女児霊といっしょに。シリーズ

黒糖はるる

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女児霊といっしょに。~学校の七不思議~

第五章:ミステリー・オブ・ミッドナイト 1

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 朝礼で、可児校長から「二階の渡り廊下使用禁止」について伝えられる。原因は学校に置いておいた花火が暴発して工事中の人達が慌てて渡り廊下を壊してしまった、という恐ろしく意味不明な内容。でも、あの真面目なカニボウズが言うのだから本当なのだろう、という空気のおかげで誰もツッコミを入れない。
 大丈夫か、この学校。
 本当の原因を作ったオレが言うのもどうかと思うが。

 今週から担当である五年生のフロアへ行く途中、修理をしてくれている作業員の方々を見ると申し訳ない気持ちになってくる。オレ達が壊した分を直してくれているのに濡れ衣まで着せられているなんて……。
 マジでごめんなさい。
 もし対霊依頼があったら割引しますんで。

 ところで。
 何故小学校には冷房がないのか。疑問に思ったことはあるだろうか。
 否、本当はある。しかし使われることはほぼない。もし使われるとしたらそれは職員室や保健室、もしくは夏休みの補習の時くらいか。
 何が言いたいのかと問われたら一つ、暑いんじゃい。
 だが冷房という禁断の手はオレの判断で使えない。ましてや担任教師ですらも。何故ならその使用権利を握っているのは可児校長だからだ!畜生、このままだと茹でた蟹のように真っ赤になってしまう。校長よ、教室という名の蒸し器に入って美味しく調理されてみろ。今すぐ冷やしたくなるはずだ。冷たい蟹も美味しいけれども。

 ……オレは何を考えているんだ。頭が沸騰しているのか、集中が途切れて土鍋に浮いている可児校長の絵面が浮かんでは消えている。浮き沈み激しいな。
 しかし子供達は凄いな。この暑さの中でも元気はつらつとしている。おかしいな、つい最近までオレだってこのくらいの歳だったのに。もう暑さにやられてしまうなんて情けないぞ。
 まだ夏本番に至っていないというのに、これでは先が思いやられる。

「それでは、これで国語の授業を終わります」
「『「ありがとうございました!」』」

 やっと授業が終わるが、これはまだ一時間目。
 次は体育だ。いっぱい体を動かさなくてはならない――が、汗だくべとべとになる必要はない。何故なら夏の体育といえば、そう!水泳だからだ!
 厳密に言えば汗はかいているしのどは渇くしで最終的にはへとへとになるのだが、それでも水を浴びてさっぱり出来るというのはポイントが高い。ただ問題点として着替えに時間がかかることが挙げられる。特に終わった後は水着がぐっしょり濡れていて脱ぎにくい。そして体もだるくなる。おかげで次の授業までの休み時間はほぼ着替えと準備だけで終わってしまう。流石の小学生でも遊んでいる余裕はナッシング。
 ……ん?着替え?なんかデジャヴ――

「着替えるの待って!まだお兄さんがいるよ!」
「何でまだいるのよ!早く出ていって!」
「えっち!変態!ゴミムシ!」

 次々と飛び交う女子達からの罵声ばせい
 しまった、体育前ということは着替えをするということ。そして低学年と違い高学年は男女別で着替えをする(男子は先にプールへ向かってから着替えている)。そして水着を着るためには一度全裸になる……プール用タオルを巻いているとはいえ、男子高校生がいて良い場所じゃない。その辺のことに無頓着むとんちゃくな子がもう着替え始めているし。

「ご、ごめん!気付かなかった!すぐ出るから!」

 手早く教材を片付け、プールバッグを持って脱兎だっとの如く教室を飛び出す。

「嘘つき!どうせ最初から見る気だったんでしょ!」
「男子ってやっぱりサイテー!」
「高校生だって言うからもっといい人だと思ったのに……」
「むしろ大人の男の方が変態よ」
「あー分かる分かる。イケメンでもエロいの好きなのは嫌だよね~」
「また言い訳して覗きそう」

 罵詈雑言ばりぞうごんを背中で受けながら、オレはとぼとぼとプールへと向かう。
 低学年の子供達とは大違いの扱われ方だ。これならまだ美羽ちゃんの乱暴さの方がマシだ。体は傷つかないが、心がブレイク。散々変態呼ばわりされてきたけれども、女子一同結託してのバッシングは辛い。

 そういえば五年生くらいになってくると男子と女子の間に溝が生まれて、それがどんどん拡がっていったな。中学校では明確に線でも引いたのかと思うくらい、がっつり分断されていた。ベルリンの壁かよ。
 ……あの頃も、邪険にされていたなぁ。思い出すと涙が出てくるぞ。

「いくら駆郎にぃがロリコンだからってアレは酷いよね~」

 腕を組んでぷんぷんと怒っているなな。その姿は黄色いプール帽に紺色のスクール水着。先程の女子が持っていた物を見て霊力で再現したのだろう。












「お前も相当オレのこと貶していたけどな」
「そうだっけ?」
「今、人のことロリコンって言ったばかりじゃねーか」
「それは~……愛?とかそんな感じ?」
「愛のむちでしばいたろか」
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