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物語のはじまり
『紅龍の牙』団長視点 王都パレードを終えて①
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ここはアスフィール神聖王国の王都──アルフィリア。
ここアルフィリアでは、本日、国家一大プロジェクトの完成式典が執り行われていた。
正式名称は、ゲートタワー完成記念式典。
王都では、式典を祝う為に、様々な催し物が行われていた。
王都闘技場では、特別試合が組まれ一般観衆達の声援で盛り上がる。
公営投票所では、大量の掛金が飛び交う風景がそこかしこで見られる。
野外大ホールでは、無料の観劇祭が一日中に渡り公開される。
街中の様々は場所に、多種多様な屋台が立ち並び、数多くの人で通りを埋め尽くす。他にも様々な催し物が行われ、今や王都中が人々の熱気に包まれ、お祭り騒ぎのように賑わっていた。
人々の賑わいが溢れる中において、王都の中央通りで開催されているパレードも終盤を迎えようとしていた。
「「うお──」」「「うあ──」」
「「きゃ──」」「「わ───」」
鳴り止まない英雄を鼓舞し続ける熱狂的な歓声。
賞賛の雨とも言うべき拍手喝采の嵐。
これらは全てパレードに参加した騎士団やクラン、そして数多くの英雄達に向けてのエールだった。
逸早くパレードを終えた『紅龍の牙』の団員達は、会場の熱気に浮かされ興奮しながらも、王都の端に建造されたゲートタワー内部に続々と入っていく。
ゲートタワー内部通路を進みゆく中においても、なお、歓声の音とさざ波のような音がここまで聞こえてくる。
ようやく煩わしいパレードを終えたが、人々の歓声が俺の思考の邪魔をする。
「うるせえな、ここまで声が聞こえるのかよ......」
俺は呟いた。
俺の名前はゲオルダルク。
『紅龍の牙』クラン団長の役職につき、クラン代表も兼ねている。
俺は、特殊職業『魔団将』っていう特殊職業に就いている。
『魔団将』は、上級魔法を使いこなし、集団戦闘を得意とする指揮官寄りの職業になる。
役職と職業だけは立派な肩書きがついてまわるんだがな。実際の俺は45歳になってからは、若かった頃のように身体を鍛えれば鍛えるほど強くなる実感もなくなった。ここ最近は、毎日の日課である鍛錬をしても、身体の動きが鈍ってきた。身体の疲れも抜けやしねぇ。しかも、身体の衰えを日に日に感じるようになってきた。
これが年を取ったということなんだろう。
何にせよ今の俺は、見た目のガタイだけが自慢の駄目親父に成れ果てちまった。
駄目親父ってのは、俺に対してよく使われる呼び名だ。
2人の娘達と話し合う度に、いつも駄目親父呼ばわりされてるから、それが板に付いちまったんだ。
その2人の娘達も今回の遠征に同行している。今回の遠征には連れて来る気はなかったんだが、2人共、半ば強引に付いてきやがった。2人の安全をどう担保するか、余計な仕事がまた増えちまった。
「駄目親父、シャキッとしろよ。背筋が曲がってるぜ」
この声は俺の娘で、18歳のゼミラディア。
跳ねっ返りのやんちゃな長女だ。
散々言い合って止めたにも関わらず、遠征に無理やり付いてきた馬鹿娘でもある。
ゼミラの意思を変えるのは、俺じゃぁ役不足だったようだ。
「ゼミラ、遠征中はその呼び名はよせって、毎回言ってるだろ」
「なんでだよ。いつも母さんを泣かして悲しませてるだろ。毎回懲りずに浮気してよ。そんな奴は、駄目親父って呼ぶしかねえだろ」
「人前で俺の悪行を喋るんじゃねえよ。この駄目娘がっ」
みんな見てんだろうが。
団長の威厳が損なわれるから、口を閉じてろよ。ったくよ。
「知るか。駄目親父の偉業を広めてやってんだ。むしろ感謝しやがれっ」
