46 / 83
人類の見守り役
46話 悪魔側の創造主の意志を体現する者
しおりを挟む
目の前にある宮殿は白とピンクが基調の温かみのある色合いだった。
って........宮殿なんてどうでもいいわ!
「何するのよ!!何で邪魔したの!?」
と、私はストラウスに向けて声を張り上げた。
「ユリアナどうしてそんなに怒ってるの?」
マルシャは彼がエルトロンだという事が分からなかったらしい。
ストラウスは頭を掻きながら応える。
「すいません。今、あなた達二人が出会ってしまうと”私達”のしてきた事が水の泡になってしまうので........まさか、あの広大なニンファルで彼と出会うことになるとは。そちらの創造主の法則も恐ろしいものです」
何やら訳の分からないことを言っている。
「水の泡って何のことよ!!あなた私達に何を隠しているの!?」
「仕方がないですね。正直にお伝えしましょう。
ユリアナとエルトロンが今、出会ってしまうと天使側の創造主による支配が進み、マルフィの人間の大部分が救われないままになってしまいます。
そうすると、エルトロンのしてきた事まで無駄になってしまうでしょう」
ストラウスは私を見据え、断固とした意志を感じる口調で言う。
え?......エルトロンのしてきた事まで無駄になる......ですって?
エルトロンを引き合いに出せば私が落ち着いて話を聴くだろうという、ストラウスの計算だろうか?
だとしたら、それは大成功だろう。
私はストラウスから詳しく話を聴かざる得なくなった。
「それってどういうこと?」
私はストラウスをジト目で睨み、腕を組みつつ聴いた。
マルシャは今までの会話で、先ほどの男性がエルトロンの生まれ変わりであるという事に気が付いたようだった。マルシャもストラウスをじっと見て真剣に話を聴こうとしていた。
「ここで立ち話も何ですので、この宮殿内で話をしましょう。
ここは真相界のマルフィで、この宮殿と”そこ”に広がる街は私達、悪魔が作り上げたものです」
”そこ”と指を指す方向を振り返ると、柵の向こう側の眼下には華やかな街並みが広がっている。
どうやら宮殿は高い位置にあり、街を見下ろせる場所に建っていたようだ。
ファンタジー感があり、悪魔が作ったとは想像もできないほど温かみの感じられる街並みである。
眺めた街の色彩は全体的にピンクと白が基調になっているように見える。
それにしても奇妙なのはマルフィに付き物の靄がこの街の周辺だけ無くなっていることだ。あと、微かに見える遠くの景色には、アースから来た人間達の想念が無自覚に作り上げたアースと同様の灰色の街が靄の中に見える。
その対比が風景に混沌とした印象を持たせる。
天使や神々がマルフィを意識できないから、それを隠れ蓑に悪魔達はマルフィを拠点にしているのだろうか。
おそらく、この街の周辺だけ靄が無いのは、この街に住む悪魔達は真相が見えているからかも。
靄は仮相界に意識を囚われた人達の意識の反映だからだ。真相が見えている住民が多い場所では靄は発生しないだろう。
「分かった。宮殿の中で話しましょう」
私とエルトロンが出会う事で、エルトロンの選択が無駄になってしまうと聴いては、その内容を聴くまで、ストラウスの言うとおりにするしかない。
「話を聴いて頂けるようで良かったです。怒ってウラノスに飛び立ってしまったらどうしようかと思いました」
余裕の態度を崩さないストラウスらしかぬ心底安堵した様子に、わずかに安心感を覚えた。
ストラウスに悪意は無く、何らかの正義のために最善を尽くそうとしている事が伺えたからだ。
ストラウスの言う通り、私は天使としての力により、いつでもウラノスに飛び立つ事ができる。ただ、移動できる範囲は”自分の知覚できる範囲”に限られている。
例えば、私はまだ人間的視点に囚われがちなため、仮相界ニコルヌゼリのような想像がしにくい世界へ自分の力だけで移動する事はできない。
ストラウスは宮殿の大きな黄土色の扉を押し開き、私達3人は宮殿の中に入った。
中は大広間で綺麗な装飾品が飾られていた。悪魔が飾り付けたとは思えないようなデザインの物ばかりである。
抱擁しあう男女の石像。男性は黒い燕尾服のようなものを着ていて、女性は白いドレスを着ているのが特徴的だ。
他は、
様々な世界を同時に一つの絵に纏めたような構図の美しい絵画。
宇宙に浮かぶ様々な星々や銀河が輝く線で繋がりあう天井の絵。
など.......
