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女児霊といっしょに。~晩出霊獣伝説~
第四章:眠り姫達のパーティー 4
しおりを挟む「…………誰?」
帰宅するとそこにはギャルのような女の子がいた。
今日はやけに女子との関わりが多いな。普段ななくらいしか女子と話さないオレの対ガールズ・キャパシティがオーバーヒートで大爆発、そろそろ限界点を突破するぞコラ。
「誰はないでしょ」
「いや、何となく分かるよ。だけどさ、その、変貌っぷりが凄くて……」
ウェーブのかかった金髪と緋色のメッシュ。その特徴を持つ女子は知っている……が、こんなパーカーにルーズソックスというザ・ギャルっ娘だっただろうか?
姉の方は西部劇とB級アクション映画かぶれだったけど、こっちはこっちでどうしてこうなった感が凄い。
「……こがねだろ」
対邪処“きつねび”に所属している念導者見習いにしてましろの妹、狐火こがね。
どうやらオレ達が奥部小へ行っている間に到着していたようだ。
「そういえばましろはどうした?」
「ましろ姉ちゃんなら遅れてくるよ」
「別件の仕事でもあるのか?」
「ううん。赤点取り過ぎて追試になったから」
うわぁ、恥ずかしい理由。
というか、ましろってそんなに成績悪いのかよ。
「それよりさー……駆郎って姉ちゃんのこと好きなの?」
「ふふぁいぃっ!?」
久しぶりの再会早々、どんな質問だよ!?
確かにデートもどきはしたけれども、母さんやななに“初デート”っていじられまくたけれど!オレとましろはそういう関係じゃないから!
「駆郎とデートしたこと相談されたんだよねー……。ドキドキしちゃったけど、駆郎にその気があるのか分からないって」
「まっ、ましろがそんな相談していたのか!?」
あの後ましろもオレ同様動揺していたというのか?帰る時も妙に駆け足だったし階段から転げ落ちたりしていたけど……。
「ぶっちゃけ姉ちゃんも自分の気持ちに整理がついていないみたいだよ……今でもね。もし駆郎にその気があれば、アタックするチャンスだよ」
おい、何だその手のサイン。小指を立てるな、小指を。
「いいんじゃな~い、そのおなごをものにしちゃいなさいよ~」
背後からぬるりとヒノエさんが手を回してくる。手つきがいやらしくてぞわぞわする、やめてくれ。
「お互い好き同士になれるなんてとっても幸せなことですよ。私は応援します!」
フタチさんは謎のやる気を出しているし。下手に大人の女性霊がいるせいで恋愛ネタを異常に弄られる。
これならまだななのロリコンネタの方が非現実的なだけ百倍マシだ。
「あ、でも駆郎ってロリコンで筋肉フェチとかいう突き抜けた趣味なんだっけ。じゃあ無理か」
「ぅおいっ!なんかすげー誤解が伝播してないか!?」
最悪筋肉フェチはいいとして、ロリコン疑惑がこがねにまで伝わっているのかよ。一体どこまで広がっていくんだよ!
「ろりこん……?わては聞いたことありませんね」
「ふえち?ふぃえち……?言いづらいですね」
ヒノエさんとフタチさんは聞き慣れない言葉に混乱中。それもそのはず、彼女達は千年前の人なのだから。
よし、これ以上の被害は食い止められたぞ。
「えっとね、ロリコンが小さい女の子が好きって意味で、筋肉フェチっていうのはムキムキの女の子が好きって意味なんだよ!」
「オイコラ、ななぁぁぁぁぁっ!?」
ななの馬鹿野郎!何で教えるんだよ!
折角オレについてきてくれた彼女達の気持ちがマッハで遠ざかってしまうし、それは完全な誤情報だから!
頼むからこれ以上オレに変態属性を盛るのはやめてくれぇぇぇ……。
「……普通じゃなぁい?」
「普通ですね」
あれ?
お二方の反応はあまりなし。きょとんとしていて、不思議そうに首を傾げている。
「それは若い子の方が多くの子を産めるし」
「強い女性の方がもしもの時に家を任せられますもんね」
そうか、千年前の感覚では早くの結婚は普通(ヒノエさん自身子持ち)だし、戦のあった時代では旦那が戦死して妻が家を守らないといけないこともあっただろう。昔であれば農作業で筋肉が付いた女性も珍しくないだろうし。
良かった、助かった。
「む~、効果はいまいちだったか~」
「遊び感覚かよ」
「いてっ」
とりあえず、ななの頭にお仕置きチョップを食らわしておいた。
「それで、駆郎はロリコンなの?」
「断じて違うからな。あと筋肉フェチも」
こがねはまだしつこく聞いてくる。
お前も人の性癖ネタが好きなタイプなのかよ。
「別に何でもいいけど。嫌じゃなければ姉ちゃんと付き合ってあげてよ」
こがねは特に興味なし、といった様子でソファーの上にごろ寝する。
「それはどういうことだよ」
「……ボクなりのお節介だと思ってくれていいよ」
そう言うとこがねは大欠伸を一つして、瞼を閉じる。
本格的に眠る体勢に入っているな、これは。
「お節介……か」
こがねの報告通りなら、ましろはオレのことを……いやいやいやいや!あくまでもこれはこがねの主観に基づいたお節介なのであって、ましろの本心って訳じゃないから!気持ちの整理が出来ていないって言っていたし!
はぁ、ドでかい危機が迫っているというのに動揺させやがって。まったく。
そういえば。
こがねって自分のこと「ボク」って言うんだな。
ボクっ娘かぁ。
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