ゼミラの口の悪さは、口の悪い大人達に囲まれて育ったから、結果、こうなっちまった。
「こんな糞人間が俺の親父かと思うと、悲しくて泣きたくなるぜ。そもそも、俺の母さんに隠れて、何人の団員の女共に子供産ませてんだ。クランの団員の中に何人の馬鹿親父の子供がいるのか、分かってんのか。10や20じゃねぇだろうが。権力持ってるからって母さんに内緒でハーレムなんか作ってんじゃねぇぞ。この駄目親父」
糞っ。こんな娘だが、実力は超一流で、いまやクランの主力メンバーでもある。
職業は『剣姫将』って前線攻撃がメインの職種についていて、攻撃の要の役目をこなす凄い娘なんだ。
髪と瞳の色は、母親の遺伝を引き継いだ緑髪金眼、しかも絹のような白い肌。
母親のエルフと人間の俺との間に生まれたハーフエルフだから、耳も細長い。
母親のエルフの血を色濃く受け継いだのか、俺の娘とは思えねえほどに顔も整っていやがる。
女の象徴──乳の膨らみもしっかり受け継いでらしい。
スベスベのまな板なのは、非情に残念で、そこだけが本当に悔やまれる。
まあ、そこは、此奴の魅力ってことにしてくれや。
とにかく外見は、超がつくほどの美人な外見をしているんだが。
べったり俺にしがみつき、金魚のフンのように何処に行くにも必ず付いてきやがるから、余計にうざってぇ。性格は俺の遺伝を引き継いだみたいでよ。だからなおさら、此奴の扱いにはほとほと困り果てているんだ。
「そういうゼミラも俺と同類だろ。俺の血が半分流れるゼミラも駄目娘ってことになるんじゃねえのか」
此奴は此奴で本当に取り扱いに困る迷惑な奴なんだ。
見た目が外見詐欺のゼミラは、人前で注目されてるのも関係ねぇと言わんばかりに、決まってとんでもねえことを毎回仕出かしやがる。毎回遠征時には、必ずといっていいくらい起こる『ゼミラの法則』に振り回されることになるんだ。
「俺は悲しいぜ。一生懸命育てたはずなのに、こんな馬鹿娘に育っちまったんだからなぁ」
どうも此奴にとって遠征とは、出会ったことのない好みのタイプを探し出す出会いの場なんだと、勘違いしているらしくてなぁ。
「今度の遠征では、どんな男を押さえつけて犯す気なんだ。余り羽目を外して『紅龍の牙』の評判を下げるんじゃねえぞ。ちった~ぁ、少しは女らしく大人しくしてろ」
ゼミラはなぁ、気に入った異性を見つけると女豹のように忍び寄り、そいつを無理やり組み伏せ、自分の陣地にまで有無を言わせずに連れ帰ってきて、そのまま子作りしちまう困った娘なんだ。
本人に聞くと、ゆきずりの関係の方が後腐れなくていいんだとよ。
冒険者家業の男共は直ぐに死ぬから、最初からいないほうがせいせいするらしい。
此奴は、まだ若い年なんだが、この歳で、もう既に3人の子供を産んで育ててるんだぜ。子供達の為にも、団員との結婚を勧めたんだが、どうにも俺の言うことを聞きやしねぇ。
「なんだよ。俺は馬鹿親父みたいに毎日発情して盛っちゃいねぇぜ。それに馬鹿親父は母さんと結婚してんだろ。俺は独身だからな。だから、好きなことしててもいいんだよ」
此奴の母親──ユリシュトライムは王城の精霊宮殿にて、今も囚われの身だ。
奴隷紋を刻まれて、貴族達の手足となって働くことを強要されてんだが、そんなに悪い扱いはされていねぇ。いつでも家族との面会も許されるし、側使いも何人もいるし、食い物は毎日、高級料理が振舞われている。
ユリシュと結婚するにいたった訳は、金払いを渋る財務大臣からの提案だった。
財務大臣からは、王宮から依頼のあったクエスト報酬金銭の代替えとして、ユリシュを体良く押し付けてきたんだ。まあ、俺としては、王城の精霊宮殿に顔パスで入れるようになるって聞いたから受け入れたんだが。そんで、精霊宮殿の一室で励んだ結果、此奴等が生まれ俺が引き取ったんだ。
「言い訳あるか!!少しは子供達のことを考えろ」
「馬鹿親父、テメエこそ子供のことを考えやがれ」
