴホゴホ!!」
武尊はご飯をのどに詰まらせる。
「俺のことを好きになったんだろ? まだ完全に女になってないのにキスするなんて、とんだ変態じゃねぇか」
「ゴホゴホゴホ!!」
武尊は気管にご飯を詰まらせた。
「どうなんだよ? 武尊は俺のことをどう思ってんだ?」
武尊は水筒のお茶を飲んでご飯を流し込む。じっと玲が見つめてくるので、ゴクリと唾をのみ込む。
ここで言葉を間違えれば、玲に嫌われてしまう。本音を言うべきか、建前を言うべきか。武尊は悩んだが、裏切らないと言った手前、ウソは付けない。
武尊は玲に言った。
「あぁ。玲のことは女として見てる。もう、見た目も心も女だろ」
玲はその言葉を聞いて、「にや~」っと笑う。女として見られて、嬉しいようだ。
「ただ、男の玲を知っているから、すごく違和感がある。それだけはどうしても引っかかる」
「違和感? あぁ、そうだよな。俺自身、それは感じてる」
「自分でも感じてんのか?」
「あぁ。男の俺と、女の俺がいる感じだ」
「そうなのか。それは大変だな……」
玲にはあまりストレスを与えない方がいいな。精神崩壊でもしたら大変だ。
「なぁ、武尊。だから、俺のはじめてはお前にやるよ」
「ゴホゴホゴホ!!」
武尊は再びご飯をのどに詰まらせる。
「最初はやっぱり気心が知れた奴がいいしな」
「ゴハゴハアハ。ゴホゴホ! ………グホ」
武尊は窒息しそうだ。
「半年たてばヤレルみたいだから、楽しみにしてろよ」
玲は顔を真っ赤にしているが、武尊の顔は真っ白になっていた。
クラスメイトや玲を恨んでいる不良たちは、武尊が近くにいるので指をくわえて見ているだけだ。
最近の玲と武尊の様子がおかしいのは、さすがにみんな気づく。二人が妙に仲が良く、一緒にいるのも目立つ。玲が女化していることもみんな気づいており、ついに二人はそのような関係になったのかと思っていた。
担任も玲の様子には気づき始めており、玲がTS病にかかっていると知られるのは時間の問題だった。
最近の玲と言えば、武尊に弁当を作ってくるのが習慣になっていて、いつも武尊に手作りの弁当を作ってきていた。
「どうだ? おいしいか?」
玲と武尊は人目の少ない体育館裏に来て、弁当を食べていた。
玲は上目づかいで、武尊に弁当の出来を聞く。弁当は肉そぼろがかかった弁当だ。おかずのウインナーもタコさんになっており、手が込んでいる。
「あぁ。すげぇうまい。玲って、何やらせても器用だよな」
ガツガツと弁当を食べる武尊。それを嬉しそうに眺める玲。
体はすでに女性化70パーセントにまでなっているので、はたから見たら彼氏と彼女のいちゃいちゃシーンだ。玲は今、学ランを着ているが、もはや学ランでは似合わなくなっている。それだけ女性化が進んでいるのだ。
あとは少しずつ骨格や内臓が変化し、半年も経てば完全に女になる。玲は、武尊にキスされてからTS病を無駄に隠すのを辞めている。ばれたらばれたで、開き直るつもりだ。
「今度は何を作ってくる? 肉じゃがか?」
「肉じゃが? おお! 俺の好物だ」
「そうか! じゃぁ肉じゃが作ってくる!」
玲はキャッキャと喜び、次は肉じゃがと、スマホのメモ帳アプリにメモしている。
もはや玲の乙女化は暴走の一途をたどっている。
根っこのところは男の心を持っているし、不良であった時の記憶もきちんとある。それは今まで玲と変わらない。ただ、それにプラスして、乙女心が玲に出来たのだ。オカマと言ったら聞こえが悪いが、玲の精神は男と女が共同生活しているような感じだ。
「玲が弁当を作ってくれるのはうれしいけどさ、さすがにお前、変わりすぎじゃないか?」
武尊は玲の弁当を食べながら、ズバッと核心をつく。一歩間違えれば玲が傷つきそうなセリフだ。だが、サバサバとした玲の性格は変わっていない。特に傷つくことなく、あっけらかんと返事をした。
「変わりすぎ? お前に言われたくねぇよ。俺にキスしといて、何が変わりすぎだ」
「うっ! ゴホゴホ!!」
武尊はご飯をのどに詰まらせる。
「俺のことを好きになったんだろ? まだ完全に女になってないのにキスするなんて、とんだ変態じゃねぇか」
「ゴホゴホゴホ!!」
武尊は気管にご飯を詰まらせた。
「どうなんだよ? 武尊は俺のことをどう思ってんだ?」
武尊は水筒のお茶を飲んでご飯を流し込む。じっと玲が見つめてくるので、ゴクリと唾をのみ込む。
ここで言葉を間違えれば、玲に嫌われてしまう。本音を言うべきか、建前を言うべきか。武尊は悩んだが、裏切らないと言った手前、ウソは付けない。
武尊は玲に言った。
「あぁ。玲のことは女として見てる。もう、見た目も心も女だろ」
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「ただ、男の玲を知っているから、すごく違和感がある。それだけはどうしても引っかかる」
「違和感? あぁ、そうだよな。俺自身、それは感じてる」
「自分でも感じてんのか?」
「あぁ。男の俺と、女の俺がいる感じだ」
「そうなのか。それは大変だな……」
玲にはあまりストレスを与えない方がいいな。精神崩壊でもしたら大変だ。
「なぁ、武尊。だから、俺のはじめてはお前にやるよ」
「ゴホゴホゴホ!!」
武尊は再びご飯をのどに詰まらせる。
「最初はやっぱり気心が知れた奴がいいしな」
「ゴハゴハアハ。ゴホゴホ! ………グホ」
武尊は窒息しそうだ。
「半年たてばヤレルみたいだから、楽しみにしてろよ」
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