どれ一つとっても、どこか高次元の美しさを感じさせる。
私がそれらの物に感心していると、マルシャが言った。
「すごいね.......天使の世界にある宮殿の装飾は、もう少し天使的な価値観に沿ったものだったよね。天使が人類を見守っている絵だとか、神がいて、その下に天使がいて、人類がいる、みたいな」
言われてみればその通りだ。
この宮殿の装飾には神という存在を感じない。それにも関わらず、何か高次元の美しさを感じる。
何と言うか”全ての存在が平等に価値があり、平等な力を持っている”といったメッセージを感じる。
「本当だわ。あまり観た事が無いものが多いね」
私達が装飾品の美しさに目を奪われていると.......
黒いローブを着た人相の悪い紫の髪の男性がストラウスの元へやってきて、話しかけた。
何というか、この宮殿に似つかわしくないタイプの人間だ。
まあ、それを言うなら青い目の悪魔的な外見のストラウスも同じなのだが。
「メレディスがマルファーニにやられちまった!今、ここに着いて手当てを受けている。思ったよりも奴は手強かったらしい........メルミアはマルファーニの元に渡った。どうする??」
「大丈夫です。万が一、メルミアがマルファーニの元に渡ってしまった時のために対策は講じてあります。バルドはメレディスの傍にいてあげてください」
そう言いながらバルドと呼ばれた男性の肩を叩く。
「あ、あぁ。分かった......」
いそいそと大広間の外に繋がる通路を駆けていった。
マルファーニ........
今さっきニンファルのベルガモア帝国の大通りで群衆が叫んでいた名前だわ。
何だかきな臭いわね。
「ねえ、マルファーニって誰なの?」
私は心と裏腹に、何気ない感じで聴いてみた。
ストラウスは少し上を向き考えた後.....
”分かりました。あそこで話しましょう”と、大広間の脇にあるソファーとテーブルを指さした。
私とマルシャは隣同士で、ストラウスは机を挟んで真正面に座る。
「マルファーニはニンファルのグラブダル地域で勇者とされている女性です。彼女は女神エラールユリオプスのニンファル顕現体でもあり、天使側の創造主の意志を体現する者の一人です」
創造主の意志を体現する者。
その単語は天使としての生の中で幾度となく聴いたことがある。
”創造主の意に正確に沿って行動する事で大きな力を授かった人間”を指す言葉だ。
「そういえば、エルトロンとあなたが出会うといけない理由をお伝えするにあたって、これもお伝えした方が良いかもしれませんね。
エルトロンはこちら側の創造主の意志を体現する者の一人でした」
唐突に言われ、私の頭が真っ白になる。
エルトロンが悪魔側の創造主の意志を体現する者??あのエルトロンが?
マルシャも驚きの顔で絶句しているようだ。
「あなたも不思議に思ったことは無いでしょうか?なぜ、エルトロンは天使にも関わらず神庁の神々を超えた知恵と力を持っていたのか」
「確かに......不思議に思ったことがあるわ。ウラノスでは能力に合わせて厳密に立場や役割が決められてる。神々以上の知恵や力を持つなら、エルトロンは神になっていたはずなんだけど。
彼は天才とは言われていたけど、エルトロン以外、こういうのって聴いた事がないわ」
私は過去の彼を思い出しつつ、ストラウスの言った事で点と点が線で繋がってしまう不安を感じていた。
「彼には神庁の神々とは決定的に違う要素がありました。
それは、前世に破壊神であった過去があるという点です。また、その破壊神もまたこちら側の創造主の意志を体現する者でした」
破壊神ですって!?
破壊神と言えば、知的生命体が進歩する上で停滞の元になる存在を破壊する役割を持った、ウラノスよりも遥か上層の神だわ。
「こちら側の創造主の意志を体現する破壊神として前世で培った精神があるゆえに、天使側の創造主の法則を外れた知恵や力を発揮する事ができました。ただ、その影響を受けている事はエルトロン自身は無自覚でしょうがね。
もちろん、天使側の創造主も黙って見てはいません。それゆえに、エルトロンによるパーゲトル殲滅が引き起こされ、神へといたる道を断とうとしたのではないでしょうか?
過去、アースの賢者に対してもそうしたように......」
「え?でも、さっきの話からすると、それは悪魔側の創造主の仕掛けたことじゃないの?」
マルシャがもっともな疑問を口にした。
「もちろん、その通りです。ただ、こちら側の創造主と言えども、天使側の創造主の意向にまるで沿わない形であれほど大きな出来事を起こすのは難しいでしょう。過去も現時点でも天使側の創造主の影響力の方が大きいのですから。
ですので、おそらくは、天使側の創造主としてもエルトロンのパーゲトル殲滅が好ましい理由があったのだと思います。
それを好機として、こちら側の創造主があなた達がパーゲトル殲滅に参加する事、また、その後の転生など様々な事に手を加えたのではないでしょうか」
エルトロンの前世が破壊神であったり、悪魔側の創造主の意志の体現者である事には驚いている。ただ、これは私にとってはさほど重要ではなかった。彼がどんな影響を受けていようが、彼自身は私の愛する彼なのだから。
問題なのは.........
「どうして、私とエルトロンが出会うとエルトロンの選択や、あなた達のしてきた事が水の泡になってしまうのかしら?」
私にとってもっとも重大な事を聴いた。
ストラウスは珍しく言葉を発するのを躊躇った。
その後、意を決するように口にする。
「エルトロンとあなたが結ばれると、天使側の創造主により真相界全土を巻き込む大戦が引き起こされる危険性が極めて高いからです」
って........宮殿なんてどうでもいいわ!
「何するのよ!!何で邪魔したの!?」
と、私はストラウスに向けて声を張り上げた。
「ユリアナどうしてそんなに怒ってるの?」
マルシャは彼がエルトロンだという事が分からなかったらしい。
ストラウスは頭を掻きながら応える。
「すいません。今、あなた達二人が出会ってしまうと”私達”のしてきた事が水の泡になってしまうので........まさか、あの広大なニンファルで彼と出会うことになるとは。そちらの創造主の法則も恐ろしいものです」
何やら訳の分からないことを言っている。
「水の泡って何のことよ!!あなた私達に何を隠しているの!?」
「仕方がないですね。正直にお伝えしましょう。
ユリアナとエルトロンが今、出会ってしまうと天使側の創造主による支配が進み、マルフィの人間の大部分が救われないままになってしまいます。
そうすると、エルトロンのしてきた事まで無駄になってしまうでしょう」
ストラウスは私を見据え、断固とした意志を感じる口調で言う。
え?......エルトロンのしてきた事まで無駄になる......ですって?
エルトロンを引き合いに出せば私が落ち着いて話を聴くだろうという、ストラウスの計算だろうか?
だとしたら、それは大成功だろう。
私はストラウスから詳しく話を聴かざる得なくなった。
「それってどういうこと?」
私はストラウスをジト目で睨み、腕を組みつつ聴いた。
マルシャは今までの会話で、先ほどの男性がエルトロンの生まれ変わりであるという事に気が付いたようだった。マルシャもストラウスをじっと見て真剣に話を聴こうとしていた。
「ここで立ち話も何ですので、この宮殿内で話をしましょう。
ここは真相界のマルフィで、この宮殿と”そこ”に広がる街は私達、悪魔が作り上げたものです」
”そこ”と指を指す方向を振り返ると、柵の向こう側の眼下には華やかな街並みが広がっている。
どうやら宮殿は高い位置にあり、街を見下ろせる場所に建っていたようだ。
ファンタジー感があり、悪魔が作ったとは想像もできないほど温かみの感じられる街並みである。
眺めた街の色彩は全体的にピンクと白が基調になっているように見える。
それにしても奇妙なのはマルフィに付き物の靄がこの街の周辺だけ無くなっていることだ。あと、微かに見える遠くの景色には、アースから来た人間達の想念が無自覚に作り上げたアースと同様の灰色の街が靄の中に見える。
その対比が風景に混沌とした印象を持たせる。
天使や神々がマルフィを意識できないから、それを隠れ蓑に悪魔達はマルフィを拠点にしているのだろうか。
おそらく、この街の周辺だけ靄が無いのは、この街に住む悪魔達は真相が見えているからかも。
靄は仮相界に意識を囚われた人達の意識の反映だからだ。真相が見えている住民が多い場所では靄は発生しないだろう。
「分かった。宮殿の中で話しましょう」
私とエルトロンが出会う事で、エルトロンの選択が無駄になってしまうと聴いては、その内容を聴くまで、ストラウスの言うとおりにするしかない。
「話を聴いて頂けるようで良かったです。怒ってウラノスに飛び立ってしまったらどうしようかと思いました」
余裕の態度を崩さないストラウスらしかぬ心底安堵した様子に、わずかに安心感を覚えた。
ストラウスに悪意は無く、何らかの正義のために最善を尽くそうとしている事が伺えたからだ。
ストラウスの言う通り、私は天使としての力により、いつでもウラノスに飛び立つ事ができる。ただ、移動できる範囲は”自分の知覚できる範囲”に限られている。
例えば、私はまだ人間的視点に囚われがちなため、仮相界ニコルヌゼリのような想像がしにくい世界へ自分の力だけで移動する事はできない。
ストラウスは宮殿の大きな黄土色の扉を押し開き、私達3人は宮殿の中に入った。
中は大広間で綺麗な装飾品が飾られていた。悪魔が飾り付けたとは思えないようなデザインの物ばかりである。
抱擁しあう男女の石像。男性は黒い燕尾服のようなものを着ていて、女性は白いドレスを着ているのが特徴的だ。
他は、
様々な世界を同時に一つの絵に纏めたような構図の美しい絵画。
宇宙に浮かぶ様々な星々や銀河が輝く線で繋がりあう天井の絵。
など.......
どれ一つとっても、どこか高次元の美しさを感じさせる。
私がそれらの物に感心していると、マルシャが言った。
「すごいね.......天使の世界にある宮殿の装飾は、もう少し天使的な価値観に沿ったものだったよね。天使が人類を見守っている絵だとか、神がいて、その下に天使がいて、人類がいる、みたいな」
言われてみればその通りだ。
この宮殿の装飾には神という存在を感じない。それにも関わらず、何か高次元の美しさを感じる。
何と言うか”全ての存在が平等に価値があり、平等な力を持っている”といったメッセージを感じる。
「本当だわ。あまり観た事が無いものが多いね」
私達が装飾品の美しさに目を奪われていると.......
黒いローブを着た人相の悪い紫の髪の男性がストラウスの元へやってきて、話しかけた。
何というか、この宮殿に似つかわしくないタイプの人間だ。
まあ、それを言うなら青い目の悪魔的な外見のストラウスも同じなのだが。
「メレディスがマルファーニにやられちまった!今、ここに着いて手当てを受けている。思ったよりも奴は手強かったらしい........メルミアはマルファーニの元に渡った。どうする??」
「大丈夫です。万が一、メルミアがマルファーニの元に渡ってしまった時のために対策は講じてあります。バルドはメレディスの傍にいてあげてください」
そう言いながらバルドと呼ばれた男性の肩を叩く。
「あ、あぁ。分かった......」
いそいそと大広間の外に繋がる通路を駆けていった。
マルファーニ........
今さっきニンファルのベルガモア帝国の大通りで群衆が叫んでいた名前だわ。
何だかきな臭いわね。
「ねえ、マルファーニって誰なの?」
私は心と裏腹に、何気ない感じで聴いてみた。
ストラウスは少し上を向き考えた後.....
”分かりました。あそこで話しましょう”と、大広間の脇にあるソファーとテーブルを指さした。
私とマルシャは隣同士で、ストラウスは机を挟んで真正面に座る。
「マルファーニはニンファルのグラブダル地域で勇者とされている女性です。彼女は女神エラールユリオプスのニンファル顕現体でもあり、天使側の創造主の意志を体現する者の一人です」
創造主の意志を体現する者。
その単語は天使としての生の中で幾度となく聴いたことがある。
”創造主の意に正確に沿って行動する事で大きな力を授かった人間”を指す言葉だ。
「そういえば、エルトロンとあなたが出会うといけない理由をお伝えするにあたって、これもお伝えした方が良いかもしれませんね。
エルトロンはこちら側の創造主の意志を体現する者の一人でした」
唐突に言われ、私の頭が真っ白になる。
エルトロンが悪魔側の創造主の意志を体現する者??あのエルトロンが?
マルシャも驚きの顔で絶句しているようだ。
「あなたも不思議に思ったことは無いでしょうか?なぜ、エルトロンは天使にも関わらず神庁の神々を超えた知恵と力を持っていたのか」
「確かに......不思議に思ったことがあるわ。ウラノスでは能力に合わせて厳密に立場や役割が決められてる。神々以上の知恵や力を持つなら、エルトロンは神になっていたはずなんだけど。
彼は天才とは言われていたけど、エルトロン以外、こういうのって聴いた事がないわ」
私は過去の彼を思い出しつつ、ストラウスの言った事で点と点が線で繋がってしまう不安を感じていた。
「彼には神庁の神々とは決定的に違う要素がありました。
それは、前世に破壊神であった過去があるという点です。また、その破壊神もまたこちら側の創造主の意志を体現する者でした」
破壊神ですって!?
破壊神と言えば、知的生命体が進歩する上で停滞の元になる存在を破壊する役割を持った、ウラノスよりも遥か上層の神だわ。
「こちら側の創造主の意志を体現する破壊神として前世で培った精神があるゆえに、天使側の創造主の法則を外れた知恵や力を発揮する事ができました。ただ、その影響を受けている事はエルトロン自身は無自覚でしょうがね。
もちろん、天使側の創造主も黙って見てはいません。それゆえに、エルトロンによるパーゲトル殲滅が引き起こされ、神へといたる道を断とうとしたのではないでしょうか?
過去、アースの賢者に対してもそうしたように......」
「え?でも、さっきの話からすると、それは悪魔側の創造主の仕掛けたことじゃないの?」
マルシャがもっともな疑問を口にした。
「もちろん、その通りです。ただ、こちら側の創造主と言えども、天使側の創造主の意向にまるで沿わない形であれほど大きな出来事を起こすのは難しいでしょう。過去も現時点でも天使側の創造主の影響力の方が大きいのですから。
ですので、おそらくは、天使側の創造主としてもエルトロンのパーゲトル殲滅が好ましい理由があったのだと思います。
それを好機として、こちら側の創造主があなた達がパーゲトル殲滅に参加する事、また、その後の転生など様々な事に手を加えたのではないでしょうか」
エルトロンの前世が破壊神であったり、悪魔側の創造主の意志の体現者である事には驚いている。ただ、これは私にとってはさほど重要ではなかった。彼がどんな影響を受けていようが、彼自身は私の愛する彼なのだから。
問題なのは.........
「どうして、私とエルトロンが出会うとエルトロンの選択や、あなた達のしてきた事が水の泡になってしまうのかしら?」
私にとってもっとも重大な事を聴いた。
ストラウスは珍しく言葉を発するのを躊躇った。
その後、意を決するように口にする。
「エルトロンとあなたが結ばれると、天使側の創造主により真相界全土を巻き込む大戦が引き起こされる危険性が極めて高いからです」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる