44 / 79
別荘編
44-セフレ※
しおりを挟むアーノルドの腕枕に頭を預け、対面する形で一緒に寝ている。
からだ…熱くなってきた…。
薬を入れられたところが脈打つように熱い。お尻がムズムズする。
汗が止まらない。僕のも少し反応してきてる。アーノルドにバレないように足を折り曲げ何とか分からないように姿勢をずらす。
「…ルークどうしたの?汗すごいよ。あつい?」
アーノルドがすっとぼけた顔で訊いてくる。
おまえがっ…くすりをいれたんじゃないか。…性格わるい…!
「いえ…っ、大丈夫です。アーノルドさま」
何とか取り繕い、フォンルージュスマイルで返す。
「…そう」
返事をしながらもアーノルドは僕をガン見している。
ぜったい楽しんでる。僕が必死で我慢してるのをこいつは楽しんで傍観してる。
思わずアーノルドの楽しげな翡翠の瞳を睨みつけてしまう。
薬なんかに負けない…!アーノルドの思い通りになんてなりたくない!
ドクン、ドクン
「はぁぁ…ッ」
昨日記憶が無くなる前に体験したように動悸までしてくる。
どうやら薬が全部溶けて本格的に身体に回ってきたらしい。
息が荒くなる。胸あたりのシャツをクシャっと掴み、何とか耐えようと身体を小さくする。
頭ボー…としてきた。この薬1粒でこれなら、昨日は何粒僕に使ったんだ。
朝と昼みっちり虐められたおしりが疼いて仕方ない。
あつい、おしりあつい。ほしい。ほしい。あーのるどの…。
ッ…やばい。頭がダメな方に引っ張られる。ダメ、欲しくない。欲しくない!
ほしい。おしりさびしい。あついのほしい。ほしい♡
ゆ、指で、自分の指で収めよう。アーノルドはダメ…絶対ダメ…!
僕は自分の手を後ろに回し、自分のおしりの中に指を入れる。
自分の指すら喜んで飲み込む、中もう熱くてドロドロだ。
ラルクとアーノルドに知らないものに作り変えられてしまった。
僕、もう普通の生活に戻れるのかな…。
自分の身体の変化に悲しくなっている僕の感情とは裏腹に、身体はどんどん奥にへと指を誘う。
クチュ…クチュ…
「ぁ…んん…んっ…」
何とか声を抑えるが待ち望んだ刺激に指をいい所に当ててしまい、どうしても漏れてしまう。
アーノルドがその様子をニヤニヤと目の前で見ている。だが、今の僕にはもうアーノルドを気にする余裕も無くなっていた。
あっ…そこ…!そこきもちいいとこ…!
弱いところを重点的に指で弄ってしまう。
前の僕は完全に勃起して先走りをだらだらと垂らしている。
中々指がいい所に上手く刺激出来ず、もどかしく身体の疼きが強くなる。
お腹ら辺がキュウキュウして切ない。
だめだ。ゆびじゃなくてもっとふといの。
もっとおおきいのがほしい。おおきいのでおくまでついてほしい。おくっ…おくぅ…
思ったような快感が得られず涙が出てくる。
「んぅぅ…ンッ…ぁ…」
それでも何とかアーノルドに縋らないように自分を必死に抑えて我慢しているときだった。
「我慢なんてしなくていいのに…素直になればご褒美あげるよ。ルーク」
僕のことを傍観していただけのアーノルドが僕に悪魔の囁きを言う。
ごほうび…!ほしい…ほしいっ。
いや、いらない!だめっ、だめ。
僅かに残っていた理性が溶けていく。
僕が言い淀んでいるとアーノルドが痺れを切らしたのか、はぁ…と呆れたように小さくため息を吐く。
その仕草に僕の心臓が一瞬で凍りつく。
ぼく、きらわれた…?呆れられた…?
できそこないだから、?すなおじゃないから…?だめなこどもだから…?
すてられる…ぼく、すてられる。
「…ほしぃ……」
そう思った瞬間口に出してしまっていた。
1回出てしまえば2回も3回ももはや同じで止まらない。
「…アーノルドの……ほしい…」
アーノルドが少し笑う。
それだけでちょっと救われた気がして、涙がこぼれてしまう。
「僕の…なにが欲しいの?」
「…あ、アーノルドの…ちんぽ…ぼくのおしりにほしぃ…」
羞恥心と恐怖心で最後ら辺は声が小さくなってしまった。
(…ぼくを、ゆるしてくれる…?
ぼくをすてないで)
小さい僕の声が聞こえた気がした。
僕はアーノルドがどんな表情をしているか見るのが怖くて下を向いていると、クシャと僕の頭を撫でる感触がした。
その感触に思わずアーノルドの方を見る。
目の前のアーノルドは優しく微笑み、僕の頭を撫でながら言う。
「素直になれてえらいね。
いい子だね、ルーク」
はっ…
そう言われ撫でられた瞬間に頭の中が真っ白になる。下半身がぐちょぐちょする。
胸がきゅぅぅうと締め付けられ、ドーパミンが止まらないのか息が浅くなる。
なに、これ…ぼく、しらない。こんなの…しらない。これなに。なんで、こんな、…
なんで、うれし…?
「あはっ、やっぱり僕に褒められるの好きでしょルーク。撫でられただけでイっちゃうんだ。…かわい」
また頭を撫でるアーノルド。その感触に胸がずっときゅうきゅうと疼いて切ない。
胸が収縮する度に涙が零れる。
「涙止まらないね…嬉しい?ルーク」
頭を撫でていた手で僕の涙を拭うように目元から頬を撫で付ける。
口をハクハクさせてダメなことを口走りそうになる。
アーノルドに屈服してしまいそうになる。
すべてさらけ出してしまいたくなる。
僕を受け入れて欲しくなってしまう。
認めて欲しくなってしまう。
ぼくを、あいしてほしくなってしまう。
アーノルドは僕なんかではなく、主人公と結ばれるべきだ。
僕がアーノルドに訪れるであろう幸せを奪ってはいけない。
ラルクも同じだ。
ラルクも僕ではなく、将来母親に似た素敵な人と出会い、フォンルージュも何のしがらみも無いところで幸せになるのだ。
ラルクとアーノルドと僕の関係は断罪されれば終わる、前世でいう『セフレ』。
気持ちを許せば僕も辛くなる。許してはいけない。求めてはいけない。
ただ快楽で繋がっているだけの関係だ。
僕は最後の力と理性を絞り出し、自分の舌を勢い良く噛み切って死のうとする。
その瞬間父に付けられた呪いの腕輪が発動し、身体に信じられないくらいの電流と激痛が走る。
「ッッぁあ゛あ゛あ゛!!」
久々の電流による絶する痛みは薬で朦朧としていた僕を現実に戻してくれる。
「ルークッ!?」
アーノルドが驚き苦しむ僕を起き上がり横抱きにして心配そうに様子を伺う。
僕は心配そうに見てくれているアーノルドを、痛む体に鞭打って力をできるだけ込めて押し倒す。
何が起きているか未だ分かっていない呆けた顔をしている王子に僕は舌なめずりをし、言い放つ。
「……変な御託はいいから、早くアーノルドの太くて硬いのちょうだい。
俺の中いっぱいついて、いっぱい『おあそび』して?…ね、王子さま…」
138
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
人気俳優に拾われてペットにされた件
米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。
そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。
「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。
「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。
これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる