悪魔と呼ばれ捨てられたけれど、王子に愛される運命を手に入れてみせます!

なごみ

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隣国の企み

フローレス伯爵の嘘3

 

  その話しを聞いたマリアは涙を流した。特に否定するわけでもなく、肯定するわけでもなく。

 彼女にとっても。私が居なくなるということは腹の子から父という存在を奪い取ることになるとでも考えたのだろう。

 その後、特に何かの言葉を交わすこともなく、ほどなくして陣痛が来た。それは今まで自分が想像していた以上に過酷なもので、三日三晩、部屋の外までうめき声が聞こえていた。

 そして4日目の朝、産声が聞こえてきたのである。そう、それがルシルの誕生だった。

 産声が聞こえてすぐ部屋に入ったが、彼女はぐったりしてそのそばには生まれたばかりの我が子がいた。そーっと近づいてみると、ぱっちっと目を開けた。

 瞳の色は・・・・・・・色がないかと思う程薄かった。この子の母よりも格段に薄くなったそれで、一生懸命こちらを見ていた。

 そう、問題はその後だった。キャンディスが出産した子を連れてフローレス伯爵亭へと乗り込んできたのだった。

 キャンディスが抱えていた子供は、私の瞳の色と同じブルーサファイアを持っていた・・・・・・。

 

 

 

 マリアは産後の肥立ちが悪く、ベットから起き上がることができずにいた。

 私はそれをいいことに、フローレス伯爵家の子供は双子だったと報告を行い、キャンディスと我が子をこの屋敷に入れることにした。

 マリアは起き上がることができぬのだから、ばれることはないとたかをくくって。

 そうして、フローレス伯爵家は双子が生まれたという噂が流れた。しかし、双子は似ても似つかぬ容姿だった。それはもちろん、母親がそれぞれ違うからである。

 ちょうどその頃、前フローレス伯爵夫妻は原因不明の事故で馬車ごと崖に落下し亡くなった。そして、マリアも・・・・・・症状は安定していたのだが、急変し、あの世に逝ってしまった。

 そう、これが私がずっと隠し続けている嘘だ。

 そのあとは、想像通り。キャンディスがルシルのことを気に入らず、悪魔などと言い「殺せ」と言ってきた。ルシルは、毎日キャンディスに殴る、蹴るの暴行を受け、虚ろな目をしていた。

 さすがに殺すのは可愛そうだと思い、下町へと捨て置いた。暴行を受けるよりはいいかと思って。

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