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女児霊といっしょに。~学校の七不思議~
第六章:蝕愛 10
しおりを挟む誰もいない校舎は静かで、窓越しに聞こえる雨音だけが耳に届く。
ななと初めて会った場所、渡り廊下の端から階段を昇って四階まで向かう。
六年生のフロアに着いても祠に封印されているためか、悪しき気配は感じない。
だが、荒らされた六年三組には薄らと悪しき残り香があった。
オレは祠の前に座り込み、封蓋の札に手を掛ける。
びりっ。
札は簡単に剥がれた。
祠の扉が勢いよく開き、どす黒い瘴気が吹き出す。まるで振った炭酸水の容器の蓋を開けたような衝撃が突き抜けていく。
その中心には、ななの姿があった。
しかし、オレの知っているななとはまるで別人。
肌は青白く、紫の血管が浮き出ている。細く綺麗だった指は醜く歪んで尖っていた。
そして、瞼が開かれると――真紅の瞳が妖しく光っていた。
「あナたが封印を解いてくレルなんて驚きでスわ」
にぃっと口元を三日月状に歪めて、ななは微笑む。否、ななの体を借りている悪霊が笑っているだけだ。
「ふふふ、怖イお顔。そんなにワタくしのことが憎いノですか?」
「当然だろ。さっさとななから離れろ」
黒烏をくるりと回して、ななの姿をした悪霊へと構える。が、悪霊は一切動じることなく未だに笑みを絶やさない。
「嫌ですワ。おなごの霊とはイえ、このよウニ可愛い子の体が手に入ったンデスもの。骨の髄……いいえ、霊の髄まデゆっくり舐り取るヨうに、美味シク召し上がらせて戴きたいでスワ」
女性らしい丁寧さとは裏腹に、おぞましいことを口にする。ななの声で聞きたくない、腐りきった言葉だ。
「御託はいい。浄霊してやるからさっさと出てこい」
「そんなコト出来ないでショう?わたくしもろトモこのおなごも浄霊されるでショウし、それに――」
ひゅかっ、と。
ななの、鋭く変形した爪が黒烏を掠めた。
「――わタくしを倒せるとお思いデ?」
一瞬の隙に、オレへの斬撃。そして即座の退避。
八本足の悪霊形態の時よりも攻撃力こそ落ちているものの、機動力は段違いの速さ。ななの軽い霊体に浸透しているからこそ成せるハイスピードだ。
「それでも倒さなきゃいけねぇんだよ!」
オレは念導札を取り出し――たが、それはななによって真っ二つに引き裂かれてしまう。浄魂の札に触れたはずなのに、全く浄霊されていない。効果が発生しない程速いのか、それとも悪霊としての霊力が高くて強固なのか。どちらにしろ、生半可な方法では焼け石に水な状況、それ以前にオレの命が狩り取られてしまう。
「あらあラ、威勢が良いこと。でも力量が伴っていマセんことよ?」
「上等だよ、念導者の意地を見せてやる」
……と、ハッタリをかましてみせるが、力量差が激しいことは確かだ。無策で挑めば細切れにされるのがオチ。
オレの切り札、七救。
これがうまく機能してくれれば勝機はあるが、それをどうやって使うか。それが全ての鍵を握っている。
「はぁ。わタくし、あなたのヨウに暑苦しい男性は嫌いでスノ」
ななの姿が消える。
刹那、上空からの踵落とし。
黒烏を両手で支えて受け止めるが、衝撃が全身から床へと駆け抜ける。
「あなたがモウ少し可愛ければ愛でてアゲてもよろしかっタのに」
間髪入れずに腹部に衝撃。
ななの両手から衝撃波が放たれて、オレの体が宙を舞う。だが、オレは背後の掲示板に垂直に足を付けてバネのように跳ぶ。
聖結をななへと投げ、結界を発生させる。即席の牢獄の出来上がりだ。
「姑息なこトを……」
呆れたような眼差しでオレのことを見ているが、気に留める必要はない。どんなに泥臭くても、格好悪くても、ななを取り戻せるなら構わない。
「……なな、覚えているか?オレと初めて会った時のこと」
我ながら臭い問いかけ方だ。
正気を失った仲間へ必死の説得。そして起こる奇跡。どこかで見たような、ありがちなワンシーン。
「あら、コの子に呼びかけてイルンですの?感動的な手法でスが無駄ですわ。意識は完璧にわタクしが掌握しておりま――」
「黙っていろ!」
「――ソウですか。ならわたくしも聞き流してオキますわ」
気分を害したななは不満をぶつけるように結界へ鋭い指先を突き刺す。ぶつり、と裂ける音がすると徐々に結界が破かれていく。
「お前さ、勝手にオレの後をつけてきて家に不法侵入したよな」
結界が完全に破壊される。
「おかげでオレは仕事増えちまったんだよ。しかも部屋を荒らして血まみれにして……」
ななが真っ直ぐ突撃してくる。攻撃に備えて黒烏を構えるがその動きは読まれていて、ノーガードだった脇腹へと回し蹴りがめり込んだ。
「ぐぁっ!?」
オレの体が独楽の如く回転し、倒れた椅子や机を弾き飛ばしていく。直撃の瞬間骨が軋んでおり、罅が入ったか最悪折れている気がする。
「はい、モウ一ついかかデスか?」
のたうち回るオレに追撃の蹴り。サッカーボールのように蹴られ、天井まで打ち上げられた。
ばきっ、という音が体の中から聞こえたあたり、どうやら今度こそ骨が折れたようだ。
「げほっ……ごほっ!」
天井から床へと落ちたが受け身は取れた。しかし二度も胴体を蹴られたせいで臓器を傷つけたらしく、咳き込むと共に鮮血で床を染めてしまった。
「いってぇ……。お前の暴力はもっと可愛らしいはずだったのになぁ……。こう、もっとぽかぽかって音がしそうな、さ……」
「残念ですガわたくしがコノ体を使っていますノデ」
「だからてめーには聞いてねぇっての。つーか聞き流すんじゃなかったのかよ?」
挑発でななの表情が明らかに険しくなった。
一気に肉薄して必殺の踵落としを繰り出す――が、その目標にオレはいない。振り上げた足の下を潜り抜けたからだ。
煽られて怒りが思考を支配しているのか、攻撃が読みやすくなって助かった。そしてまだ怒りが収まっていないのか、踵を振り下ろす先に何があるのかも気付いていない。
爆音、そして飛び散る机の破片。
撃罰が起こした爆発だ。
霊体であるななにただの物理攻撃である撃罰は効かない。しかし、爆発による黒煙や塵は目くらましに最適だ。
「お嬢様言葉を使う割にはカリカリし過ぎじゃねぇか?」
「わたくしトしたことが、恥ずかシイです――わっ!」
黒煙が動く。
鋭い指先の先端が見える。
だが、その先にあるのもやはり撃罰。
二度目の大爆発が巻き起こり、新たな黒煙が空気中で入り混じっていく。
「そうそう、ななは怒るとすぐにお騒がせなことをするんだよな……」
「わたくしはソノおなごとは違いマすわ!」
再び煙を裂いて、ななの指先が迫り来る。
撃罰で反撃の罠を仕掛けようとするが間に合わず、死角から飛び出した膝蹴りがオレの鳩尾にめり込んだ。
「うっ……げぇぇっ!?」
胃の中の物が逆流して、栄養ドリンクが食道を通って飛び出してきた。
お腹の中をかき回されたような気持ち悪さで立ち上がれず、もう一度嘔吐してしまう。
「大切なおなごはもうワタくしのモノですのよ。こンなに可愛い子、あなたニは釣り合わないでスもの」
「……そう、だよな。確かにななは可愛いし……オレにはもったいないかもしれねぇ。でも!今は余計なモンが混じって醜くなっちまってる……。それが、オレは許せないんだよ!」
口元から滴る胃酸を腕で拭い、オレは言い放った。
「だから、てめーを絶対ぶっ潰すっ!」
ななの中に潜り込んだ憎き悪霊に、オレの決意を。
「ふ、フフっ……。わたくしのコとが醜い……でスって?」
「ああ、醜いさ!鏡を見てみろよ、折角のななのキュートな顔立ちが残念なことになってるんだよ!」
「何ですっテ……!」
「大体、ななに入る前が酷過ぎるんだよ!悪霊だから仕方ないけどな!」
「……っ!殺シテやりまスワ!」
やっぱり、怒らせるとすぐに頭に血が上るタイプだ。八本足の時も相当感情的な悪霊だったが、ななの体に入ったことでどれだけ怒っているのかとても分かりやすい。
お嬢様言葉で話すのに心の広さは庶民以下なのか、こいつ。
おかげで攻撃が単調になった。特に腕を大きく振るようになって避けやすくなったのが大きい。そして隙も多くなった。
「ちょこマカと……じっとシテいればすぐに楽にしてあげマスわ!」
「すばしっこいのはてめーの方だろ!」
とはいえ、逆に力が入って一発一発の重さは強まっている。食らったらかなりヤバイ。気を抜いたら首がすっ飛んでしまうかもしれない。
完全に避け切れそうにない攻撃には撃罰で対応し、視界を遮って距離を取る。無理をして懐に潜り込んでも蹴り飛ばされるだろう。
しかし撃罰の使い過ぎで既に教室は焼け野原同然、砕け散った机の板やさっきまで椅子だった鉄屑が一面に転がっている。おかげで動きやすくなったが、それは相手も同じだ。霊である分あちらの方が縦横無尽に空間を飛び回れて有利とも言える。
「ドンパチこんなに喧しくしていると邪怪と戦ったことを思い出さないか!?」
「じゃ、かい?何デスの、それ?わたくしは知りまセんことよ!」
鋭い指先がオレの頬を掠めて、紅の線を引いていく。
「あの時の可児校長、すげー困っていたな!それに後片付けも大変だったらしいし、色々派手にやったよな!」
「記憶にごザイませんわ!校長というのはアの僧侶のような頭の方だと思いますガ!」
撃罰が爆ぜて、爆煙が巻き上がる。
「それからさ、五年生のトイレの奴、あれはびっくりしたな!まさか犯人が普通の人間だったとは思わなかったよ!……普通、じゃないか、うん。オレもななも、吐いちゃうくらい気分悪くなったもんな!」
「一体何を見せたンですの!?汚らわシイ!」
黒烏の切っ先がななを捉えるが、寸前で躱される。
「気分悪いと言えばあの謎空間……は、見てないんだったな。でもあの時迎えに来てくれたお前のオシャレな姿、結構可愛くて気に入ってるぞ!」
「コのおなごのお洒落ですって!?わたくしも見たカッタですわ!」
「いちいちうるさいな!てめーに言ってないって何度言ったら分かるんだよ!」
本当のななに語りかけているというのに悪霊が余計な返しを言ってくるせいで、会話のドッヂボールをしているみたいじゃないか。どうせ誰も見ていないから気にするようなことではないが、うるさい。
ざくっ!
遂にオレの右肩に鋭い指先が突き刺さった。
激痛で思わず黒烏を落としてしまう。拾おうとするが、ななの払いのけのせいで黒烏は教室の隅、木片が山積みになっている場所に突き刺さってしまう。
オレは後ろへ飛び退き、攻撃範囲から離脱。左手で撃罰を投げつけて爆煙を発生させて煙の中に身を隠した。
利き手を刺されたのは痛い。そのせいで黒烏を使った中距離戦法は大幅な弱体化、というかまず拾いに行かないといけない。しかも刺し傷からどくどくと血が溢れ出していて、あまり長くは戦えそうにない。
そろそろ決着の時か。
「そうだ……、大事な思い出がもう一つあったな。友子ちゃんの浄霊の時……なながいなかったら、オレは初っぱなから躓いていたよ」
傷が痛む。血が滴り落ちる。
思いの外深かったようで、ぼたぼたと大きな血溜まりになっていた。
「……ありがとな。お前は最高の相棒だ」
正面から、ななの蹴りが飛んでくる。
オレは右前方へ跳躍して回避し、そのまま駆け抜けて黒烏を回収。浄魂を龍鎧石を巻き付ける。
「キッとそれを拾いに来るっテ、読んでイましたワ」
振り返ると、腕を振り上げているななの姿。
黒烏の先端よりも深く、ほぼゼロ距離まで迫っていた。
どすり。
青白い指先が、オレの腹にねじ込まれた。
じわじわと、鮮血が白いシャツを染め上げていく。
黒烏が手から滑り落ちて、からんっと軽い音を鳴らす。
オレは――両の手でななを抱きしめた。
「――ナっ!?どうイウつもりデスの!?」
ななは突然のオレの奇行に戸惑う。思わず突き刺した指を引き抜いてしまいながら慌てふためいている。
「どういうつもりって……ななを返してもらうんだよ!」
目映い、光。
「あぁぁあああぁあぁああぁぁぁぁぁあああぁあぁっ!?」
ななの霊体が光を放ち虹色に輝き、美しい衝撃波を幾重にも解き放つ。
オレは衝撃波に巻き込まれ、ななの体から引き離される。だが、吹っ飛んだのはオレだけではない。
「ギギギギッ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!」
ヘドロのような物体がななの体から飛び出していく。
悪霊の体が、異物が、排出されたのだ。
びしゃびしゃと床に撒き散らされた汚泥はそれぞれが意志を持って一カ所に集まって元の形に戻ろうとしているが、虹の衝撃波を受けたせいかその動きは鈍い。必死に液状の体を動かしているが、ぷるぷると震えている寒天のようだった。
手の中で消滅していく念導札に視線を移す。
まさか、七救がこんな効果になるとは思わなかった。起きる現象を具体的に考えていなかったせいなのだが、ここまで弩級のキラキラさは予想外だ。
威力も絶大なようで良かった。刺される覚悟でゼロ距離――抱きしめて七救を直接触れさせた甲斐があった。おかげで本当に腹に穴が開いてしまったが。
「…………あ、れ?駆郎……にぃ……?」
デトックスされて可愛い姿に戻ったななの瞳に、優しい光が宿っていく。
「駆郎にぃっ!」
その天真爛漫さは、いつものななだった。
オレの願い通り、ななを救い出すことが出来たんだ。
「うえ~んっ!怖かったよ~!あの悪霊さん酷いんだよ~!」
「分かった、分かったから。すげー痛いから抱きつくな」
「ごめん……って駆郎にぃ!?何その怪我、血まみれじゃん!?」
そうだよ。こちとら深めの刺し傷が二つもあるんじゃい。そして出血量も大分ピンチなレベルなんじゃい。
でも、弱音を吐くのは格好悪いな。
「ふっ、この程度なら回復の念で塞がるだろ」
自分の体の中から念を送って傷の回復を早められるし、貼るタイプこと念導札― 回養―もある。要するに自然治癒系絆創膏だ。ましろが飲んでいたスグナオルンデスと比べると性能は落ちるが、対霊処ならこれで十分だ。今回も大丈夫だろう。
「ヤバイよ、駆郎にぃ!悪霊が復活しそう!」
ななが指さす先ではヘドロの塊が元の形に戻りかけており、既に上半身が完成しそうだった。
「しつこい奴だなっ……!」
オレは浄魂巻き済みの黒烏を拾い上げ、そのまま悪霊の背中に突き刺す。
「グギャア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!」
耳障りな絶叫が木霊するが、悪霊はそれでも浄霊されない。
しぶとさはゴキブリ並かよ!
封印するしかない。だが、祠は木っ端微塵になったようで見当たらない。多分オレの撃罰のせいだ。
「なな!オレのバッグを持ってきてくれ!」
「アレだよね!?分かった!」
部屋の隅に置かれた煤と埃まみれのバッグを見つけたななは、ポルターガイストによる特急便で飛ばしてくれる。
オレはその中から新たな祠を取り出す。
こんなこともあろうかと新品を持ってきて良かった。しかもこれはオリジナルカスタマイズしたオレ流封印用祠だ。
「さぁ、これで……終わりだ!」
思いっきり祠の扉を開ける。
その中には一枚の念導札が貼られていた。これこそ、オレのカスタマイズ。
念導札― 集怪―。
あらゆる怪異を引き寄せる念を込めた、簡易版悪霊ホイホイだ。これを使えば余力が残っている悪霊に近づかず、安全に祠の中に引きずり込める。
「ア゙、ア゙ア゙ッ……フウイン、イヤダァァァッ!」
ゾル状の悪霊がトルコアイスみたいにびろ~んと伸びながら、祠の中に吸い込まれていく。
どんどん吸い込む、まだまだ吸い込む、ばりばり吸い込む!
「オ、オ、オオオォォォォォォォォォォ…………」
そして、完全に祠の中に収納された。
オレはすかさず封蓋を貼り付ける。しかし、まだ抵抗していて祠がガタガタ揺れている。
ならば――
「秘技、 九重封蓋!」
――封蓋の九枚重ねプラス最初の一枚で合計十枚の厳重封印だ。因みに技名は今、勢いで言いました。そのまんま過ぎてダサい。
「……やっと静かになったね」
「封蓋全部使ったぞ……」
これだけベッタベタに貼って漸く悪霊は沈黙してくれた。
本当に面倒臭い敵だった。
疲れた……ああ、眠い。
ばたり。
気を抜いたら体の力がすっと途切れ、床に倒れてしまった。
起き上がろうとしても、力が入らない。
あれ?……おかしいな。
異様に眠いし、ななの声がぼやけて聞こえるし。
もしかして。
これって、オレの体が限界なのか?
いかん。このままでは殉職だ。
でも眠い。
眠いし、頭が回らない。
でも視界はぐるぐる回っている。
色がいっぱい混ざって混ざって、真っ黒になって。
目の前が、パーフェクトにブラック。
全てが……黒。
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