7ガツ5カのアナタ

海棠エマ(水無月出版)

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2025年1月

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2025年1月

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 「久しぶりだね~。前回会ったのが6月くらいだから半年ぶり?元気してた?」
 ユヅの洋服のテイストの変わりように少々驚きながら、茗はゆっくりと木の椅子に腰を落ち着ける。近藤のことを聞いてみたかったけど、話が変なふうに拗れそうなので、聞くのはやめにした。
 「ここ、来てみたかったんだよね。昭和テイストのカフェ」
 ユヅはメロンソーダを、茗はコーヒーを注文した。
 ユヅは長いデニムのスカートに革ジャンという少し強気な格好をしていた。そういう茗も割と短いミニスカートにゴツいロングブーツを合わしているので、変わりようはふたりとも一緒だった。柔らかいワンピースを着た二人はもういない。
 「元気だったよ。最近なにしてんの?」
 茗が聞くと、ユヅはメロンソーダをかき混ぜて言った。トップのアイスクリームが溢れてコップの端にベッタリとついたが、ユヅは気にせずにかき混ぜる。
 「就活始めようかなって」
 あぁ、もうそんな時期か。
 「就活、やだな。目標があって進んできたはずなのに、今じゃわかんなくなっちゃった」
 「憂鬱そうだね」
 「茗も来年の今頃はこんな感じだよ、きっとね」
 沈黙が流れる。高校生の2人からしてみたら、考えられない沈黙の間だった。茗は気まずくなって慌てて口を開いた。
 「私小説書くよ」
 「は?」ユヅはマスカラで伸ばしたまつ毛を震わせてこっちをまじまじと見つめた。
 「突然どうしたの?」メロンソーダのアイスクリームは無惨にもひっくり返っていた。アイスが緑の炭酸に溶けて白く濁った。
 「小説書くの、私の目標。これからペンで生きていくんだ」
 「無理でしょ。そんなに甘くないよ。一攫千金狙っているのかもしれないけど、一体何万人の競争相手がいると思ってるの」
 いいんだ、別に。ユヅにそう言われそうな気はしていた。多方面で好奇心が働いても、彼女は現実主義者だもの。
 「逆らって信じるのも良いかなって」
 茗は格好よく言った。昨日ストレートパーマをかけた黒髪が肩を撫でるようにこぼれ落ちる。
 「じゃこのあと予定あるの」
 「茗、ちょっと待ってよ。意味わかんない。何があったの?」
 ユヅの言葉を背景に茗はカフェを飛び出した。もちろん、コーヒー代はテーブルの上に置いてきた。
 『半年後になにが起ころうと知ったこっちゃない。都市伝説は都市伝説だ。私は平気。だって、やりたいことを見つけたもの。試練が達成を邪魔しようとするなら、立ち向かってやろうじゃない』
 東京の冷たい空気を思い切り吸い込む。生まれ変わった気がして、ワクワクした。
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