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〚第五章〛〜不幸な少女の”日常”編〜

〚170話〛「街の中で」

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 「これ…美味しそう!」
 
 「ああ!これとかも良いかもよ!」
 
 あまりにも二人が色々物欲しそうに見るものだから、まあ布団は買ったから良いんだけど。
 
 好きなものを買ってあげると言ってから二人ともかなりはしゃいでる。
 
 「はは…」
 
 この感じ…懐かしいな。祭りの日…だったか。
 
 「シアル…!これ欲しい」
 
 「うん、分かった…はいこれお金」
 
 「買ってくる!ありがとう!」
 
 「お姉ちゃん!これ買いたい…」
 
 「うん…、そんなに遠慮しなくていいよ、まあまあお金はあるから」
 
 「う…うん!」
 
 さて、僕も何か買おうかな。
 
 いや…そんな暇なんかないらしい。運がいいんだか悪いんだか。
 
 
 
 
 
 
 
 ””
 
 
 
 
 
 
 
 「へへへっ…良いじゃねえか、ちょっと俺達と付き合えよ」
 
 「い…嫌です!やめてください」
 
 「良いだろって」
 
 「本当に嫌って…」
 
 男達は紅葉を二人の男が囲んでいた。
 
 「俺達がせっかく誘ってやってんだぞ?」
 
 そう言いながら紅葉の手を握ろうと、
 
 「ぁあ?なに紅葉に触れようとしてんだ?」
 
 その言葉が響いた瞬間、途轍もない恐怖が男達を襲った。
 
 「消えろ」
 
 その瞬間、跡形もなく男達が消えた。
 
 「…え?」
 
 異次元収納。
 
 「はぁ……、別のところに転移させただけだから大丈夫、さ、帰ろう」
 
 「…うん、助けてくれてありがとう」
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