「なんだとぉ~、馬鹿娘ぇ」
俺とゼミラは、火花を散らすように睨み合った。
「馬鹿親父、テメエに俺を叱る権利なんざねぇからな。だから、俺の子育てに口出しすんじゃねえ。馬鹿親父は俺に文句垂れる前に、さっさと去勢しちまいな」
親の俺に向かって何てことを言いやがるんだ。
年甲斐もなく、熱くなっちまったが、こういう時は力ずくで解決するのが手っ取り早い。此奴の剣の腕には、もうレベルが違いすぎて勝てねえが、魔法ならまだゼミラを圧倒出来る。一度、此奴の鼻っ柱をへし折って置かねえと、此奴はどんどん増長するだろう。
面倒臭いがやるしかなさそうだ。
重力魔法で此奴を動けないようにしてから説教してやるか。
俺がゼミラの鼻っ柱をへし折ろうと、無詠唱で魔法を発動しようとしたところ....。
寸前で、思わぬ邪魔が入った。
「駄目親父と駄目姉、今は遠征中。もう止めて」
横から口出ししてきたのは、俺の2番目の娘だ。
次女の名前はリスタディア。今年15歳で成人したばかりの生娘だ。
リスタの外見は、俺の遺伝を受けた黒髪黒眼で肌が若干茶色っぽい。
此奴も中々美人な容姿だ。耳はやはり長めで、ハーフエルフの特徴が出ている。
此奴は馬鹿な姉と違って、母親と同じくらい頭がよくて天才肌だ。
だが、人付き合いが苦手らしくて、今も彼氏の一人も居やしねえ。
もう成人してんだが、此奴は未だに処女のままなんだぜ。
処女だから踏み出す勇気が無いんだと安易に考えて「俺がリスタの処女膜を破ってやってもいいぜ」と冗談で話してみたら、それ以来、軽蔑の眼差しで見られるようになっちまった。
「何だと。妹の癖に姉に指図すんじゃねえ」
今怒って喋った姉のゼミラと、妹のリスタは水と油のような関係だな。
何かあるとすぐ、喧嘩を始めようとしやがる。
まあ、姉のゼミラは特殊職業『剣姫将』っていうバリバリの脳筋職だし。
妹のリスタは、特殊職業『錬金姫』という魔術職だから、どうにも2人の相性が合わねえようだわ。
「馬鹿姉は周りを見て。目立ちたいの?」
リスタの言う通りだった。
周りをみると確かに注目されてるようだ。
「喜劇俳優でも目指すの?それなら止めないよ」
ここアルフィリアでは、本日、国家一大プロジェクトの完成式典が執り行われていた。
正式名称は、ゲートタワー完成記念式典。
王都では、式典を祝う為に、様々な催し物が行われていた。
王都闘技場では、特別試合が組まれ一般観衆達の声援で盛り上がる。
公営投票所では、大量の掛金が飛び交う風景がそこかしこで見られる。
野外大ホールでは、無料の観劇祭が一日中に渡り公開される。
街中の様々は場所に、多種多様な屋台が立ち並び、数多くの人で通りを埋め尽くす。他にも様々な催し物が行われ、今や王都中が人々の熱気に包まれ、お祭り騒ぎのように賑わっていた。
人々の賑わいが溢れる中において、王都の中央通りで開催されているパレードも終盤を迎えようとしていた。
「「うお──」」「「うあ──」」
「「きゃ──」」「「わ───」」
鳴り止まない英雄を鼓舞し続ける熱狂的な歓声。
賞賛の雨とも言うべき拍手喝采の嵐。
これらは全てパレードに参加した騎士団やクラン、そして数多くの英雄達に向けてのエールだった。
逸早くパレードを終えた『紅龍の牙』の団員達は、会場の熱気に浮かされ興奮しながらも、王都の端に建造されたゲートタワー内部に続々と入っていく。
ゲートタワー内部通路を進みゆく中においても、なお、歓声の音とさざ波のような音がここまで聞こえてくる。
ようやく煩わしいパレードを終えたが、人々の歓声が俺の思考の邪魔をする。
「うるせえな、ここまで声が聞こえるのかよ......」
俺は呟いた。
俺の名前はゲオルダルク。
『紅龍の牙』クラン団長の役職につき、クラン代表も兼ねている。
俺は、特殊職業『魔団将』っていう特殊職業に就いている。
