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6 マリア様との迷宮探索1
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俺はマリアを連れて、久しぶりにハンター協会に来ていた。理由は、マリアの命令だ。
マリアの宝箱が置いてあった場所に、もう一度連れて行けというのだ。片腕が無いので無理だと抗議したが、マリアの魔法があれば怪我一つ負わず、時間もかけずに到達可能だという。場所は迷宮の最奥だが、マリアの力があれば簡単らしい。
「マリア様。これからギルドの建物に入るから、静かにしてくれよ」
「む。ギルドとやらについたのか」
「あぁついた。今から建物に入る。だからこれ以上喋らないでくれ」
俺は肩に下げたバッグに向かって、こそこそ話す。マリアは、俺の肩にかけているバッグの中に潜んでいる。
「分かった。貴様とはまだ念話回線が開いておらんから、脳内での会話が出来ん。仕方ないか」
なに? 念話? そんな古代の魔法が使えるのか? まじかよ。
俺は念話と言う魔法に半信半疑だったが、それ以上喋ると周りに怪しまれるので、ギルドに入る。扉は常に開け放たれているので、誰でも出入り可能だ。俺は揺れ無いようにバッグを抱えてギルド内に静かに入る。
入ってみると、相変わらず活気がある。いろんな種族の奴らが、仕事をもとめてここに来ているからだ。大体が迷宮で一山当てるためにいる命知らずだが、堅実に護衛依頼をこなす騎士志望のハンターもいる。
俺に知り合いは多くないが、一応ベテランのハンターだ。いろんな奴らに顔は割れている。今は話しかけられたくないので、フードを深くかぶってさっさと受付に向かう。
受け付けは鉄格子が敷かれていて、職員がハンターに襲われないようになっている。俺はその鉄格子越しに、受付の女に声をかけた。
「キャス。久しぶりだな。迷宮に入る通行証をくれ」
「あっ。レオンじゃないの! 久しぶり! 元気そうでよかったわ」
「まぁ、なんとかな」
「でも、どうしたの? 急にギルドに来なくなったし、ハンター引退したって噂になってるわよ」
キャスは俺の知り合いだ。顔見知り程度の間柄だが、ギルドに来なくなった俺を心配してくれていたようだ。
「いや、大丈夫じゃないな。ギルドの奴らには言ってなかったが、ほら。右腕がないんだ」
俺はひらひらした袖を見せる。服の中にあるべき右腕が無い。
「えっ。嘘でしょ。何かの魔術? あたしを騙してんの?」
「いや、本当にないんだ。迷宮で失った」
俺が真顔で言うと、目の前に居たキャスは声を失う。キャスは俺より年上のお姉さんだが、相当驚いているようだ。
「このギルドで腕利きのあんたが、右腕を失った? 嘘でしょ……」
「キャス。世間話は後にしよう。後ろに他のハンターもつかえてるし、はやく迷宮の通行証をくれ」
「そんな、冗談でしょ? 右腕が無いのに迷宮に入るって、あんた死にたいの? 護衛も雇ってないみたいだし、せめて義手くらいつけなさいよ」
キャスは当然のことを言うが、俺がここに来たのはマリアの命令だ。一人で迷宮探索をしなければならない。
「いいから、通行証を出してくれ」
「あんたって本当に命知らずね。とりあえず通行証は出すけど、死んだら許さないわよ」
「死なないよ」
俺はそう言って、金を払って通行証をもらう。俺の後ろでいかついハンターが待っていたので、面倒が起る前にさっさと受付から離れる。キャスは美人で器量もいいから、ハンターたちには人気があるのだ。
「さて。面倒が起きる前にさっさと迷宮に入るか」
俺は迷宮の通行証を職員に見せ、昇降機に乗る。この昇降機は迷宮に入る直行便で、地下3000メートル以上まで伸びている。俺は昇降機で行ける限界まで降りて、そこから迷宮探索を始める。
マリアの宝箱が安置されていたのは、さらにそこから1000メートル以上、下だからだ。
