上 下
82 / 227
〚第四章〛〜絶望の底編〜

〚79話〛「ステータス確認」

しおりを挟む

 ステータス。
 そう念じてステータスを開く。
 
 ==========================
 名前:ヴェレナ
 年齢:16
 性別:女
 種族:人間
 職種:冒険者(奴隷)(忌み子)
 
 《ステータス》
 レベル:58
 体力:812/812
 魔力:464/464
 筋力:174
 俊敏:1044
 物理耐性:116
 魔法耐性:116(+100)
 
 《固有スキル》
  ■精神崩壊(94%)
 
 《スキル》
 □鑑定
 □魔法耐性強化(+100)
 □聴覚強化
 □限界突破
 □細剣術Lv39
 □回避術Lv26
 □短剣術Lv5
 □奴隷紋
 □お助けプレート
 □祈り村の加護
 □性的耐性
 □痛覚耐性
 □精神耐性
 
 《称号》
 ダンジョン攻略者.親殺し.フォレストウルフスレイヤー.忌み子
===========================
 
 特に異常は無いかな。
 
 この親殺しの称号。意外と珍しい事じゃないらしい、冒険者の何人かに親殺しの称号がついている。特にこれと言って咎められることはないが、冒険者だからだ。
 冒険者は誰もなれる、孤児でもお姫様でもだ。
 スラム街みたいな所では、人を殺すなんて日常茶飯事だ。勿論それはいけないことだが、衛兵たちはそんな事をいちいち首を突っ込んでいられない。貴族などがそんな事を起こせば勿論衛兵がくるが、スラムは所詮孤児だ、大量にいるし見分けなんか付かない、誰が何しようがスラム街の中なら好きにしてくれ状態なのだ。
 
 そこから冒険者へなる事も珍しい事じゃない。
 そして冒険者はすべて自己責任で他人のステータスを見ても特に何も言わない。ルールで他人の詮索は禁止されているからだ。
 ルールをやぶれば冒険者停止処分。
 鑑定を使ってもバレなきゃいいがそれを話す事は禁止。
 そう先輩達から教わった。
 
 先輩達はいい人たちが多く、よく一緒にデカイことをしたあとは酒を飲んで打ち上げしたりする。
 15からは成人のこの世界では僕は成人しているので酒が飲める。
 
 先輩冒険者達とは長い付き合いだ。僕が16になったときエールを奢ってくれた。ヌルくてクソ不味かったけど楽しかった。っていうかこの世界も前に世界もその前も地球と祈り村以外は食べ物全部不味かったが。
 
 まあまあ良かったのは虫がいない事だ。
 世界観はきっと中世ヨーロッパぐらいなので寄生虫が心配だったが本を読んで虫が存在しないことが分かったときはもう。
 
 取り敢えず視線を本に戻す。
 これは勇者が魔王を倒すお伽噺の本だ。異世界より召喚された勇者がバッタバッタと敵をなぎ倒して魔王おも爽快に倒してしまうという本。
 この世界には召喚魔法などは存在しないし魔王も居ない。魔界はあるしそこの国を収める王様はいるが魔王と恐れられていたりしない。しかも獣人も魔人も人間も中は普通で、戦ったり戦争しか掛けたりはしていない。
 魔界は魔物が多いのであんまり人気じゃないと言うだけで、生まれつき強く肌が浅黒い魔人と、腕に自身がある人間や獣人が住んでいる。
 
 獣人が多い森は魔素が比較的少なく動物や自然が多い緑豊かな地で人気がある。魔人も普通にいる。
 
 人間が住んでいる土地は街が多く賑やかで貿易が盛んで儲かることが良いところだろう。
 
 
 
 
 
 
 音に異常は無いので本を読み進める。
 今は勇者がお姫様に魔王を倒すと約束するシーンだ。
 
 そんなこんなで無事朝を迎えていた。因みに勇者の本は一晩で読破した。
しおりを挟む

処理中です...