『魔団将』は、上級魔法を使いこなし、集団戦闘を得意とする指揮官寄りの職業になる。
役職と職業だけは立派な肩書きがついてまわるんだがな。実際の俺は45歳になってからは、若かった頃のように身体を鍛えれば鍛えるほど強くなる実感もなくなった。ここ最近は、毎日の日課である鍛錬をしても、身体の動きが鈍ってきた。身体の疲れも抜けやしねぇ。しかも、身体の衰えを日に日に感じるようになってきた。
これが年を取ったということなんだろう。
何にせよ今の俺は、見た目のガタイだけが自慢の駄目親父に成れ果てちまった。
駄目親父ってのは、俺に対してよく使われる呼び名だ。
2人の娘達と話し合う度に、いつも駄目親父呼ばわりされてるから、それが板に付いちまったんだ。
その2人の娘達も今回の遠征に同行している。今回の遠征には連れて来る気はなかったんだが、2人共、半ば強引に付いてきやがった。2人の安全をどう担保するか、余計な仕事がまた増えちまった。
「駄目親父、シャキッとしろよ。背筋が曲がってるぜ」
この声は俺の娘で、18歳のゼミラディア。
跳ねっ返りのやんちゃな長女だ。
散々言い合って止めたにも関わらず、遠征に無理やり付いてきた馬鹿娘でもある。
ゼミラの意思を変えるのは、俺じゃぁ役不足だったようだ。
「ゼミラ、遠征中はその呼び名はよせって、毎回言ってるだろ」
「なんでだよ。いつも母さんを泣かして悲しませてるだろ。毎回懲りずに浮気してよ。そんな奴は、駄目親父って呼ぶしかねえだろ」
「人前で俺の悪行を喋るんじゃねえよ。この駄目娘がっ」
みんな見てんだろうが。
団長の威厳が損なわれるから、口を閉じてろよ。ったくよ。
「知るか。駄目親父の偉業を広めてやってんだ。むしろ感謝しやがれっ」
ゼミラの口の悪さは、口の悪い大人達に囲まれて育ったから、結果、こうなっちまった。
「こんな糞人間が俺の親父かと思うと、悲しくて泣きたくなるぜ。そもそも、俺の母さんに隠れて、何人の団員の女共に子供産ませてんだ。クランの団員の中に何人の馬鹿親父の子供がいるのか、分かってんのか。10や20じゃねぇだろうが。権力持ってるからって母さんに内緒でハーレムなんか作ってんじゃねぇぞ。この駄目親父」
糞っ。こんな娘だが、実力は超一流で、いまやクランの主力メンバーでもある。
職業は『剣姫将』って前線攻撃がメインの職種についていて、攻撃の要の役目をこなす凄い娘なんだ。
髪と瞳の色は、母親の遺伝を引き継いだ緑髪金眼、しかも絹のような白い肌。
母親のエルフと人間の俺との間に生まれたハーフエルフだから、耳も細長い。
母親のエルフの血を色濃く受け継いだのか、俺の娘とは思えねえほどに顔も整っていやがる。
女の象徴──乳の膨らみもしっかり受け継いでらしい。
スベスベのまな板なのは、非情に残念で、そこだけが本当に悔やまれる。
まあ、そこは、此奴の魅力ってことにしてくれや。
とにかく外見は、超がつくほどの美人な外見をしているんだが。
べったり俺にしがみつき、金魚のフンのように何処に行くにも必ず付いてきやがるから、余計にうざってぇ。性格は俺の遺伝を引き継いだみたいでよ。だからなおさら、此奴の扱いにはほとほと困り果てているんだ。
「そういうゼミラも俺と同類だろ。俺の血が半分流れるゼミラも駄目娘ってことになるんじゃねえのか」
此奴は此奴で本当に取り扱いに困る迷惑な奴なんだ。
見た目が外見詐欺のゼミラは、人前で注目されてるのも関係ねぇと言わんばかりに、決まってとんでもねえことを毎回仕出かしやがる。毎回遠征時には、必ずといっていいくらい起こる『ゼミラの法則』に振り回されることになるんだ。
「俺は悲しいぜ。一生懸命育てたはずなのに、こんな馬鹿娘に育っちまったんだからなぁ」
どうも此奴にとって遠征とは、出会ったことのない好みのタイプを探し出す出会いの場なんだと、勘違いしているらしくてなぁ。