「なにもなけりゃいいけどな」
俺はそう思って、マリアの入ったバッグを抱えた。
マリアの宝箱が置いてあった場所に、もう一度連れて行けというのだ。片腕が無いので無理だと抗議したが、マリアの魔法があれば怪我一つ負わず、時間もかけずに到達可能だという。場所は迷宮の最奥だが、マリアの力があれば簡単らしい。
「マリア様。これからギルドの建物に入るから、静かにしてくれよ」
「む。ギルドとやらについたのか」
「あぁついた。今から建物に入る。だからこれ以上喋らないでくれ」
俺は肩に下げたバッグに向かって、こそこそ話す。マリアは、俺の肩にかけているバッグの中に潜んでいる。
「分かった。貴様とはまだ念話回線が開いておらんから、脳内での会話が出来ん。仕方ないか」
なに? 念話? そんな古代の魔法が使えるのか? まじかよ。
俺は念話と言う魔法に半信半疑だったが、それ以上喋ると周りに怪しまれるので、ギルドに入る。扉は常に開け放たれているので、誰でも出入り可能だ。俺は揺れ無いようにバッグを抱えてギルド内に静かに入る。
入ってみると、相変わらず活気がある。いろんな種族の奴らが、仕事をもとめてここに来ているからだ。大体が迷宮で一山当てるためにいる命知らずだが、堅実に護衛依頼をこなす騎士志望のハンターもいる。
俺に知り合いは多くないが、一応ベテランのハンターだ。いろんな奴らに顔は割れている。今は話しかけられたくないので、フードを深くかぶってさっさと受付に向かう。
受け付けは鉄格子が敷かれていて、職員がハンターに襲われないようになっている。俺はその鉄格子越しに、受付の女に声をかけた。
「キャス。久しぶりだな。迷宮に入る通行証をくれ」
「あっ。レオンじゃないの! 久しぶり! 元気そうでよかったわ」
「まぁ、なんとかな」
「でも、どうしたの? 急にギルドに来なくなったし、ハンター引退したって噂になってるわよ」
キャスは俺の知り合いだ。顔見知り程度の間柄だが、ギルドに来なくなった俺を心配してくれていたようだ。
「いや、大丈夫じゃないな。ギルドの奴らには言ってなかったが、ほら。右腕がないんだ」
俺はひらひらした袖を見せる。服の中にあるべき右腕が無い。
「えっ。嘘でしょ。何かの魔術? あたしを騙してんの?」
「いや、本当にないんだ。迷宮で失った」
俺が真顔で言うと、目の前に居たキャスは声を失う。キャスは俺より年上のお姉さんだが、相当驚いているようだ。
「このギルドで腕利きのあんたが、右腕を失った? 嘘でしょ……」
「キャス。世間話は後にしよう。後ろに他のハンターもつかえてるし、はやく迷宮の通行証をくれ」
「そんな、冗談でしょ? 右腕が無いのに迷宮に入るって、あんた死にたいの? 護衛も雇ってないみたいだし、せめて義手くらいつけなさいよ」
キャスは当然のことを言うが、俺がここに来たのはマリアの命令だ。一人で迷宮探索をしなければならない。
「いいから、通行証を出してくれ」
「あんたって本当に命知らずね。とりあえず通行証は出すけど、死んだら許さないわよ」
「死なないよ」
俺はそう言って、金を払って通行証をもらう。俺の後ろでいかついハンターが待っていたので、面倒が起る前にさっさと受付から離れる。キャスは美人で器量もいいから、ハンターたちには人気があるのだ。
「さて。面倒が起きる前にさっさと迷宮に入るか」
俺は迷宮の通行証を職員に見せ、昇降機に乗る。この昇降機は迷宮に入る直行便で、地下3000メートル以上まで伸びている。俺は昇降機で行ける限界まで降りて、そこから迷宮探索を始める。
マリアの宝箱が安置されていたのは、さらにそこから1000メートル以上、下だからだ。
「なにもなけりゃいいけどな」
俺はそう思って、マリアの入ったバッグを抱えた。
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