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女児霊といっしょに。~学校の七不思議~
第五章:ミステリー・オブ・ミッドナイト 4
しおりを挟む今回も学校が閉まるギリギリまで粘って、女子トイレの窓が確実に施錠されていることを確認してから下校。
一夜明けて水曜日。
可児校長とほぼ同時に校内へ入り、猛ダッシュで駆け上がる。目指す先は当然五年生用の女子トイレ。
今度こそどうだと思ったが――オレの願いは虚しく、見事に一つだけ開いていた。
「オレの防心が効かない!?何故だ!?」
女子トイレの入り口に貼った防心は剥がれていないし霊力を受けて無力化された様子もない。ちゃんと効力を発揮出来る状態のままだ。
ならばどうして、また窓が開いているんだ?
念導札の効果を無視して出入りが可能な霊の仕業……?あり得る。いくら念導者やその技術が進歩したとしても、霊の性質には未だ多くの謎が残っている。怪異全般となればまだまだ不明なことの方が多い。それこそ深海の神秘並に。オレ達の知らないとんでも性能を持ったニュータイプ系悪霊がいる可能性を否定できない。
それともオレの念導札を作る技術が低下した……?こっちもあり得る。防心はまだ浄霊技術が未熟だった頃に作って以来で、最近はあまり作っていなかった。久しぶりに作ったせいで質の悪い札になってしまったのだろうか。
「お~い、駆郎にぃ~。しっかりしろ~」
物理的に頭を抱えているオレを心配してくれているなな。だが、その声は寝起き特有のふにゃふにゃ声で、励ます気があるのかとツッコミを入れたくなる。
「ななはどう思う?」
「何が?」
「滅茶苦茶特殊な霊のせいか、オレの技術が悪かったのか。どっちだろうなって話」
「それ、駆郎にぃが下手っぴになったって言ったら怒るパターンでしょー」
「うん」
「うわ、理不尽」
答えは決まっている。いや、決まっていることにしたい。
今回は特殊なタイプのせいなんだ。
そうに違いない。
じゃないとこの歳でお守りもまともに作れないポンコツ念導者の烙印を押されてしまう。
「よーし、こうなったら出血大サービスだ、ド畜生」
オレはありったけの防心を女子トイレに貼り付けまくる。さらに別種の札も使って徹底的にやってやる。
念導札―聖結―。
結界を張る効果を持つ札だ。この中に入った霊は札が正常である限り結界の外に出ることが出来ず、また外部からも霊による干渉を不可能にする。とんでもない霊力を持っている悪霊なら突破されるかもしれないが、窓を開ける程度の迷惑しかかけない奴に力負けする訳がない。それ程聖結は強力な念導札なのだ。
「よ~し、ななも出血大サービスだ~!」
「血涙はいらないから」
「え~」
女子トイレを血みどろにしたら別件の七不思議が誕生しちゃうだろ。
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