「今度の遠征では、どんな男を押さえつけて犯す気なんだ。余り羽目を外して『紅龍の牙』の評判を下げるんじゃねえぞ。ちった~ぁ、少しは女らしく大人しくしてろ」
ゼミラはなぁ、気に入った異性を見つけると女豹のように忍び寄り、そいつを無理やり組み伏せ、自分の陣地にまで有無を言わせずに連れ帰ってきて、そのまま子作りしちまう困った娘なんだ。
本人に聞くと、ゆきずりの関係の方が後腐れなくていいんだとよ。
冒険者家業の男共は直ぐに死ぬから、最初からいないほうがせいせいするらしい。
此奴は、まだ若い年なんだが、この歳で、もう既に3人の子供を産んで育ててるんだぜ。子供達の為にも、団員との結婚を勧めたんだが、どうにも俺の言うことを聞きやしねぇ。
「なんだよ。俺は馬鹿親父みたいに毎日発情して盛っちゃいねぇぜ。それに馬鹿親父は母さんと結婚してんだろ。俺は独身だからな。だから、好きなことしててもいいんだよ」
此奴の母親──ユリシュトライムは王城の精霊宮殿にて、今も囚われの身だ。
奴隷紋を刻まれて、貴族達の手足となって働くことを強要されてんだが、そんなに悪い扱いはされていねぇ。いつでも家族との面会も許されるし、側使いも何人もいるし、食い物は毎日、高級料理が振舞われている。
ユリシュと結婚するにいたった訳は、金払いを渋る財務大臣からの提案だった。
財務大臣からは、王宮から依頼のあったクエスト報酬金銭の代替えとして、ユリシュを体良く押し付けてきたんだ。まあ、俺としては、王城の精霊宮殿に顔パスで入れるようになるって聞いたから受け入れたんだが。そんで、精霊宮殿の一室で励んだ結果、此奴等が生まれ俺が引き取ったんだ。
「言い訳あるか!!少しは子供達のことを考えろ」
「馬鹿親父、テメエこそ子供のことを考えやがれ」
「なんだとぉ~、馬鹿娘ぇ」
俺とゼミラは、火花を散らすように睨み合った。
「馬鹿親父、テメエに俺を叱る権利なんざねぇからな。だから、俺の子育てに口出しすんじゃねえ。馬鹿親父は俺に文句垂れる前に、さっさと去勢しちまいな」
親の俺に向かって何てことを言いやがるんだ。
年甲斐もなく、熱くなっちまったが、こういう時は力ずくで解決するのが手っ取り早い。此奴の剣の腕には、もうレベルが違いすぎて勝てねえが、魔法ならまだゼミラを圧倒出来る。一度、此奴の鼻っ柱をへし折って置かねえと、此奴はどんどん増長するだろう。
面倒臭いがやるしかなさそうだ。
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寸前で、思わぬ邪魔が入った。
「駄目親父と駄目姉、今は遠征中。もう止めて」
横から口出ししてきたのは、俺の2番目の娘だ。
次女の名前はリスタディア。今年15歳で成人したばかりの生娘だ。
リスタの外見は、俺の遺伝を受けた黒髪黒眼で肌が若干茶色っぽい。
此奴も中々美人な容姿だ。耳はやはり長めで、ハーフエルフの特徴が出ている。
此奴は馬鹿な姉と違って、母親と同じくらい頭がよくて天才肌だ。
だが、人付き合いが苦手らしくて、今も彼氏の一人も居やしねえ。
もう成人してんだが、此奴は未だに処女のままなんだぜ。
処女だから踏み出す勇気が無いんだと安易に考えて「俺がリスタの処女膜を破ってやってもいいぜ」と冗談で話してみたら、それ以来、軽蔑の眼差しで見られるようになっちまった。
「何だと。妹の癖に姉に指図すんじゃねえ」
今怒って喋った姉のゼミラと、妹のリスタは水と油のような関係だな。
何かあるとすぐ、喧嘩を始めようとしやがる。
まあ、姉のゼミラは特殊職業『剣姫将』っていうバリバリの脳筋職だし。
妹のリスタは、特殊職業『錬金姫』という魔術職だから、どうにも2人の相性が合わねえようだわ。
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