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女児霊といっしょに。~学校の七不思議~
第六章:蝕愛 11
しおりを挟む目を開けると、そこは真っ白な世界。
視界の端にはぼやけた何かが浮いている。
ここは、天国か?
それはない。天国や地獄なんて、人間が自分達に都合良く作った世界だから。仮に本当にあったとしても、ここは絶対違う。
いくら真っ白だといっても、機材やカーテンがある現代的な場所が天国とは思えない。というか、ここは病室だろ、どう考えても。
そしてぼやけた何かは――なな……だよなぁ。
何故か顔を縦に伸ばして、変顔を見せつけてくるけど。
「………何してるんだ、お前」
「あ!駆郎にぃが起きた!起きたよ~っ!」
「オレの質問に答えろよ」
ななはぴゅーんとすぐにどこかへ飛んでいってしまった。その後すぐ、母さんと一緒に戻ってきた。
「あ~、良かった。もう目を覚まさないかと思ったのよ」
「縁起でもないこと言うなよ」
母さんはぷんぷん怒ったような仕草をしている。
どうやらオレは悪霊との戦いの後、病院に運ばれたようだ。ということは母さんがあの後教室に来てくれたのか?
「ななちゃんの悲鳴が聞こえたから、急いで行ったのよ。爆音も凄かったし、心配した通りボロボロになってるし」
「不甲斐ない」
「本当よ。丸一日寝てたのよ?」
「マジでか」
思った以上に重傷だったんだな、オレ。
よく生きていたな。
「その間ず~っとななちゃんが見守ってくれてたんだから感謝しなさい」
「さっきオレに変顔晒してたけど」
「だ、だって~、面白い顔したらびっくりして……起きるかなって思ったから……」
不謹慎の塊かよ、お前。
今更顔を真っ赤にして恥ずかしがっても遅いぞ。
「まぁ、ありがとな。心配かけた」
「そんな……ななも助けてもらったし…………ありがとう」
最後の方、ごにょごにょ言ってて殆ど聞き取れないぞ。恥ずかしいのはオレだって同じなんだから大丈夫なのに。
顔が真っ赤っかになっていて、可愛いな。
「そうだ、封印した祠ってどうなったんだ?」
「アレなら職員室の重要書類用金庫の中に保管することになったわ。どうせ奥部小に引き寄せられちゃうから、引き続き預かってもらうのよ。でも、もう触れないようにしといたから問題ないでしょ」
「後始末まで……本当に不甲斐ない」
「いいのいいの。あの悪霊レベルの問題だったら本来私が出ないといけないからね~」
オレの体はボロボロだし、後処理は丸投げだし。至らない点ばかりだけれども、悪霊の封印とななの救出を成し遂げられて良かった。
それだけは胸を張って言える。
……と思っていた矢先、残念なお知らせが。
「言い忘れたんだけど、全治一週間らしいよ」
「嘘だろ……?」
「本当よ。傷は深くて出血多量。お医者さんがね、どんなに念導者の念を使っても最低一週間は退院させられないって言ってました」
「それってさ……、要するに残り一週間で七不思議の全クリアを目指せってこと?」
「ザッツラーイトッ!」
「ガッデム!」
余談なのだが。
この一件の後、悪霊を封印していた祠について母さんと可児校長が調べてくれた。
母さん曰く祠に使用されていた念導札は旧式らしく、現在では骨董品レベルの代物らしい。時代はどんなに新しくても第二次世界大戦より前くらいだそうだ。
可児校長曰くあの祠が屋上に続く階段に設置されたのは先々代の校長時代だそうで、その校長の家族に祠の出所を聞いてくれた。しかし家族の証言では「その辺の骨董店で買った安物」らしく、御利益があれば御の字レベルで飾ったらしい。御利益どころか災厄が詰まっていたぞ。
分かったのはここまで。
結局あの凶悪極まりない悪霊が生まれた経緯や封印した念導者のこととか、さっぱり不明で真相は藪の中もとい闇の中だ。
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