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女児霊といっしょに。~学校の七不思議~
幕間:ピカリンマジカル☆アニマルんず 1
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私は 陸神レイナ!たてがみ中学校に通う中学二年生!
クラスメイトで友達の 海立オトちゃん、 空島サキちゃんと一緒に“ピカリンマジカル☆アニマルんず”に変身して地球の平和を守っているんだ!
実は転校してきた 龍牙ロノちゃんが、私達の敵――ハンターズのエリート戦士ロンロンだったんだ……。いっぱい遊んで楽しかったのに全部演技だったなんて……そんなの嘘!嘘だよね!?
サキちゃんが変身したピカマジ☆ファルコンの真空波が、ロノちゃんに当たった。
最初は何でロノちゃんを攻撃するのって驚いたけど、煙が晴れるとそこにはロノちゃんじゃなくてロンロンが立っていた。
「もしボクがハンターズじゃなかったら大変なことになってたよ?」
「あなたが演技していることは前から分かっていたから」
サキちゃんがいつもの調子で冷静に言っているけど、私にはもう何が何だか分からないよ。
「ハンターズの幹部やトラエイル達がどんなに襲いかかってきても、あなただけはいつも無事だった。ううん、襲われることもなかった。でも一番の決め手はさっきのトラエイルかな。学校のみんなが眠らされたのに、あなたには効いていなかった。ということは私達ピカリンマジカルか、ハンターズだけってこと」
「あちゃー、それはミスだったなぁ。折角ボクが役立つところ見てもらって、もっとお近づきになりたかったのに」
ロノちゃん――ううん、ロンロンは可笑しそうにけらけら笑っている。今まで気付かなかった私達のことを馬鹿にするみたいな笑い方だ。
「何のために友達のフリなんてしたんですの!?」
オトちゃん――ピカマジ☆ドルフィンが涙をいっぱい目元に溜めて叫んでいる。いつも優しいドルフィンでも、裏切られて怒っているんだ。
「そんなの簡単さ。君達を内部からメチャクチャにするためだよ?それ以外あるかな?」
「そんな訳ないっ!」
私はロンロンの言うことが信じられず、思わず叫んだ。
「レイナちゃん……いや、ピカマジ☆ライオン。もしかしてボクのことを本当の友達だと思ってくれていたの?ふふ、嬉しいなぁ♪」
「思っているよ!ロンロンだって私達と戦うより笑い合える方がいいはずって思わなかった!?」
「……思わなかった――よっ!」
ロンロンの爪から、紫色の衝撃波が飛んでくる。私は飛び退いて避ける。さっきまで私がいたところでは大爆発が起きていて、土煙で前が見えなくなった。
「――きゃうっ!?」
ずどんっ!
脇腹に凄い衝撃が走った。ロンロンの回し蹴りが私に当たったんだ。
「「ライオン!」」
私の身を案じて駆け寄ってくるドルフィンとファルコンだったけど、その二人もロンロンは蹴り飛ばしていく。
「ボクが友達でも何でもないってこと……嫌ってほど分からせてあげるから!」
“ピカリンマジカル☆アニマルんず”
「友情の奇跡!ピカマジ☆ドラゴン誕生!」
どかん!どかん!どかん!
爆発が連続で起こって、私達は吹き飛ばされる。
強い。ロンロンがいつもより強い!
私の体を守っているピカマジコスチュームがもうボロボロになっている。
私だけじゃない。ドルフィンもファルコンも同じだ。
「はぁっ……はぁっ……」
「どうだい、これで分かっただろう?ボクは君達のことを何とも思っていない、ハンターズの一員なのさ!」
勝ち誇っているみたいに、ロンロンは笑っている。
けど、おかしい。
笑っているけど、悲しそう。
初めて戦った頃のロンロンは本気で私達を倒すことを楽しんでいた。
でも、今のロンロンは無理に笑って自分に言い聞かせているみたい。
やっぱり、ロンロンがロノちゃんとして私達と遊んだ時間は無駄じゃなかったんだ!
「ピカマジ☆ファルコン・ブレイド!」
ファルコンが必殺技の巨大な真空波をロンロンに放った。けど、それはロンロンの爪で引き裂かれちゃう。バラバラになった真空波はあっちこっちに飛び散って、大爆発した。
「まだやるの?……もう諦めてよ」
「悪いけど、私達が負けたら地球が終わっちゃうから」
「じゃあ完璧に倒しちゃうけど、いいよね?」
「やれるもんならやってみてよ!」
ファルコンは一気に飛んで踵落としをする、けどロンロンの方が速い!大きな爪で鋭いヒールが防がれている。
「ピカマジ☆ドルフィン・ストリーム!」
水の渦が勢いよくロンロンにぶつかって、水飛沫を上げる。ドルフィンの必殺技だ。でもそれが直撃してもロンロンは平気そうに立ち上がった。
今のは効いたはず。体にも傷あとがあるのに。それでも何事もなかったみたいにまた攻撃してくる!
「ピカマジ☆ライオン・ブラスター!」
私はたてがみみたいな形の髪から光線を放つ、けどロンロンは止まらない。光線を爪で裂きながら突っ込んでくる!
「食らえっ!」
至近距離から紫色の光弾が、私のお腹に撃ち込まれる。
「きゃああああああああっ!」
私は吹き飛ばされて、背中を街路樹で強打した。
その間にもドルフィンとファルコンは攻撃されていて、遂に立っているのはロンロンだけになった。
「……っぐ」
背中がみしみしと悲鳴を上げていて、全然立ち上がれない。回復に力を全部注いでいるけど、間に合わない。
もう、ロンロンが目の前まで来ている。
「分かったでしょ?これでボクがどれだけ悪い奴かってコト」
「……違うよ」
「違わない!今だってこうやってボクは君達を傷つけている!」
「だったら、どうして手加減してるの……?」
「は?何、言ってるんだよ。そんな訳ないさ!本気で、本気で倒そうとしているんだ!」
ロンロンは必死に否定している。
でも、いっぱい攻撃を受けて分かる。初めて戦った時より光弾は弱くなっているし、爪を急所に当てないようにしている。もし当たりそうになったらわざと逸らそうとしているもん。
ロンロンが本気で戦っていたら、もっと早く私達は負けているはずだ。
「もういいよ、ロンロン。自分に嘘をついていたって辛いだけだよ?」
「……さい」
「あなたがハンターズだからって関係ない!今からだって遅くないよ、私達と一緒にやり直そう!」
「うるさいうるさいうるさああああああいっ!」
ロンロンの爪が。
私の顔へ向かって。
振り下ろされて。
「………やっぱり、出来ないよね」
爪の切っ先は、私に当たる直前で止まっていた。
「……っく……う……」
ぽた、ぽた、ぽた。
ロンロンの目から、大粒の涙が零れ落ちてくる。
「ボクだって……もう嫌なんだよ……。地球のみんなが、レイナ達がっ!倒さなきゃいけない相手だなんてもう思えないんだよっ!」
溢れ出す涙を止めようとして、ロンロンは一生懸命手で拭っている。でも、止まりそうになかった。
「もう……ボクはピカリンマジカルとは戦いたくないよ……!」
膝を付いて、ロンロンは大声で泣き出した。
「……私も戦いたくない。だから、ロンロンと一緒だよ」
私は泣いて震えるロンロンの体をそっと抱きしめる。
今まで私達を苦しめてきた強敵だったけど、触れ合ってみればこんなにも温かい。みんなと同じ、生きている動物なのだから。
ずどんっ!
衝撃が走った。
何が起きたの!?
考えが追いつく前に、ロンロンがどさっと地面に倒れた。背中からは黒い煙が立ち上っていた。
「いけないね~、裏切りはゼツメーツ様が許さないよ?」
この声は、アノマーロ!
声がした方を見ると、そこには三幹部のアノマーロ、ティラノーザ、スミロードがいつの間にかこちらに向かってくる姿があった。
「可愛い顔して困ったちゃんね。あたしが食べちゃおうかしら?」
「いえいえ。こういう時は老人であるわたくしを労ってですね……」
「おいおい、仕留めたのはオレなんだけど~?」
ロンロンを後ろから撃っておいて、これ以上酷いことをするつもりなの!
なんとしても守らないと!
私はロンロンの前に立って盾になろうとする……けど、体が思うように動かない。やっぱり回復が追いついていないんだ。
「行かせないよっ!」
「ライオンとロンロンさんは私達が守ります!」
そこにファルコンとドルフィンが割り込んで、侵攻を妨げようとしている。けど二対三、しかも幹部となると手が回らない。隙間を縫ってアノマーロが私の方に向かってくる!
がきぃんっ!
金属同士がぶつかるような音がして、アノマーロの爪と私の爪が火花を散らした。
「な~んで敵を庇っているのかな~?」
「ロンロンはもう戦いたくないって言ったの!だから、もう友達!友達なら守って当然でしょ!?」
「ははは、そんなに簡単なんだな。友達になるってさ~」
嘲笑うみたいにアノマーロが煽ってくる。
私の考えが楽観的で、いつも勢いばかりだってことなんて自分が一番分かっている。
でも今は!
ロンロンと繋がったこの心は手放せない!
ピカリンマジカルのみんなが、手負いのボクのために戦っている。
今まで散々酷いことをしてきたのに、必死でボクのことを守ってくれている。
ハンターズのエリートだったのに、スパイ先で心変わりして裏切っちゃうようなボクなんて食べられて絶滅させられて当然なのに。
こんな、ボクなんかのために……!
嫌だ。
ボクのために、ピカリンマジカルが絶滅しちゃうなんて嫌だ。
お願い、ボクの体……もうちょっとでいいから動いて!
三幹部を退けられるだけの力を!
地球に生きる、みんなのために!
その瞬間、目映い光が目の前に現れた。
「これは……」
光の中にあったのは、紫色のアニマルージュ。レイナちゃん達が変身に使っている口紅型のアイテムだ。でもレイナちゃんはピンク、オトちゃんは白、サキちゃんは黄緑だ。
じゃあ、この紫色は誰の物……?
「もしかして、地球がボクのことを認めてくれたの……?」
アニマルージュにそっと触れてみる。
前みたいに、聖なる光はボクのことを拒まない。それなら、握ることも――
―アニマルんず・エボリューション!―
ボクの体は光に包まれ、戦闘服が美しい衣に変化する。
その衣は、レイナちゃん達とそっくりの、ピカリンマジカルそのもの。
「これは……」
ボクは、ピカリンマジカルに変身していた。
「ど、どういうことだよ、おい~!」
「ロンロンが変身してる!?どうして、どうして!?」
みんなびっくりしている。
ボクだってびっくりしているよ。
でもわたわたするよりも前に、言わなきゃいけないことがある気がした。
「……ボクは、ピカマジ☆ドラゴン!四人目のアニマルんずだ!」
つづく
え~!?ロンロンが新しいアニマルんず!?
そんな話全然聞いてないよ~!?どうしようどうしようっ!
って、うわ~!?凄く強い!って今度は暴れ出しちゃったよ!?
もう、何が何だか分からないよ~!!
次回、“ピカリンマジカル☆アニマルんず”!
「スゴすぎ、強すぎ!?暴れん坊のピカマジ☆ドラゴン!」
来週も、命・満開・咲き乱れ!
クラスメイトで友達の 海立オトちゃん、 空島サキちゃんと一緒に“ピカリンマジカル☆アニマルんず”に変身して地球の平和を守っているんだ!
実は転校してきた 龍牙ロノちゃんが、私達の敵――ハンターズのエリート戦士ロンロンだったんだ……。いっぱい遊んで楽しかったのに全部演技だったなんて……そんなの嘘!嘘だよね!?
サキちゃんが変身したピカマジ☆ファルコンの真空波が、ロノちゃんに当たった。
最初は何でロノちゃんを攻撃するのって驚いたけど、煙が晴れるとそこにはロノちゃんじゃなくてロンロンが立っていた。
「もしボクがハンターズじゃなかったら大変なことになってたよ?」
「あなたが演技していることは前から分かっていたから」
サキちゃんがいつもの調子で冷静に言っているけど、私にはもう何が何だか分からないよ。
「ハンターズの幹部やトラエイル達がどんなに襲いかかってきても、あなただけはいつも無事だった。ううん、襲われることもなかった。でも一番の決め手はさっきのトラエイルかな。学校のみんなが眠らされたのに、あなたには効いていなかった。ということは私達ピカリンマジカルか、ハンターズだけってこと」
「あちゃー、それはミスだったなぁ。折角ボクが役立つところ見てもらって、もっとお近づきになりたかったのに」
ロノちゃん――ううん、ロンロンは可笑しそうにけらけら笑っている。今まで気付かなかった私達のことを馬鹿にするみたいな笑い方だ。
「何のために友達のフリなんてしたんですの!?」
オトちゃん――ピカマジ☆ドルフィンが涙をいっぱい目元に溜めて叫んでいる。いつも優しいドルフィンでも、裏切られて怒っているんだ。
「そんなの簡単さ。君達を内部からメチャクチャにするためだよ?それ以外あるかな?」
「そんな訳ないっ!」
私はロンロンの言うことが信じられず、思わず叫んだ。
「レイナちゃん……いや、ピカマジ☆ライオン。もしかしてボクのことを本当の友達だと思ってくれていたの?ふふ、嬉しいなぁ♪」
「思っているよ!ロンロンだって私達と戦うより笑い合える方がいいはずって思わなかった!?」
「……思わなかった――よっ!」
ロンロンの爪から、紫色の衝撃波が飛んでくる。私は飛び退いて避ける。さっきまで私がいたところでは大爆発が起きていて、土煙で前が見えなくなった。
「――きゃうっ!?」
ずどんっ!
脇腹に凄い衝撃が走った。ロンロンの回し蹴りが私に当たったんだ。
「「ライオン!」」
私の身を案じて駆け寄ってくるドルフィンとファルコンだったけど、その二人もロンロンは蹴り飛ばしていく。
「ボクが友達でも何でもないってこと……嫌ってほど分からせてあげるから!」
“ピカリンマジカル☆アニマルんず”
「友情の奇跡!ピカマジ☆ドラゴン誕生!」
どかん!どかん!どかん!
爆発が連続で起こって、私達は吹き飛ばされる。
強い。ロンロンがいつもより強い!
私の体を守っているピカマジコスチュームがもうボロボロになっている。
私だけじゃない。ドルフィンもファルコンも同じだ。
「はぁっ……はぁっ……」
「どうだい、これで分かっただろう?ボクは君達のことを何とも思っていない、ハンターズの一員なのさ!」
勝ち誇っているみたいに、ロンロンは笑っている。
けど、おかしい。
笑っているけど、悲しそう。
初めて戦った頃のロンロンは本気で私達を倒すことを楽しんでいた。
でも、今のロンロンは無理に笑って自分に言い聞かせているみたい。
やっぱり、ロンロンがロノちゃんとして私達と遊んだ時間は無駄じゃなかったんだ!
「ピカマジ☆ファルコン・ブレイド!」
ファルコンが必殺技の巨大な真空波をロンロンに放った。けど、それはロンロンの爪で引き裂かれちゃう。バラバラになった真空波はあっちこっちに飛び散って、大爆発した。
「まだやるの?……もう諦めてよ」
「悪いけど、私達が負けたら地球が終わっちゃうから」
「じゃあ完璧に倒しちゃうけど、いいよね?」
「やれるもんならやってみてよ!」
ファルコンは一気に飛んで踵落としをする、けどロンロンの方が速い!大きな爪で鋭いヒールが防がれている。
「ピカマジ☆ドルフィン・ストリーム!」
水の渦が勢いよくロンロンにぶつかって、水飛沫を上げる。ドルフィンの必殺技だ。でもそれが直撃してもロンロンは平気そうに立ち上がった。
今のは効いたはず。体にも傷あとがあるのに。それでも何事もなかったみたいにまた攻撃してくる!
「ピカマジ☆ライオン・ブラスター!」
私はたてがみみたいな形の髪から光線を放つ、けどロンロンは止まらない。光線を爪で裂きながら突っ込んでくる!
「食らえっ!」
至近距離から紫色の光弾が、私のお腹に撃ち込まれる。
「きゃああああああああっ!」
私は吹き飛ばされて、背中を街路樹で強打した。
その間にもドルフィンとファルコンは攻撃されていて、遂に立っているのはロンロンだけになった。
「……っぐ」
背中がみしみしと悲鳴を上げていて、全然立ち上がれない。回復に力を全部注いでいるけど、間に合わない。
もう、ロンロンが目の前まで来ている。
「分かったでしょ?これでボクがどれだけ悪い奴かってコト」
「……違うよ」
「違わない!今だってこうやってボクは君達を傷つけている!」
「だったら、どうして手加減してるの……?」
「は?何、言ってるんだよ。そんな訳ないさ!本気で、本気で倒そうとしているんだ!」
ロンロンは必死に否定している。
でも、いっぱい攻撃を受けて分かる。初めて戦った時より光弾は弱くなっているし、爪を急所に当てないようにしている。もし当たりそうになったらわざと逸らそうとしているもん。
ロンロンが本気で戦っていたら、もっと早く私達は負けているはずだ。
「もういいよ、ロンロン。自分に嘘をついていたって辛いだけだよ?」
「……さい」
「あなたがハンターズだからって関係ない!今からだって遅くないよ、私達と一緒にやり直そう!」
「うるさいうるさいうるさああああああいっ!」
ロンロンの爪が。
私の顔へ向かって。
振り下ろされて。
「………やっぱり、出来ないよね」
爪の切っ先は、私に当たる直前で止まっていた。
「……っく……う……」
ぽた、ぽた、ぽた。
ロンロンの目から、大粒の涙が零れ落ちてくる。
「ボクだって……もう嫌なんだよ……。地球のみんなが、レイナ達がっ!倒さなきゃいけない相手だなんてもう思えないんだよっ!」
溢れ出す涙を止めようとして、ロンロンは一生懸命手で拭っている。でも、止まりそうになかった。
「もう……ボクはピカリンマジカルとは戦いたくないよ……!」
膝を付いて、ロンロンは大声で泣き出した。
「……私も戦いたくない。だから、ロンロンと一緒だよ」
私は泣いて震えるロンロンの体をそっと抱きしめる。
今まで私達を苦しめてきた強敵だったけど、触れ合ってみればこんなにも温かい。みんなと同じ、生きている動物なのだから。
ずどんっ!
衝撃が走った。
何が起きたの!?
考えが追いつく前に、ロンロンがどさっと地面に倒れた。背中からは黒い煙が立ち上っていた。
「いけないね~、裏切りはゼツメーツ様が許さないよ?」
この声は、アノマーロ!
声がした方を見ると、そこには三幹部のアノマーロ、ティラノーザ、スミロードがいつの間にかこちらに向かってくる姿があった。
「可愛い顔して困ったちゃんね。あたしが食べちゃおうかしら?」
「いえいえ。こういう時は老人であるわたくしを労ってですね……」
「おいおい、仕留めたのはオレなんだけど~?」
ロンロンを後ろから撃っておいて、これ以上酷いことをするつもりなの!
なんとしても守らないと!
私はロンロンの前に立って盾になろうとする……けど、体が思うように動かない。やっぱり回復が追いついていないんだ。
「行かせないよっ!」
「ライオンとロンロンさんは私達が守ります!」
そこにファルコンとドルフィンが割り込んで、侵攻を妨げようとしている。けど二対三、しかも幹部となると手が回らない。隙間を縫ってアノマーロが私の方に向かってくる!
がきぃんっ!
金属同士がぶつかるような音がして、アノマーロの爪と私の爪が火花を散らした。
「な~んで敵を庇っているのかな~?」
「ロンロンはもう戦いたくないって言ったの!だから、もう友達!友達なら守って当然でしょ!?」
「ははは、そんなに簡単なんだな。友達になるってさ~」
嘲笑うみたいにアノマーロが煽ってくる。
私の考えが楽観的で、いつも勢いばかりだってことなんて自分が一番分かっている。
でも今は!
ロンロンと繋がったこの心は手放せない!
ピカリンマジカルのみんなが、手負いのボクのために戦っている。
今まで散々酷いことをしてきたのに、必死でボクのことを守ってくれている。
ハンターズのエリートだったのに、スパイ先で心変わりして裏切っちゃうようなボクなんて食べられて絶滅させられて当然なのに。
こんな、ボクなんかのために……!
嫌だ。
ボクのために、ピカリンマジカルが絶滅しちゃうなんて嫌だ。
お願い、ボクの体……もうちょっとでいいから動いて!
三幹部を退けられるだけの力を!
地球に生きる、みんなのために!
その瞬間、目映い光が目の前に現れた。
「これは……」
光の中にあったのは、紫色のアニマルージュ。レイナちゃん達が変身に使っている口紅型のアイテムだ。でもレイナちゃんはピンク、オトちゃんは白、サキちゃんは黄緑だ。
じゃあ、この紫色は誰の物……?
「もしかして、地球がボクのことを認めてくれたの……?」
アニマルージュにそっと触れてみる。
前みたいに、聖なる光はボクのことを拒まない。それなら、握ることも――
―アニマルんず・エボリューション!―
ボクの体は光に包まれ、戦闘服が美しい衣に変化する。
その衣は、レイナちゃん達とそっくりの、ピカリンマジカルそのもの。
「これは……」
ボクは、ピカリンマジカルに変身していた。
「ど、どういうことだよ、おい~!」
「ロンロンが変身してる!?どうして、どうして!?」
みんなびっくりしている。
ボクだってびっくりしているよ。
でもわたわたするよりも前に、言わなきゃいけないことがある気がした。
「……ボクは、ピカマジ☆ドラゴン!四人目のアニマルんずだ!」
つづく
え~!?ロンロンが新しいアニマルんず!?
そんな話全然聞いてないよ~!?どうしようどうしようっ!
って、うわ~!?凄く強い!って今度は暴れ出しちゃったよ!?
もう、何が何だか分からないよ~!!
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