5 / 5
5
しおりを挟む
俺は団長が来るまで待つことになり、久しぶりのシャワーと暖かい飯、清潔な服を手に入れた。今まで使ってきた服はボロボロだったので、必要なものだけ残して破棄した。
アガサから話を聞くと、団長が来るのは三日後になると報告を受けた。仕方ないので、アーティファクトをソサエティーの買取所で買い取ってもらうことになった。この階層にたどりつくまで、大小さまざまなアーティファクトを手に入れた。それなりの額になるだろう。
「おいあんた。このモバイルバッテリー、どこで手に入れた? 容量が発電機並みだぞ! それにこの腕時計、永久魔石で動いてるのか? すごいお宝ばかりだぞ!」
買取所のおっさんは俺の持ちこんだアーティファクトに鼻息を荒くしている。俺からすれば、生産性のないアーティファクトはごみと一緒だ。嗜好品などダンジョンで何の役にも立たない。街で高く売れるから持ってくるだけだ。
「すごいな。ここでは手に入らない物ばかりだ。どうだ? 全部で3億リドルで買い取るが?」
リドルという通貨が分からないので詳しく聞いたら、3億リドルという額は、一生遊んで暮らせる額らしい。もう、ここに骨をうずめていいと思えるくらいの額が手に入るとのことだ。もちろん俺は二つ返事で了承する。金は口座を開設し、ソサエティで預かってくれることになった。
この世界にいる限り、金などもっていても意味がない。ダンジョンマスターにこの階層が危険だと判断されれば、魔物の大群を差し向けられて滅ぼされる。だから俺は“空”を目指した。故郷の仲間がみんなそうしたように。
俺は手に入った金を元に、必要な物資を揃えることにした。一番は食料だが、人ひとりが持てる量は限られている。空間を拡張させたバッグは特級のアーティファクトなので、この階層でもっている人間は団長しかいないそうだ。
仕方ないので、今まで手に入らなかったガスマスクのカートリッジや、圧力バールのガスボンベを必要な分買うことにした。ソサエティにあるシーカー専門のショップに行くと、すぐに買うことが出来た。
「この階層はすげぇな。今まで手に入らなかったものがすべて手に入る。あんまり文明レベルを進めるとダンジョンマスターに目を付けられるが、大丈夫なのか?」
今来ているショップは武器から食料、なんでも売っている場所だ。シーカー以外の一般客も普通に歩いている。棚にはジャンク品もごちゃごちゃと置いてあるし、ディスカウントショップみたいだな。
俺は店の中を物色して歩いていると、突然、数体のホムンクルスを見つけた。ガラスケースに入って置かれている。
見ると、通常のホムンクルスではなく、キメラタイプの合成ホムンクルスだ。オークのような顔をしたホムンクルスや、上半身が女で、下半身が蜘蛛というタイプが数体置かれている。
今はガラスケースで眠っていて、起きない。主人の魔力と血液で契約するようだ。
「お客さん目が高いね。そいつは上層で発見されたアーティファクトだよ。合成ホムンクルスの技師はこの階層にはいなくてね。うちではそいつらを運よく仕入れられたんだ」
アーティファクトか。昔に作られた戦闘用のホムンクルスだろうな。
「いくらだ?」
「一体三千万リドルから売れるよ。今年中に売れなかったらオークションに出すつもりなんだが、買ってくれるのかい?」
ふーむ。昔アンドロイドタイプを連れて歩いたことがあるが、欠陥品ですぐに壊れたんだよな。迷宮探索に荷物持ちは重要なんだが、けがをしたり壊れたら面倒だしな。
俺はよくよくホムンクルスを見てみる。さきほど述べた種類のホムンクルス以外にも、アリのような形をした魔物型ホムンクルスや、人馬型のホムンクルスも置いてある。戦闘に適しているのはアラクネタイプのホムンクルスだが、俺が欲しいのは頑丈で地形に適応できる奴だ。
「子供型のホムンクルスは置いていないのか?」
「子供型はシーカーに人気でしてねぇ。今は在庫切れですよ」
考えることはみんな同じか。大人よりも力があり、狭い所にも入れる小さな体。やはり子供タイプのホムンクルスは品切れか。
「ただ、人間年齢が14歳程度のホムンクルスなら一体ありますよ。倉庫に置いてあります」
「14歳? そんな中途半端な体のホムンクルスが作られていたのか? 性別は?」
「性別はありません。成長とともに変化する人型のホムンクルスです」
なんだそれは。欠陥品じゃねぇか。ようするに、製造過程で失敗した、不良品じゃねぇか。なんでそんなのが売ってんだ。
「かなり特殊なホムンクルスでしてね。子宮と精巣があるのです」
「子宮?」
「人間の子供を産めるタイプのホムンクルスです」
なんだと?
アガサから話を聞くと、団長が来るのは三日後になると報告を受けた。仕方ないので、アーティファクトをソサエティーの買取所で買い取ってもらうことになった。この階層にたどりつくまで、大小さまざまなアーティファクトを手に入れた。それなりの額になるだろう。
「おいあんた。このモバイルバッテリー、どこで手に入れた? 容量が発電機並みだぞ! それにこの腕時計、永久魔石で動いてるのか? すごいお宝ばかりだぞ!」
買取所のおっさんは俺の持ちこんだアーティファクトに鼻息を荒くしている。俺からすれば、生産性のないアーティファクトはごみと一緒だ。嗜好品などダンジョンで何の役にも立たない。街で高く売れるから持ってくるだけだ。
「すごいな。ここでは手に入らない物ばかりだ。どうだ? 全部で3億リドルで買い取るが?」
リドルという通貨が分からないので詳しく聞いたら、3億リドルという額は、一生遊んで暮らせる額らしい。もう、ここに骨をうずめていいと思えるくらいの額が手に入るとのことだ。もちろん俺は二つ返事で了承する。金は口座を開設し、ソサエティで預かってくれることになった。
この世界にいる限り、金などもっていても意味がない。ダンジョンマスターにこの階層が危険だと判断されれば、魔物の大群を差し向けられて滅ぼされる。だから俺は“空”を目指した。故郷の仲間がみんなそうしたように。
俺は手に入った金を元に、必要な物資を揃えることにした。一番は食料だが、人ひとりが持てる量は限られている。空間を拡張させたバッグは特級のアーティファクトなので、この階層でもっている人間は団長しかいないそうだ。
仕方ないので、今まで手に入らなかったガスマスクのカートリッジや、圧力バールのガスボンベを必要な分買うことにした。ソサエティにあるシーカー専門のショップに行くと、すぐに買うことが出来た。
「この階層はすげぇな。今まで手に入らなかったものがすべて手に入る。あんまり文明レベルを進めるとダンジョンマスターに目を付けられるが、大丈夫なのか?」
今来ているショップは武器から食料、なんでも売っている場所だ。シーカー以外の一般客も普通に歩いている。棚にはジャンク品もごちゃごちゃと置いてあるし、ディスカウントショップみたいだな。
俺は店の中を物色して歩いていると、突然、数体のホムンクルスを見つけた。ガラスケースに入って置かれている。
見ると、通常のホムンクルスではなく、キメラタイプの合成ホムンクルスだ。オークのような顔をしたホムンクルスや、上半身が女で、下半身が蜘蛛というタイプが数体置かれている。
今はガラスケースで眠っていて、起きない。主人の魔力と血液で契約するようだ。
「お客さん目が高いね。そいつは上層で発見されたアーティファクトだよ。合成ホムンクルスの技師はこの階層にはいなくてね。うちではそいつらを運よく仕入れられたんだ」
アーティファクトか。昔に作られた戦闘用のホムンクルスだろうな。
「いくらだ?」
「一体三千万リドルから売れるよ。今年中に売れなかったらオークションに出すつもりなんだが、買ってくれるのかい?」
ふーむ。昔アンドロイドタイプを連れて歩いたことがあるが、欠陥品ですぐに壊れたんだよな。迷宮探索に荷物持ちは重要なんだが、けがをしたり壊れたら面倒だしな。
俺はよくよくホムンクルスを見てみる。さきほど述べた種類のホムンクルス以外にも、アリのような形をした魔物型ホムンクルスや、人馬型のホムンクルスも置いてある。戦闘に適しているのはアラクネタイプのホムンクルスだが、俺が欲しいのは頑丈で地形に適応できる奴だ。
「子供型のホムンクルスは置いていないのか?」
「子供型はシーカーに人気でしてねぇ。今は在庫切れですよ」
考えることはみんな同じか。大人よりも力があり、狭い所にも入れる小さな体。やはり子供タイプのホムンクルスは品切れか。
「ただ、人間年齢が14歳程度のホムンクルスなら一体ありますよ。倉庫に置いてあります」
「14歳? そんな中途半端な体のホムンクルスが作られていたのか? 性別は?」
「性別はありません。成長とともに変化する人型のホムンクルスです」
なんだそれは。欠陥品じゃねぇか。ようするに、製造過程で失敗した、不良品じゃねぇか。なんでそんなのが売ってんだ。
「かなり特殊なホムンクルスでしてね。子宮と精巣があるのです」
「子宮?」
「人間の子供を産めるタイプのホムンクルスです」
なんだと?
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる 「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?
あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】
世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。
「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。
・神話級ドラゴン
⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺)
・深淵の邪神
⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決)
・次元の裂け目
⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い)
「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」
本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……?
「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー!
【免責事項】
この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
※こちらの作品は、カクヨムと小説家になろうでも公開しています。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる