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0003 追想の「メタ氏、年越し蕎麦をいただく!!」の巻

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いよいよ大晦日ですね。
あなたは紅白派ですか?
それとも笑ってはいけない派ですか?
いや、今年もガキ使は無いんでしたね。
しかし2023年はダウンタウンの二人が還暦を迎えるため、
2023年の年末は笑ってはいけないが復活するという説もあります。
あと格闘技のチャンネルもあったように思いますが、
いつのまにかやらなくなったんでしょうかね。

さて大晦日といえば年越し蕎麦ですね。
20代30代の中には特に食べないという方も増えてるそうですが、
年の暮れの雰囲気を味わいたくて召し上がるという方も、
まだまだいらっしゃるのではないでしょうか。
身体障害者施設に入所中の小生はといえば、
献立表を確認したところ夕食に出るようです。
大盛りだといいなあ。

昭和時代末期の大晦日、
小学5、6年生の小生は中学受験に向け、
モーレツに塾の問題集と睨めっこしていました。
夕食はふつうに食べます。
食後は母と祖母がおせち作りで慌ただしいなか、
改めて机に座らされ問題集に取り組まされました。
(強制的に勉強しろ勉強しろの教育方針でした)
夜22時頃仮眠することを母に許されます。
テレビの紅白歌合戦のそれぞれの歌手の歌声が、
すべてどことなくせつなく聴こえました。

紅白が終わる頃ですかね。
「蕎麦出来たから早く食べなさい」と母に起こされます。
茹で上がったお蕎麦が大きなお椀にうつされ、
立ち昇る湯気を猫背の小生がぼーっと眺めます。
ちょうどテレビからは「ゆく年くる年」の
鐘のつく音が流れてきます。
母と祖母と小生と愛犬ぺるがテーブルを囲んで、
次の一年を前にして年越し蕎麦をすすりました。

それから二十年ほど経ち、
祖母はすでに亡くなっており、
母とも別居していた小生は、
トゥレット症候群や首の障害で仕事が出来ず、
生活保護を受けて一人暮らしをしていました。
大晦日の晩は、
スーパー玉出で安く買った、
「日清どん兵衛てんぷらそば」と「マルちゃん緑のたぬき」を、
スーパーの袋から出して熱いお湯を注ぎます。
3分を経てアルミの蓋を開けても、
家族で一緒に囲んだときの味わいはもうありませんでした。
しかし2種類も食べられるなんて嬉しいなあ~と、
なんだかリッチな気分になったりしたのでした。
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