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女児霊といっしょに。~晩出霊獣伝説~
第五章:翠と金の螺旋階段 7
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「…………ふざけんなよ」
「ホント、許せないよね」
オレとななは憤怒の炎で今にも脳天激烈大爆発しそうだった。
目の前にいる巨体、不自然な行動をとる邪怪の姿はオレとななを怒らせるには十分過ぎる。浄怪を通り越して消し炭にしてやりたいくらいな気持ちだ。
何故なら。
邪怪の姿が正義の味方をしているからだ。
頭部はプレゼント用の袋からはみ出した目玉と捕食器官。これはまぁ別にいい。右腕のサザエ。これも晩出市の邪怪が持つ特徴だし問題はない。
だが、それ以外は絶対に許せない。
その左腕は三つの武器を切り替えて戦うロボットアーム。どう見ても鎧亜組テラルギンジャーズの巨大ロボット、エナジーオウのパーツだ。
その腰に巻かれたベルトには絵の具とパレットを模したバックル。どう見ても武錬ファイターパレットの変身ベルト、アートドライバーだ。
その身に纏う衣装はハートと炎があしらわれたエプロンのようなドレス。どう見てもピカリンマジカル☆クッキングのピカマジフランベのコスチュームだ。
「正義の味方を愚弄するなんて、絶対許せねぇっ!」
「駆郎にぃに同じ!」
どうしてこの邪怪が不可解な行動をとったのか、何となく分かった。
多分、澱神無は関係ない。玩具屋、そして子供達の正義に対する憧れを元にして生まれ、それを歪んだ形で実体化させた邪怪。だから清き心を持つ子供を保護し、悪いことをする大人だけを捕食していたんだ。
しかし。
「それは独りよがりの正義だ、そんなのオレは認めねぇっ!」
「駆郎にぃに同じ!」
「その狂った正義感、オレ達が止めてみせる!」
「止めてみせる!」
正義のために戦うヒーローアンドヒロインの名をを汚す邪怪を倒し、子供達を絶対に救い出して見せる!
「あの~……駆郎?何で妙に盛り上がってるの?」
「ちょっと気持ち悪い」
後ろで冷ややかな視線を送る茶々とこがね。
やめてくれ、そういう目で見られると心が痛い。
「えーっ!すっごく怒れるじゃんっ!ピカリンマジカルの力を悪用する邪怪だよ!?」
「あー、はいはい。好きな作品を汚されたってことね」
「大丈夫、ななはキモくないから」
オレはキモいってことかよ。いいじゃないか、高校生がヒーロー物見ていたって。
「おーい、あたいはさっさと倒して帰りたいんだけど。こういう場所はなんか落ち着かねーし」
ミサキちゃんが苦言を呈したことで、すっかり本題から逸れていたことに気付いた。
今は子供向け番組を見る高校生がキモいか否かを論ずる時ではなかった。
「そうだな。ミサキちゃんの言う通り、サクッと浄怪しようか」
「な~んで駆郎が仕切っているのかな~?」
「駆郎は対霊処でしょ」
だから、オレの扱い悪過ぎだろ。
「私とこがねでこいつを浄怪するから、駆郎とななはサポートをよろしくね」
「ミサキちゃん達は子供達に攻撃が当たらないように守って。出来れば避難させてくれたら嬉しいんだけど」
茶々とこがねからの指示を受けたオレ達は、それぞれ配置について戦闘開始の合図を待つ。
浄怪と救出。この二つを確実にこなす、それが絶対条件。
きっと難易度は高いだろうが、これだけ仲間がいるのなら出来る。
今のオレ達になら、出来る。
「ホント、許せないよね」
オレとななは憤怒の炎で今にも脳天激烈大爆発しそうだった。
目の前にいる巨体、不自然な行動をとる邪怪の姿はオレとななを怒らせるには十分過ぎる。浄怪を通り越して消し炭にしてやりたいくらいな気持ちだ。
何故なら。
邪怪の姿が正義の味方をしているからだ。
頭部はプレゼント用の袋からはみ出した目玉と捕食器官。これはまぁ別にいい。右腕のサザエ。これも晩出市の邪怪が持つ特徴だし問題はない。
だが、それ以外は絶対に許せない。
その左腕は三つの武器を切り替えて戦うロボットアーム。どう見ても鎧亜組テラルギンジャーズの巨大ロボット、エナジーオウのパーツだ。
その腰に巻かれたベルトには絵の具とパレットを模したバックル。どう見ても武錬ファイターパレットの変身ベルト、アートドライバーだ。
その身に纏う衣装はハートと炎があしらわれたエプロンのようなドレス。どう見てもピカリンマジカル☆クッキングのピカマジフランベのコスチュームだ。
「正義の味方を愚弄するなんて、絶対許せねぇっ!」
「駆郎にぃに同じ!」
どうしてこの邪怪が不可解な行動をとったのか、何となく分かった。
多分、澱神無は関係ない。玩具屋、そして子供達の正義に対する憧れを元にして生まれ、それを歪んだ形で実体化させた邪怪。だから清き心を持つ子供を保護し、悪いことをする大人だけを捕食していたんだ。
しかし。
「それは独りよがりの正義だ、そんなのオレは認めねぇっ!」
「駆郎にぃに同じ!」
「その狂った正義感、オレ達が止めてみせる!」
「止めてみせる!」
正義のために戦うヒーローアンドヒロインの名をを汚す邪怪を倒し、子供達を絶対に救い出して見せる!
「あの~……駆郎?何で妙に盛り上がってるの?」
「ちょっと気持ち悪い」
後ろで冷ややかな視線を送る茶々とこがね。
やめてくれ、そういう目で見られると心が痛い。
「えーっ!すっごく怒れるじゃんっ!ピカリンマジカルの力を悪用する邪怪だよ!?」
「あー、はいはい。好きな作品を汚されたってことね」
「大丈夫、ななはキモくないから」
オレはキモいってことかよ。いいじゃないか、高校生がヒーロー物見ていたって。
「おーい、あたいはさっさと倒して帰りたいんだけど。こういう場所はなんか落ち着かねーし」
ミサキちゃんが苦言を呈したことで、すっかり本題から逸れていたことに気付いた。
今は子供向け番組を見る高校生がキモいか否かを論ずる時ではなかった。
「そうだな。ミサキちゃんの言う通り、サクッと浄怪しようか」
「な~んで駆郎が仕切っているのかな~?」
「駆郎は対霊処でしょ」
だから、オレの扱い悪過ぎだろ。
「私とこがねでこいつを浄怪するから、駆郎とななはサポートをよろしくね」
「ミサキちゃん達は子供達に攻撃が当たらないように守って。出来れば避難させてくれたら嬉しいんだけど」
茶々とこがねからの指示を受けたオレ達は、それぞれ配置について戦闘開始の合図を待つ。
浄怪と救出。この二つを確実にこなす、それが絶対条件。
きっと難易度は高いだろうが、これだけ仲間がいるのなら出来る。
今のオレ達になら、出来る。
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