The Brain City

宗次郎

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七味

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・・・・・・・・

「こんばんわ」
「あ、いらっしゃいませ」
「随分涼しくなったわよね」
と話しながら知世さんはカウンターの一番右の席についた。

「そうですね 今年の夏は長かったですね やっと涼しくなりましたよ」

そう、私はこの街ではバーテンだ。

ここは人口2万人程の小さな街で、大した観光も仕事も無いので例に漏れず人口減少問題を抱えている。どうやったら人口が増えるのか?そんな議論をやってるふりして変な政策と、飲み会ばかりのやつ。少数派の真剣な公務員は煙たがられ、まともな人は街を離れる。嫌気がさしてまた都会に戻っていくUターン組。地域おこし協力隊などという名目で3年お金をもらったのちに次の金ずる地へと飛んでいく渡り鳥たち。何故こんなどこにでもありそうな場所でバーテンをしているかは不明だが、この"blue"というバーが私の居場所のようだ。

「七味くださいー」

奥の個室から叫ぶ警察官。二次会で来た警察官たちが騒いでいる。七味?何に使うのか。と思いながら持っていくと、若手の警察官が上司から殴られていた。しかし彼は笑顔でむしろ楽しんでいるように見えた。じゃんけんに負けたら殴られるというルールのようだった。

「おい、俺を殴れ!」
「いや、先輩は殴れません!」
「上司の命令だぞ!」
「わかりました。。」
「お前、上司を殴ったな!罰として七味だ!」
「いてーー」

その先輩警察官は、罰として後輩警察官の陰部に七味を塗っていた。

「やだね、下品で。。」
と知世さん。
「体育会系のノリってやつですかねー」
と話しながら、陰部を洗うためにびしょびしょになったトイレの洗面台の掃除に行くことを考えて腹立たしくなった。もし明日一時停止で警察に停められたらトイレ掃除と引き換えに見逃してもらうけどな、とも思った。何せここは小さな街。顔バレしてないやつの方が少ないからな。何より七味に謝れ!このゴミ野郎が!と内心では汚い言葉を使いながら知世さんと乾杯。そんな夜。

「そういえば、週末また岳くん血だらけで交差点に立ってたらしいよ」
「またですか?」
岳くんと言ってももう50過ぎのおっさん。スナックで他の客に喧嘩吹っかけていつも殴られて終わり。正義ではないことは確かだ。よくある話すぎて酒のつまみにもならねえ話だ。

言っておくが、ここは都会ではない。
田舎街だからこそのカオスか?

「お会計して」
といつもの色っぽい声で会計を済ませ、
「またねー」と帰っていく知世さん。

正直この夢は楽しくはない。
記憶が消えない夢ってそもそも意味が分からない。
結末はあるのか。。

とりあえず文字に起こしてみようと思った。


私の脳みその中の世界
The Brain City ・・・・・・・・・



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